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この声が君に届いて欲しくて

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この声が君に届いて欲しくて

4 - この声が君に届いて欲しくて 4

♥

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2019年09月06日

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今日は、楽しい日になるはずだった。

私と、遥くんと、玲くん、菜々葉と 遊ぶ予定で。

男の人に、絡まれるまでは。

明梨

離してください!

私が叫んだとき、遥くんが 助けに来てくれた。

遥くんは、私を解放してもらうために

男たちに殴られ、ボロボロに なってしまった。

私は、腕を掴まれたままだったから

見ているだけで、何も出来なかった。

明梨

遥、くん

明梨

ごめん、

明梨

ごめんね

明梨

今警察と救急車、
呼んだ…から、

男たちが町中に消えていったあと、 震える声でそう言った。

ーーーーー

遥くんが、口を動かした。

明梨

何て、言ってるの…?

聞こえないよ。

私の目から大粒の涙が 溢れた。

明梨

(なんで聞こえないの!?)

明梨

(遥くんが)

明梨

(何て言っているのか
聞きたいよ…)

いつからだろう。

遥くんの声が、聞こえなく なったのは。

いや、違う。

本当は覚えてる。

それは、まだ私が小学6年生 だった頃。

2年前。

教室に入ろうとした時、

男子

なぁー、お前さ

男子

明梨のこと好きなのー?

明梨

男子たちの話し声が 聞こえた。

扉の前で立ち止まる。

は!?

…遥くんだ。

私の顔が真っ赤なのが 分かった。

べ、別に、
好きじゃねーよ!

あんなの嫌いだし!

明梨

心臓がズン、と重くなる。

その場から動けない。

私のこと、嫌いだったんだ。

遥くんとはよく遊んでいたし、

私、両思いなんじゃないかって 浮かれてた。

扉にもたれかかるように、 しゃがんでうずくまる。

もう、遥くんの言葉を聞くのが

怖い。

今は

遥くんの声を聞きたくない。

誰かが、走って教室を 飛び出してきた。

泣きはらした顔を、 上げる。

明梨

(……っ!)

明梨

(遥くん…)

遥くんは、一生懸命に 口を大きく動かしていた。

大きな声だろうに、

私には何も、聞こえなかった。

きっと、あの時遥くんが

私のことを嫌いと言ったから

ショックで、聞こえなくなって しまったのだろう。

明梨

ねぇ、遥くん

明梨

何で、私のこと
助けてくれたの…?

遥くんは、私のことを 嫌いだったんじゃないのか。

いや、今はそんな事どうだっていい。

遥くん、

あなたの声が、聞きたい。

強く、願った。

遥くんに抱きしめられた。

明梨のことが、

好きだから

…え?

今のって…

私が最後に聞いた声よりも、

少し低くなっていた声で

間違いなく、遥くんがそう言った。

明梨

私も、好きだよ

考えるよりも先に

口からポロリと溢れた。

この声が君に届いて欲しくて

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