目の前で起きたことが、理解出来なかった
元々、頑張りすぎる子だと知っていた
そして、俺に止められるまで辞めないことも
それを、理解していたのに
何年も音信不通だったのは、申し訳ないと思ってる
それでも、二人で選んだこの家に住み続けて
鍵も変えてない様子を見ると
まだ、自分は捨てられてなかったのだと安心した
何年振りの、我が家だろう
思ったよりも荒れていて、思わず笑った
少し片付けて、適当に買い出しに行って
ご飯を作って、待っていたのだけど
帰ってきたのは、真夜中もいい所で
…迎えに行こうと、何度悩んだことか
玄関の前で、君の気配を感じたから
そのまま、ドアを開けたら
…随分と、酷い顔した君がいた
その瞬間に、悟った
…いくら仕事と言えど、やってはいけないことがある
それは、大切な彼女を放置することだ、と
彼女が、自分をその瞳に映した瞬間
何故か、安心しきった顔をして倒れ込んだ
…無理を、したんだろうな
誰も、止めないから
誰も、君がなんでも出来る人だと信じてやまないから
「…ごめんな」
不意に出た、謝罪の言葉に
我ながら情けない、と思いながら
彼女を部屋まで運んだ
…………軽いな
……それに、顔色も悪い
なんて、思って
消えてしまいそうで
願いにも似た思いを抱えて
君を抱きしめた
コメント
1件
彼氏さん目線だ!! (上)を読んだ時は何年も音信不通なんて……!!って思ったけど、彼氏さんにも事情があったんだろうな……でも、ちゃんと帰ってきてくれて良かった😌💭 やつれてしまった彼女の姿を見て音信不通にしてしまったことを悔いているけれど、最後はしっかり「君」を抱きしめる姿を見て本当に彼女を愛しているんだな、って伝わってきた……!!