モクス
モクス
飽きてきたな…
そろそろ
新しい本でも
貰うか…)
リリリリリン (電話が鳴る)
モクス
ガチャ
モクス
?
モクスさんですか…?
モクス
ザラ
ザラと申します…
モクス
ザラ
モクス
ザラ
首輪をつけよ…
モクス
モクス
ありがとう
ございます…
モクス
ご用件でしょうか…?
ザラ
殺して欲しいです…
モクス
詳しく
お話を聞いても…?
ザラ
彼女と出会ったのは とある夜の公園でした
私はよく悲しくなると 公園でたそがれていました
その日も いつものように 公園に行くと
そこに 泣いている女の人が いらっしゃいました
ハサ
ザラ
(女の人…?
この時間に…?)
ザラ
ハサ
ザラ
すみません…
いきなり
話しかけてしまって
ザラ
お聞きしましょうか?
そして 彼女は戸惑いながら 私に話してくれました
どうやら 彼氏さんが何者かに 殺されてしまったそうです
何も悪い事など していないのに 家に帰ってる途中に 刺されてしまったらしい
とても 災難である
しかし そんな事はこの世界では 日常茶飯事である
そのため この世界は狂っているせいで 幸せに暮らす事が不可能である
それだからか 私はこんな事を 言ってしまう
ザラ
いなくなったのなら
私と付き合いませんか?
こんなことを言うのは 狂っているのだろう
しかし この世界は狂った世界
狂う奴ほど 偉い奴になる
しかし 彼女は嬉しそうに 返事をくれた
ハサ
喜んで♪
そこから 私たちは 2人暮らし始めた
そこから 彼女と付き合って
幸せな日々を 送っていたある日
彼女に裏切られた日
その日は 彼女の誕生日
私はネックレスを プレゼントしようと 仕事を終わり 家に帰りました
玄関につき 鍵を開けようとした所
妙なことに 気がついたんです
いつもはしまっている鍵が 空いている
私は胸騒ぎがし 急いで扉を開けた
その瞬間 彼女は私の腹を 包丁で刺し
気がつけば 病院のベットの上にいました
そして 1ヶ月後
彼女といた部屋には
もう何もありませんでした
モクス
ザラ
あの女は
嘘をついて
ある程度
男を遊んだら
刺し殺して
金を盗み
逃げる奴だったようで
ザラ
俺は許せなくて…
モクス
殺して欲しいと…
ザラ
ザラ
全て無くなって
ザラ
隠し金庫に
入っていた物が
盗まれていないだけ
マシでした…
本当に
よかったです…
モクス
ザラ
お金はすぐには
用意出来なくて…
いくらですか…?
モクス
ザラ
モクス
俺はですね…
金なんかに
興味ないんです…
モクス
奪っていれば
入りますから…
ザラ
何を…
モクス
ザラ
モクス
私が読んだ事のない
本です…
ザラ
モクス
本の題名を聞いて
受けるか決めます…
ザラ
ザラ
隠し金庫の中の
物じゃ…
ダメですかね…
モクス
ザラ
という本で…
モクス
モクス
志崎龍牙さんの作品…?
ザラ
えぇ…
モクス
3冊しか
出していない
とても
貴重な本では
ないですか…?
ザラ
そうなんですか…?
モクス
売れば
軽く10億は
しますよ…
ザラ
モクス
ザラ
私の父は
本が好きな人で
この本だけは
絶対に
誰にも見せるなと
言われていた物なので
ザラ
そんな
貴重な物だったとは…
モクス
どうします…?
他に本は
ありますか…?
ザラ
ザラ
ザラ
いかがでしょうか…
2冊ありますので…
モクス
作品ですか…
モクス
モクス
引き受けましょう…
ザラ
ありがとう
ございます!!
モクス
明日ザラさんの家は
お伺い致しますので…
ザラ
お願いします…!!
モクス
ガチャ
モクス
モクス
また嘘ついてる奴か…
わざわざ
電話してくるなんて
暇なのか…?
モクス
言えばいいって
思ってる奴が
多すぎて…
つまんねーな…
モクス
モクス
?
モクス
俺の代わりに
今電話した奴
殺してこい…
?
モクス
アイツが
住んでいるのは
街のど真ん中だからな…
モクス
お前が
そのままがいいなら
それでもいいが…
?
モクス
?
モクス
ガンッ (蹴る)
?
モクス
モクス
殺しとけよ…?
?
ガンッ (蹴る)
?
モクス
?
わん…
モクス
モクス
俺を裏切らないな…
モクス
(頭を撫でる)
?
(スリスリ)
モクス
モクス
お前は
おかしい奴だよ…
モクス
殴られても
蹴られても
頭を撫でられたら
喜ぶんだからな…
モクス
お前…
?
モクス
モクス
出かけてくる…
?
バタンッ (ドアを閉める)
?
?
?
探す…?)
?
殺さないと…
怒られる…)
?
はやく殺したら…
褒められる…)
?
ついでに…
食べようかな…)
狂世界 バーにて
モクス
カランカランッ
マスター
モクス
マスター
酒も頼まず
情報ばかりで
私は情報屋では
ないんですよ…?
モクス
マスター
マスター
35歳
L区16-8-9
モクス
カランカランッ
マスター
客1
さっきの人は…?
マスター
情報だけ聞いたら
帰っていく
殺し屋だよ…
客1
情報屋に
頼めばいいのに…
マスター
人を信じないんだよ…
だから
昔からの知り合いしか
会うこともなければ
本音も言わない…
客1
マスターは
信じてもらってるんすね
マスター
昔からこのバーに
来てはいるが
酒を頼んだことは
一度もない…
客1
マスター
目を合わせるなよ…
マスター
心臓に穴が開くからな…
客1
そんなわけ…
マスター
何度も見た…
客1
マスター
気をつけなよ…
お客さん
客1
モクス
バキッ (ドアを壊す)
モクス
グチャグチュグチュ
モクス
(音がする…
血の匂い…
誰かいるな…)
モクス
?
(食べている)
ザラ
モクス
(コイツ…
俺が来る前に
殺して喰ってるな…
相変わらず
どうやって
探しているんだか…)
モクス
?
?
モクス
殺せと言った…?
?
モクス
モクス
お前は…
?
モクス
漁るだけ漁るか…
?
モクス
?
モクス
金庫か…?
モクス
(そういえば…
電話で本が入っていると
言っていたな…)
モクス
カチャ
モクス
(空いてるな…)
(開ける)
モクス
モクス
人は信じるものじゃ
ねーな…
モクス
?
モクス
電話でコイツが
言ってた本は
持っているから
どうでもいいな…
モクス
本当だろうが
嘘だろうが
コイツは
死んでた…
モクス
?
モクス
調べたんだな…
モクス
ご褒美やるよ…
?
モクス
モクス
変だよな…
お前は…
モクス
犬の言葉言って…
モクス
忘れたのか…?
?
モクス
モクス
ならいいや…
モクス
帰るぞ…
?