テラーノベル
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「ねぇ、どういうこと?」
そんなことを言って、顔を掴む
可愛く彩った爪が、食い込むのを感じる
「ねぇ、さっきの女誰?」
「家の中まで連れ込んで」
「ただの友達、なんて言わないよね?」
なんて、少しずつ追い詰めていくと
また何か言ってるよ
とでも言いたげな顔をする
…もう、何回目だと思ってるの
私なんて大切じゃ無いんでしょ?
だからこんなことするんでしょ?
私じゃ相応しくないから捨てるんでしょ?
「もう、いい」
「分かった、私が馬鹿だった」
「今までそんな顔させてまで近くに縛ってごめんね?」
「どうぞ、幸せになってね」
魂が抜けた感覚がした
…いや、視界が開けた気分?
いらないものを、捨てた感じ
また今度荷物取りに来ればいいや
そう思って、いつもの鞄だけ持って家から出た
家を出る前、視界の端に見えた
絶望した、あなたの顔なんて見ないふりして
……別の女に、慰めてもらえば?
得意でしょ?そういうの
コメント
3件
最初は「またかよ」みたいな表情だったくせに「私」が別れの言葉っぽいことを言って家を出ようとしてると「出ていかないでくれ」と言いたそうな表情をしていて自分の過ちに気づくけど、もう既に遅い……そーゆー展開めちゃくちゃ好きだし、「私」がかっこいいと思った🤭💭 せめて自分のしたことをきちんと反省して「私」を傷つけてしまったことを一生後悔してくれるといいなあ……