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勇翔(ゆうと)

はあ

勇翔(ゆうと)

遅くなっちゃったな

俺は、勇翔

会社の残業を終えて

いち早く家に帰りたいと思っている

勇翔(ゆうと)

ふう

ウィーン

オートロック式の自動ドアを潜り

エレベーターのボタンを押した

勇翔(ゆうと)

(早く来ないかな…)

チーン

エレベーターのドアが開く

勇翔(ゆうと)

5階、5階のボタンは……

5階のボタンを押すと

ゆっくりとドアは閉じ

上に上がって行った

2階付近で異変が起きた

勇翔(ゆうと)

勇翔(ゆうと)

あれっ?

目的階層である5階のボタンが

点滅していないのだ

勇翔(ゆうと)

え?

勇翔(ゆうと)

何で

勇翔(ゆうと)

まあ、故障かな

そう思ったのも束の間

エレベーターの動作が可笑しいのだ

目的の5階も過ぎた

勇翔(ゆうと)

どうなってんだ?

勇翔(ゆうと)

うーん

その時

ブーッ

エレベーターの定員を

オーバーしています

勇翔(ゆうと)

え?

勇翔(ゆうと)

俺しかいないのに?

俺は、突然の事態に

焦り

取り敢えず、次の9階のボタンを押した

チーン

勇翔(ゆうと)

ふう

勇翔(ゆうと)

何だったんだ

その時

大丈夫ですか?

勇翔(ゆうと)

いえ

少し辛そうだったので

何か見ました?

勇翔(ゆうと)

いや

勇翔(ゆうと)

そう言うことじゃなくて………

若しかして貴方

良かったわね、此処で

勇翔(ゆうと)

どうゆうことですか?

貴方、危なかったのよ

勇翔(ゆうと)

此のマンションの裏側は

何だったかしら?

勇翔(ゆうと)

えーと

勇翔(ゆうと)

墓地ですね

此のマンションは9階建てだよね

勇翔(ゆうと)

そうですね

じゃあ、貴方

まずかったわね

勇翔(ゆうと)

どうゆう………

何故かって

だって

幽霊、魂の皆さんが

此処よりも高い何処かに

向かう為に

エレベーターを使うのよ

勇翔(ゆうと)

ってことは

勇翔(ゆうと)

あの時、定員オーバーだったのは……

あの儘、乗っていたら

何処へ行っていたんだろうね

彼女は、不気味な笑みを浮かべ

エレベーターで、上へ昇っていった

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