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モクス

……………………

モクス

(この本も
飽きてきたな…
そろそろ
新しい本でも
貰うか…)

リリリリリン (電話が鳴る)

モクス

…………………

ガチャ

モクス

はい…

もしもし…
モクスさんですか…?

モクス

そちらさんは…?

ザラ

えっと…
ザラと申します…

モクス

それで…?

ザラ

合言葉を…

モクス

どうぞ…

ザラ

死にゆく犬に
首輪をつけよ…

モクス

………………

モクス

お電話
ありがとう
ございます…

モクス

今回はどういった
ご用件でしょうか…?

ザラ

俺の恋人を
殺して欲しいです…

モクス

恋人…
詳しく
お話を聞いても…?

ザラ

はい…

彼女と出会ったのは とある夜の公園でした

私はよく悲しくなると 公園でたそがれていました

その日も いつものように 公園に行くと

そこに 泣いている女の人が いらっしゃいました

ハサ

………………(泣)

ザラ

………………?
(女の人…?
この時間に…?)

ザラ

こんばんは…

ハサ

……………!?

ザラ

あ…
すみません…
いきなり
話しかけてしまって

ザラ

私でよければ
お聞きしましょうか?

そして 彼女は戸惑いながら 私に話してくれました

どうやら 彼氏さんが何者かに 殺されてしまったそうです

何も悪い事など していないのに 家に帰ってる途中に 刺されてしまったらしい

とても 災難である

しかし そんな事はこの世界では 日常茶飯事である

そのため この世界は狂っているせいで 幸せに暮らす事が不可能である

それだからか 私はこんな事を 言ってしまう

ザラ

彼氏が
いなくなったのなら
私と付き合いませんか?

こんなことを言うのは 狂っているのだろう

しかし この世界は狂った世界

狂う奴ほど 偉い奴になる

しかし 彼女は嬉しそうに 返事をくれた

ハサ

はい♪
喜んで♪

そこから 私たちは 2人暮らし始めた

そこから 彼女と付き合って

幸せな日々を 送っていたある日

彼女に裏切られた日

その日は 彼女の誕生日

私はネックレスを プレゼントしようと 仕事を終わり 家に帰りました

玄関につき 鍵を開けようとした所

妙なことに 気がついたんです

いつもはしまっている鍵が 空いている

私は胸騒ぎがし 急いで扉を開けた

その瞬間 彼女は私の腹を 包丁で刺し

気がつけば 病院のベットの上にいました

そして 1ヶ月後

彼女といた部屋には

もう何もありませんでした

モクス

…………………

ザラ

調べた所
あの女は
嘘をついて
ある程度
男を遊んだら
刺し殺して
金を盗み
逃げる奴だったようで

ザラ

それで…
俺は許せなくて…

モクス

それで…
殺して欲しいと…

ザラ

はい…

ザラ

私の金も物も
全て無くなって

ザラ

唯一
隠し金庫に
入っていた物が
盗まれていないだけ
マシでした…
本当に
よかったです…

モクス

報酬は…

ザラ

すみません…
お金はすぐには
用意出来なくて…
いくらですか…?

モクス

金は入りません…

ザラ

え…

モクス

ザラさん…
俺はですね…
金なんかに
興味ないんです…

モクス

殺した奴から
奪っていれば
入りますから…

ザラ

じゃあ…
何を…

モクス

本…

ザラ

本…?

モクス

報酬は
私が読んだ事のない
本です…

ザラ

本…ですか…

モクス

はい…
本の題名を聞いて
受けるか決めます…

ザラ

…………………

ザラ

か…
隠し金庫の中の
物じゃ…
ダメですかね…

モクス

中身は何ですか…?

ザラ

『さざなみの丘で』
という本で…

モクス

…!

モクス

もしかして…
志崎龍牙さんの作品…?

ザラ

え…
えぇ…

モクス

しかも…
3冊しか
出していない
とても
貴重な本では
ないですか…?

ザラ

そ…
そうなんですか…?

モクス

はい…
売れば
軽く10億は
しますよ…

ザラ

10億…!?

モクス

何故その本が…?

ザラ

えっと…
私の父は
本が好きな人で
この本だけは
絶対に
誰にも見せるなと
言われていた物なので

ザラ

まさか…
そんな
貴重な物だったとは…

モクス

それで…
どうします…?
他に本は
ありますか…?

ザラ

そう…ですね…

ザラ

………………

ザラ

『藁の里』は
いかがでしょうか…
2冊ありますので…

モクス

佐嘉リンタロウさんの
作品ですか…

モクス

…………………

モクス

わかりました…
引き受けましょう…

ザラ

あ…
ありがとう
ございます!!

モクス

報酬は
明日ザラさんの家は
お伺い致しますので…

ザラ

よろしく
お願いします…!!

モクス

では…

ガチャ

モクス

…………………

モクス

はぁ…
また嘘ついてる奴か…
わざわざ
電話してくるなんて
暇なのか…?

モクス

高い本を
言えばいいって
思ってる奴が
多すぎて…
つまんねーな…

モクス

…………………

モクス

おい…

………………?

モクス

お前…
俺の代わりに
今電話した奴
殺してこい…

わん!

モクス

人間の格好でいけよ?
アイツが
住んでいるのは
街のど真ん中だからな…

モクス

まぁ…
お前が
そのままがいいなら
それでもいいが…

くぅーん…

モクス

失敗するなよ…?

わん!

モクス

いい子だ…

ガンッ (蹴る)

キャインッ…!

モクス

……………………

モクス

俺が帰るまでに
殺しとけよ…?

くぅん…

ガンッ (蹴る)

キャインッ…!

モクス

返事は…?

わ…
わん…

モクス

………………

モクス

お前だけは
俺を裏切らないな…

モクス

いい子だ…

(頭を撫でる)

くぅーん♪
(スリスリ)

モクス

…………………

モクス

やっぱり
お前は
おかしい奴だよ…

モクス

毎回
殴られても
蹴られても
頭を撫でられたら
喜ぶんだからな…

モクス

気持ち悪いよ…?
お前…

わん♪

モクス

…………………

モクス

じゃあな…
出かけてくる…

わん!

バタンッ (ドアを閉める)

…………………

(電話の相手…)

(どうやって…
探す…?)

(はやく…
殺さないと…
怒られる…)

(でも…
はやく殺したら…
褒められる…)

(お腹空いた…
ついでに…
食べようかな…)

狂世界 バーにて

モクス

…………………

カランカランッ

マスター

いらっしゃい…

モクス

情報…

マスター

またですか…
酒も頼まず
情報ばかりで
私は情報屋では
ないんですよ…?

モクス

情報…

マスター

…………………

マスター

ザラ・ルシール
35歳
L区16-8-9

モクス

…………………

カランカランッ

マスター

はぁ…

客1

マスター
さっきの人は…?

マスター

酒も頼まず
情報だけ聞いたら
帰っていく
殺し屋だよ…

客1

情報だけ…?
情報屋に
頼めばいいのに…

マスター

アイツは
人を信じないんだよ…
だから
昔からの知り合いしか
会うこともなければ
本音も言わない…

客1

てことは…
マスターは
信じてもらってるんすね

マスター

どうだかな…
昔からこのバーに
来てはいるが
酒を頼んだことは
一度もない…

客1

不思議な殺し屋ですね…

マスター

あの殺し屋とは
目を合わせるなよ…

マスター

目があった瞬間…
心臓に穴が開くからな…

客1

まさかぁ…
そんなわけ…

マスター

俺はこの店で
何度も見た…

客1

え…

マスター

アンタも
気をつけなよ…
お客さん

客1

…………………

モクス

(此処だな…)

バキッ (ドアを壊す)

モクス

…………………

グチャグチュグチュ

モクス

………………
(音がする…
血の匂い…
誰かいるな…)

モクス

…………………

…………………
(食べている)

ザラ

……………………

モクス

………………
(コイツ…
俺が来る前に
殺して喰ってるな…
相変わらず
どうやって
探しているんだか…)

モクス

おい…

……………!

わん♪

モクス

誰が勝手に
殺せと言った…?

くぅん…

モクス

全く…

モクス

いい子だな…
お前は…

わん♪

モクス

さてと…
漁るだけ漁るか…

…………………

モクス

どうした…?

わん!

モクス

これは…
金庫か…?

モクス

……………………
(そういえば…
電話で本が入っていると
言っていたな…)

モクス

……………………

カチャ

モクス

………………
(空いてるな…)

(開ける)

モクス

…………………

モクス

やっぱり…
人は信じるものじゃ
ねーな…

モクス

何も入ってない…

くぅん…

モクス

まぁ…
電話でコイツが
言ってた本は
持っているから
どうでもいいな…

モクス

どうせ
本当だろうが
嘘だろうが
コイツは
死んでた…

モクス

だろ…?

わん…!

モクス

全部
調べたんだな…

モクス

帰ったら
ご褒美やるよ…

わん✨

モクス

…………………

モクス

本当に
変だよな…
お前は…

モクス

人間の服着て
犬の言葉言って…

モクス

人間の言葉は
忘れたのか…?

…………………

モクス

………………

モクス

喋りたくねーか…
ならいいや…

モクス

じゃあ
帰るぞ…

わん♪

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