柚姫
いってきまーす!
柚姫の母
これ、柚希くんに渡しといて!
柚姫
なんで私が…
柚姫の母
同じクラスでしょ?
柚姫
じゃないんだけど…
柚姫の母
じゃ、行ってらっしゃい!
柚姫
突然ですが、みなさんは 自分の名前って好きですか?
ちなみに私は大好きです。 なんで大好きなのかは ちゃんとした理由があるんです。 それは……
柚姫
これ、お母さんが柚希にって…
柚希
サンキュー!
そう、この男子が理由 私達は……
美春
おはよー!
『おはよー!』と隣に居たやつと 声が重なった。
柚姫
柚希
短い沈黙の後……
柚希
何朝からハモらせてくれてんだよw
柚姫
柚希がでしょ!
実は……私、『高野柚姫』(たかのゆずき)と 幼なじみのコイツ『鷹野柚希』(たかのゆずき)は 姓と名が同じ、同姓同名なんです。 今はクラスも同じで席もとなり。
柚希
じゃ、俺は先に行くからな。
柚希
ハモらせんなよ?
柚姫
そう言って柚希は 先に学校に向かった。
柚姫
美春
どんまーいw
柚姫
もうっ!2人でいる時はこうなるから
呼ばないでって言ってるじゃん…!
なんてこと言ってるけど 本当はすっごく嬉しい。 だって……
好きな人と名前が一緒なんて 運命みたいじゃん!
美春
嬉しいくせにw
美春
告ればいいのに。
柚姫
ほらっ!早く行かないと
遅刻するよ!
私達は急いで学校に向かった。
柚希
遅い到着だなw
柚姫
私と柚希は顔を合わせてはこんな感じ。 柚希は私をからかっていて 私はそれにムキになってしまう。 好きって気づいてから、意識し始めてるうちに 話すのも恥ずかしくなっちゃって……
でも、私はこの柚希との時間が嫌いじゃない。 むしろ……大好き。
先生
授業を始める!
生徒1
授業が始まってしばらくして……
先生
先生
生徒1
生徒2
柚姫
柚希
沈黙の後……
柚希
解きたいそうでーす!
柚姫
なんで私?!
柚希
解きたそうな顔してたからw
柚姫
柚希が解きなよ!
先生
大丈夫。2問あるからw
柚姫
先生
楽なんだよw
お前らセットみたいなもんだろ?
柚姫
そんなセット嫌だ……
柚希
次の体育の時間、私は 美春達と体育館の隅っこで話していた。
美春
柚希カッコイイんだから
もたもたして油断してると
ほかの子に取られちゃうよ?
狙ってる子もいるし…
柚姫
言って振られたら今の関係が
壊れそうで嫌なんだよ……
美春
勇気だせって!
柚姫
どっから来るわけ?
美春
柚姫
すると……
???
柚姫
呼ばれた方を向くと……
柚希
ナイスパス!
柚姫
近くのコートで柚希がバスケをしていた。 パスを受け取ったあと柚希は……
柚希
柚姫
柚姫
私がバカだった!)
美春
柚姫
美春
てかさ、柚姫、寒くないの?
柚姫
ジャージ家に忘れちゃって……
すると……
柚希
柚姫
誰かが私の頭にジャージを投げかけてきた。 振り向くと…
柚希
今、暑くていらねーから
お前代わりに着てろ!
柚姫
ありがとう!
柚希
そう言うと、柚希はバスケに戻った。
美春
柚姫
柚姫
大きいな……そりゃそーか…
男の子だもんね…/////)
柚姫
放課後
柚姫
どこいったんだろ?
私は一緒に帰ろうと柚希を探していた。 角を曲がろうとした時……
栞里
付き合ってください!
柚姫
告白っ!?)
私は慌てて建物の角に隠れた。
柚姫
隣のクラスの栞里さん?
柚希のこと好きだったんだ……)
柚姫
取られたら……
私、勝ち目ないじゃん……)
柚姫
柚希
柚希
俺好きな奴いるから
お前の気持ちには答えられない。
栞里
柚希
俺、急いでるから。
栞里
柚姫
好きな人いるんだ。
知らなかった……)
柚希
柚姫
柚希
盗み聞きかよ。
柚姫
たまたま聞こえちゃって…
柚希
一緒に帰ろーぜ。
柚姫
次の日
柚姫
おかしくないよね……?)
私は、昨日貸してもらったジャージの お礼に、柚希の大好物のカップケーキを 添えて返そうとしていた。 すると……
栞里
柚姫
栞里さん……
栞里
話があるんだけど。
柚姫
私は校舎裏に呼び出され……
『ドンッ!』と いきなり突き飛ばされた。
柚姫
栞里
と、ジャージを無理やり取られて……
柚姫
返してよ!
それを地面に叩きつけて踏みつけた。
柚姫
栞里
これじゃ、柚希くんに
返せないわね。
柚姫
なんでこんなことするの…?
栞里
決まってるじゃない。
栞里
柚姫
栞里
柚希くんにチヤホヤされて…
栞里
名前が一緒じゃなかったら
相手になんてされないんだから!
女子1
栞里の物なんだから!
栞里
近づかないでっ!
柚姫
そうかもしれない…)
柚姫
人気者でカッコイイ柚希と違って
人気者でもかわいくもない……
でも……っ!)
柚姫
柚姫
言われなきゃ行けないの…?
栞里
柚姫
筋合いなんてないし…
そもそも柚希は誰の物でもない!
物扱いしないで……!
私がそう強く言うと…
栞里
生意気なこと言ってっ!
そう叫ぶと 近くにあったゴミ箱で 私を殴ろうとしてきた。
柚姫
私はギュッっと目を閉じた。
『ガンッ!』と大きな音はしたけど なにも衝撃はなく……
そっと目を開けると 大きな背中が 私をかばっていた。
柚希
栞里
柚姫
柚希
柚希
栞里
これは……っ
柚希
柚姫に何してんのって
聞いてんだけど……?
栞里
柚希
昨日、俺がお前の
告白断った腹いせに
こんな事してんの?
柚希
柚希
今すぐ辞めてくれる?
柚希
柚姫以外好きにならないから。
柚姫
柚希
物扱いしないでくれない?
柚希
勘違いすんな。
栞里
女子1
栞里っ!!
栞里さん達は足早に去っていった。
柚希
柚姫
私は大丈夫だけど
柚希が……
柚希
あんなんでやられるぐらい
ヤワじゃないし。
柚希
柚姫
助けてくれて
ありがとう…
柚姫
また洗って返すよ…
柚希
柚希はジャージを拾うとした 私の手を取り抱き寄せて来た。
柚姫
柚希
聞きたいんだけど…
柚姫
柚希
あんな嘘つくかよ…
柚姫
追い払うための嘘かと……
柚希
嘘つかなくても追い払える。
柚希
自分の名前好き?
柚姫
柚希
なんでか分かる?
柚姫
柚希は私を抱きしめていた腕に力を込め……
柚希
柚希
柚姫
柚希
好きな奴と名前が一緒なんてさ。
柚希
運命だって思ってる…。
柚希
柚姫
柚希
俺と付き合ってください…
柚姫
私は柚希にキスをした。
柚希
柚姫
柚希のことが大好きです……/////
柚希