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Mask of the Delinquent

第14話 - 第14話

2025年03月26日

#ドラマ

#兄妹

#青春恋愛

#一次創作

#高校生

#第4回テノコン

×××

数日後の病院

敷島雅

・・・・・

そこには朝日が入院している病室の前で

中に入りづらそうにしている雅の姿があった

七星響樹

あれ？雅ちゃん？

七星響樹

何やってんの？

敷島雅

あ、七星・・・

七星響樹

入らねーの？

七星響樹

朝日のお見舞いに
来たんだろ？

敷島雅

あ、いや、今は

七星響樹

さっさと入ろうぜ

敷島雅

だから今は──

雅の言葉を無視して響樹は病室に入る

潤間若葉

はい！お兄ちゃん！

潤間若葉

あー・・ん♬

潤間朝日

あー・・ん

病室では若葉が朝日にカットしてあるリンゴを食べさせていた

七星響樹

よーっ！朝日！

そこに響樹が入って来る

潤間朝日

あっ・・・

潤間若葉

あっ・・七星さん

七星響樹

ああ、なるほどね

敷島雅

だから言ったのに

潤間朝日

あ！敷島さんも
来てくれたんだ

敷島雅

ま、まぁ・・ね

潤間朝日

ありがとう

潤間若葉

雅さん・・・

敷島雅

2人とも
元気そうでよかった

潤間朝日

心配かけたね

敷島雅

ホントよ！

敷島雅

まったく！

敷島雅

でも驚いたよ

敷島雅

2人が結婚しようと
してたなんてね

潤間朝日

え？なんで知ってんの？

潤間朝日

おい！響樹！

潤間朝日

お前ってやつは！

七星響樹

俺じゃねーよ！

七星響樹

若葉ちゃんが
話したんだよ！

潤間朝日

え？若葉が？

潤間若葉

ごめん・・・

潤間朝日

いや、謝らなくて
いいけどさ・・・

七星響樹

グモッチがHRの時に
時間作ってくれてさ

七星響樹

若葉ちゃんが
みんなの前で話したんだ

潤間朝日

みんなの前で？

七星響樹

ああ・・・

七星響樹

お前が親父の虐待を
誤魔化す為に
不良やってた事

七星響樹

それは妹の為だった事

七星響樹

将来は2人で暮らして
結婚するつもりな事

潤間朝日

そうだったのか・・

潤間若葉

クラスの人たちには

潤間若葉

早く本当のお兄ちゃんを
知ってもらいたかったから

潤間朝日

ありがとう若葉

潤間朝日

俺のために・・・

朝日は若葉の頭を優しく撫でる

七星響樹

でももっと驚いたのは

七星響樹

お前ら兄妹が
教頭の家で暮らす
って話だよな！

敷島雅

確かに！あれは
ビックリしたよ！

潤間朝日

それもみんなの前で
話したのか？

潤間若葉

いや、それは
七星さんと雅さん

潤間若葉

それから仲がいい
友達にだけだよ？

潤間朝日

あ、なるほどね・・

七星響樹

俺は教頭と暮らすの
だけは勘弁だわ（笑）

敷島雅

コラ！人の善意を
無下にする事言わない！

雅は響樹の頭を叩く

七星響樹

ってーな！

七星響樹

冗談だろ？冗談！

敷島雅

言って良い冗談と
悪い冗談があるでしよ！

七星響樹

わーったよ！

七星響樹

すげーよな朝日は

敷島雅

そうよね・・・

敷島雅

私だったらまず
耐えれないよ・・・

七星響樹

俺もだよ・・・

七星響樹

はぁ〜・・・

敷島雅

何？そのため息は

七星響樹

いやさ、朝日見てると

七星響樹

晩飯が3日連続
カレーってだけで

七星響樹

母さんに文句言ってる
自分がどうしよもねー程
情けなく思えてくんだよ

敷島雅

なによそれ（笑）

七星響樹

同い年とは
思えねーよ

敷島雅

まぁそれは
言えてるね

七星響樹

てかさ？雅ちゃんってさ
この後暇だったりする？

敷島雅

何よ急に・・・

敷島雅

まぁ暇だけど？

敷島雅

それがどうかした？

七星響樹

ス◯バでも行かね？

敷島雅

はぁ？ス◯バ！？

敷島雅

何でアンタなんかと──

七星響樹

いーじゃん！

七星響樹

行こーぜ！ほら！

響樹は雅の手を取り走り出す

敷島雅

ちょ、ちょっと！

敷島雅

痛いから
引っ張らないで

七星響樹

あ、わ、悪い・・・

敷島雅

もぅ！何なの！？

敷島雅

そんな強引にしなくても

敷島雅

ス◯タくらい一緒に
行ってやるわよ

七星響樹

お、おぅ・・・

敷島雅

でも痛くされたから
ス◯バは七星の奢りね？

七星響樹

わ、分かってるよ・・・

敷島雅

ん？なんか顔赤くない？

敷島雅

熱でもあるんじゃない？

雅は響樹の顔を覗き込む

七星響樹

は？赤くねーし

敷島雅

ふーん、まぁいいけど

敷島雅

早く行こう？

七星響樹

あ、ああ・・・

それから数日が経過し朝日は1週間という入院期間を終え無事に退院することが出来た

潤間朝日

すいません教頭先生

潤間朝日

わざわざ迎えに
来ていただいて

暁月富士男

なぁに！気にするな

暁月富士男

それにお前たち兄妹は

暁月富士男

すでに私たちの
家族も同然なんだ

潤間朝日

ありがとうございます

暁月麗

そういう
堅苦しいのやめようよ

暁月麗

ね？潤間くん──

暁月麗

いや、朝日くん！ね？

潤間朝日

は、はい・・・

暁月富士男

それで2人は
一旦帰宅するんだったな？

潤間朝日

はい・・・

潤間朝日

荷物の整理とか
退去の手続きとか
色々あるんで

暁月麗

2人だけで大丈夫？

潤間朝日

大丈夫です！
な？若葉！

潤間若葉

はい！お兄ちゃんと
私だけで大丈夫です！

暁月富士男

なら良いが
無理だけはするなよ？

暁月富士男

退院出来たとは言え
無理は禁物だからな？

潤間朝日

はい！

それから朝日と若葉は暁月夫妻と別れた後

帰宅して荷物の整理をしていた

潤間若葉

この家とも
もうずぐお別れ
なんだね・・・

潤間朝日

だな・・・

潤間若葉

お兄ちゃん・・・

若葉は朝日に抱きつく

潤間朝日

どうした？

潤間若葉

私たちの結婚が
現実味を帯びてきた
って感じだね

潤間朝日

ふっ、だな・・・

潤間若葉

お兄ちゃん・・・

潤間朝日

若葉・・・

2人が抱き合いキスをしようとした時

ピンポーン

インターフォンが鳴り響く

潤間朝日

ん？誰だ？

潤間若葉

もぅ！だれー？

潤間若葉

いいとこだったのにぃ

潤間朝日

まぁ、そう言うなよ

潤間朝日

ちょっと出て来る

潤間朝日

はいはーい

潤間朝日

今開けますよー

朝日がドアを開けると

七星響樹

よ！朝日！

潤間朝日

響樹！？

潤間朝日

どうしたんだ？

七星響樹

どうしたって
引っ越しの手伝いに
決まってんだろ！

潤間朝日

響樹・・・

七星響樹

兄妹2人だけじゃ
大変だろうと思ってさ

潤間朝日

ありがとう・・・

敷島雅

私も居るよ？

潤間朝日

敷島さんまで
ありがとう

七星響樹

でよ！

七星響樹

こっちに来る途中に
この子たちとも偶然性
会ったから連れてきた

潤間朝日

この子？

灰島ひかり

どうもお兄さん

灰島ひかり

ご無沙汰してます

桃山明日香

ご無沙汰でーす♬

潤間朝日

君たちは若葉の・・・

灰島ひかり

私たちにも何か
手伝わせて下さい

潤間朝日

わざわざ・・・

潤間朝日

若葉ー？

潤間朝日

友達きてるぞー？

潤間若葉

ひかりに明日香！？

桃山明日香

やっほー♬若葉♬

桃山明日香

引っ越しの
手伝いに来たよー！

潤間若葉

ありがとうみんな

それから朝日と若葉は響樹、雅、ひかり、明日香が手伝ってくれた事もあり

引っ越し準備は着々と進んでいき終わりの兆しを見せていた

潤間朝日

よし！揚がったぞ！

朝日は大皿に盛られた大量の唐揚げをテーブルの上に置く

潤間若葉

おいしそー♬

敷島雅

確かに美味しそう

潤間朝日

今日は手伝ってくれた
お礼だからさ！

潤間朝日

て言っても
つけ込む時間
無かったから

潤間朝日

そんなに味
染み込んで無いかも
しれないけど

潤間朝日

遠慮なく食べて！

桃山明日香

やったー♬

灰島ひかり

いただきます

七星響樹

この部屋って
タバコOKだっけ？

敷島雅

バカ言わないの！

雅は響樹の頭を叩く

七星響樹

ってーな！

七星響樹

冗談だろ！冗談！

敷島雅

明日香ちゃん？
ひかりちゃん？

敷島雅

将来はこんな奴に
引っかかったらダメだよ？

七星響樹

おい！おい！

七星響樹

そりゃねーだろ！

皆が楽しく食事をしている部屋の前で

賢斗と茉莉奈が入りづらそうにしている

八雲賢斗

引っ越しの手伝い
しようと思ってましたけど

八雲賢斗

必要なかったですね

椿茉莉奈

ふふふ、そうみたいね

八雲賢斗

良い雰囲気壊すのも
悪いですし

八雲賢斗

今日は帰りますか

椿茉莉奈

そうしましょ♬

数日後

引っ越し準備、そして暁月家への私物の移動も終わりもぬけの殻となった室内で

制服を着用し部屋に備え付けられている姿見鏡の前に立つ朝日

潤間朝日

よし・・・

潤間朝日

バッチリ！

潤間若葉

金髪のお兄ちゃんも
かっこよかったけど

潤間若葉

やっぱその髪色の
お兄ちゃんの方が
かっこいいね！

潤間朝日

あはは、ありがとう

潤間若葉

もう自分を偽る
必要無いんだよね・・

若葉は朝日の背中に抱きつく

潤間朝日

ああ・・・

潤間朝日

なんか、呪いが
解けたような気分だよ

潤間若葉

お兄ちゃん・・・

潤間朝日

ありのままの
自分で行くよ

潤間若葉

うん・・・

潤間朝日

さぁ！学校行こう！

潤間若葉

うん♬

朝日と若葉はこれから戻って来る事の無い生まれ育った部屋に別れを告げ

手を繋ぎながら学校へ向かう

授業開始前の教頭では賢斗が教壇に立ち、毎朝恒例の SHRが行われていた

八雲賢斗

さてHRを始めるけど

八雲賢斗

今日はみんなの前で
挨拶をしたい
生徒が居るから

七星響樹

ん？挨拶？

敷島雅

何首傾げてんの？

敷島雅

挨拶するって言ったら
1人しか居ないでしょ？

七星響樹

ああ！なるほどね！

八雲賢斗

さあ！入ってきてくれ

賢斗の呼び掛けに呼応する様に引き戸が開き朝日が入って来る

八雲賢斗

さぁ！教壇に！

潤間朝日

はい・・・

賢斗に促され朝日は教壇に立つ

潤間朝日

みんな──

潤間朝日

散々迷惑かけて──

潤間朝日

すいませんでした

朝日はクラスメイトに深々と頭を下げる

七星響樹

朝日・・・

敷島雅

・・・・・

潤間朝日

妹から聞いて
大体の話は知って
くれてるだろうけど

潤間朝日

改めて自分の口から
謝罪させてほしい・・

潤間朝日

みんなや先生には──

七星響樹

もういいだろ？

潤間朝日

え？

七星響樹

このクラスにいるヤツら

七星響樹

みんな迷惑かけられた
なんて思ってねーよ

七星響樹

だろ？みんな？

響樹の呼びかけにクラスメイトは一斉に朝日に対して労いの言葉を投げかける

潤間朝日

みんな・・・

潤間朝日

ぐすっ・・・

潤間朝日

ありがとう・・

潤間朝日

本当にありがとう・・

朝日は涙を流しながら頭を深々と頭を下げる

八雲賢斗

良いクラスだよな

八雲賢斗

ウチのクラスは

賢斗は朝日の肩にそっと手を置く

潤間朝日

はい・・・

潤間朝日

良すぎます・・・

七星響樹

つーか何だ？
その髪色は！

七星響樹

金髪の方が似合って
たんじゃねーの？

響樹のいじりに皆が楽しそうに笑う

潤間朝日

うるさいな・・

潤間朝日

余計なお世話だよ

潤間朝日

若葉がかっこいい
って言ってくれたから
良いんだよ・・

七星響樹

おお！？

七星響樹

朝からお熱いこって！

敷島雅

ふふふ

潤間朝日

ふっ・・・

七星響樹

よかったな・・・

七星響樹

全部解決して

潤間朝日

悪かったな・・・

潤間朝日

ずっと黙ってもらってて

潤間朝日

響樹には嫌な役
やらせてたって思ってる

七星響樹

バーカ！

七星響樹

んな事思ってねーよ

潤間朝日

ふっ、ありがとう・・

七星響樹

つーか今日からだろ？

七星響樹

教頭の家に住むのは？

潤間朝日

ああ・・・

潤間朝日

教頭先生には
いくら感謝しても
足りないよ・・

朝日と響樹が屋上で話していると

ドア開いて富士男が入って来る

暁月富士男

潤間は居るか？

潤間朝日

ああ・・教頭先生

暁月富士男

ああ！居たな！

暁月富士男

実はな、今日は
麗がお前と妹の
歓迎会を兼ねて

暁月富士男

外で晩飯を食いたい
らしいんだか
予定はあるか？

潤間朝日

歓迎会・・・

潤間朝日

そんな・・悪いですよ

暁月富士男

そんなに遠慮するな

暁月富士男

お前ら兄妹は
もう家族なんだから！

潤間朝日

先生・・・

暁月富士男

だから──

富士男はあるものを見て言葉を詰まらせる

暁月富士男

というか七星！
お前が手に持ってるのは
一体なんだ？あ？

七星響樹

え？手？

響樹は首を傾げながら自分の右手を見る

七星響樹

あ・・・

そこには火のついたタバコがあった

七星響樹

あ、いや、これは、その

暁月富士男

お前と言うヤツは
校内で喫煙を──

暁月富士男

いや、待て

暁月富士男

七星？もしかしてお前

暁月富士男

何か悩みが
あるんじゃないか？

七星響樹

へ？

暁月富士男

そうだよな？

暁月富士男

そうなんだろ？

七星響樹

いや、これはただ
タバコを吸いたいだけ──

暁月富士男

いやいいんだ・・・

暁月富士男

無理するな・・・

暁月富士男

私が話を聞く

暁月富士男

お前の悩みは
私が解決してやるから

暁月富士男

安心しろ！な？

富士男は響樹の肩に手を回し強引に連れて行こうとする

七星響樹

おい！朝日！

七星響樹

どーしてくれんだコレ

七星響樹

お前のせいで教頭が
さらに厄介なヤツに
なっちまったじゃねーか

暁月富士男

厄介なヤツとは何だ！

暁月富士男

私はただ、七星を
救いたい一心で──

潤間朝日

響樹のやつ、何か
悩みがあるらしいですよ

朝日は笑いを堪えながら言う

七星響樹

あぁ！お前！

暁月富士男

やっぱりそうなんだな！

暁月富士男

大丈夫だ！私が
救ってやるから！

暁月富士男

安心しなさい！

潤間朝日

ふふふ

七星響樹

だーくそ！朝日！
覚えとけよー！

七星響樹

今度ぜってー焼肉
奢らせてやるからな！

七星響樹

覚悟しとけこのやろー！

悲痛な叫びも虚しく響樹は富士男に連行されていく

それから朝日と若葉は富士男と麗に連れられ暁月家にやって来ていた

暁月麗

さぁ！ここが今日から
あなたたちの家よ

潤間朝日

俺たちの・・・

潤間若葉

家・・・

暁月富士男

とりあえず
荷物を置くか

暁月富士男

それから飯に行こう

暁月麗

もう予定は済んでるから

潤間朝日

何から何まで
ホントすいません

暁月麗

朝日くん？

暁月麗

そういうのは
良いって言ってでしょ？

暁月麗

2人は家族なんだから

潤間朝日

は、はい・・・

朝日は恥ずかしそうなそれでいて申し訳なさそうな表情で頬を赤くして笑みを浮かべる

暁月麗

さぁ！入って入って！

潤間朝日

お、お邪魔します

潤間若葉

お邪魔します

2人が靴を脱いで部屋に入ろうとするが

暁月麗

待って！

それを麗が静止する

暁月麗

やり直し！

潤間朝日

え？やり直し？

暁月麗

そう！やり直し！

暁月麗

家の外から！

暁月麗

はい！行った行った！

潤間朝日

は、はい・・・

2人は何をやり直せば良いのか訳が分からず首を傾げるが麗の言う通りに家の外へ出る

暁月富士男

麗？

暁月富士男

何をやってるんだ？

暁月麗

良いから！

暁月麗

さぁ！入ってきて！

麗の呼びかけに 2人は再び家の中に入る

潤間朝日

お、お邪魔させて
いただき──

暁月麗

違う！

潤間朝日

え？

潤間若葉

ち、違う？

潤間朝日

あの・・奥さん？

潤間朝日

俺たちはどうしたら──

暁月麗

朝日くん？
若葉ちゃん？

暁月麗

私・・言ったわよね？

暁月麗

ここは、あなたたちの
家なのよ！って

潤間朝日

は、はい・・・

暁月麗

あなたは自分の
家に入る時に

暁月麗

お邪魔しますなんて
他人行儀な言葉使うの？

潤間朝日

！！！！！！！

麗の言葉から何かを感じ取ったのか

朝日の目から涙が溢れ出る

暁月富士男

（なるほど・・・）

暁月富士男

（そういう事か・・）

暁月麗

私が言いたい事

暁月麗

分かるわよね？

潤間朝日

は、はい・・・

潤間朝日

ぐすっ・・・

暁月麗

さぁ！入ってきて

潤間朝日

・・・・・

潤間朝日

た、ただいま・・

潤間若葉

ただいま・・・

暁月麗

そうよ！

麗は涙を流しながら朝日と若葉を抱きしめる

暁月麗

あなたたちは家族で

暁月麗

ここはあなたたちの家

暁月麗

わかった？

潤間朝日

は、はい・・・

潤間朝日

ぐずっ・・・

潤間若葉

ありがとう・・・

潤間若葉

ございます・・・

潤間若葉

ぐすっ・・・

暁月麗

よし！荷物置いたら
ご飯に行きましょ！

潤間朝日

はい・・・

この日

朝日と若葉には新しい家族と新しい家が出来た

それから月日は流れ

翌年の3月

朝日、響樹、雅は 3年間通った学舎を巣立つ

潤間若葉

お兄ちゃん！

若葉は朝日に抱きつく

潤間朝日

なんだよ若葉
どうかしたか？

潤間若葉

いや・・なんて言うか

潤間若葉

学校で会えなくなるの
寂しいなって・・・

潤間朝日

何言ってんだよ！

潤間朝日

家で会えるだろ？

潤間若葉

それとこれとは別

潤間朝日

何だよそれ（笑）

七星響樹

俺たちの存在
完全に忘れてるよな？

敷島雅

確かに・・・

潤間朝日

でも、俺が学校に
居ないからって
浮気するなよ？

潤間若葉

バカ！

潤間若葉

する訳ないじゃん

潤間朝日

あはは冗談だよ

桃山明日香

大丈夫ですよ！
朝日さん！

桃山明日香

若葉に悪い虫が
寄りつかない様に

桃山明日香

私たちが護りますから！

桃山明日香

ね？ひかり！

灰島ひかり

もちろん！

灰島ひかり

純白無垢な若葉のまま
卒業させますから！

灰島ひかり

ご安心ください！

潤間朝日

あはは！頼もしいよ！

潤間朝日

若葉の事よろしくね

桃山明日香

はい！

灰島ひかり

任せてください！

椿茉莉奈

卒業おめでとう

椿茉莉奈

潤間くん

潤間朝日

椿先生・・

潤間朝日

ありがとう
ございます

椿茉莉奈

これから
大変だろうけど
頑張ってね

椿茉莉奈

私も出来る限りの
協力はするから

椿茉莉奈

何でも相談してね？

潤間朝日

ありがとう
ございます

潤間朝日

あ、そう言えば

椿茉莉奈

何？どうかした？

潤間朝日

３年になっても
若葉の担任をやって
くれるんですよね？

潤間朝日

若葉をお願いします

椿茉莉奈

その事なんだけどね

茉莉奈は不安そうな顔をする

潤間朝日

ん？何かありしました？

椿茉莉奈

一応今年のGW明けに
家庭訪問を予定してるのよ

潤間朝日

ああ、らしいですね

椿茉莉奈

でね？

椿茉莉奈

ほら、あなたたち兄妹は
教頭先生の家に
住む事になる訳よね？

潤間朝日

まぁ、そうですね

椿茉莉奈

て事はよ？

椿茉莉奈

私が家庭訪問に行く家は
教頭先生の家
って事になる訳よね？

潤間朝日

あ！確かにそうですね

椿茉莉奈

気まずいのよね

椿茉莉奈

家庭訪問で
上司の家に行くって

潤間朝日

確かに気まずいですね

潤間朝日

なんか、すいません

椿茉莉奈

いやね、あなたが
謝る必要無いわよ

椿茉莉奈

単純に私が──

暁月富士男

そんなに私の家に
行くのが嫌ですか？

背後から富士男の声が聞こえてくる

椿茉莉奈

やば！聞かれてたし

潤間朝日

あはは・・・

潤間は目の前の状況にただ苦笑いするしか出来なかった

それから教室では最後となるHRが行われていた

八雲賢斗

みんな・・・

八雲賢斗

卒業おめでとう

潤間朝日

・・・・・

八雲賢斗

誰一人欠ける事なく
今日の日を迎えれた事を
本当に嬉しく思います

七星響樹

・・・・・

八雲賢斗

赴任して一発目に
卒業クラスを受け持つ
ってなった時は

八雲賢斗

正直俺で大丈夫か？
って不安でいっぱいだった

敷島雅

・・・・・

八雲賢斗

けど、こうして
この日を迎えれたのは

八雲賢斗

俺だけの力じゃ無い

八雲賢斗

みんなが居たからこそ
そう思ってる

八雲賢斗

だからこそ
みんなには感謝してる

八雲賢斗

こんな頼り無い俺に
ついて来てくれて
本当にありがとう

賢斗は皆に深々と頭を下げる

潤間朝日

先生・・・

潤間朝日

ぐすっ・・・

八雲賢斗

君たちはこれから
数々の困難に──

七星響樹

無理すんなグモッチ〜♬

七星響樹

似合ってねぇぞ〜♬

響樹の言葉にクラスメイトと参列している保護者が笑う

八雲賢斗

うるさいな！

八雲賢斗

今から良い話
するとこなんだよ！

七星響樹

自分で言うな〜♬

敷島雅

ふふふ

八雲賢斗

まったく・・・

潤間朝日

感謝してるのは
俺たち生徒も同じですよ

八雲賢斗

潤間・・・

潤間朝日

まぁ、たぶん
このクラスで担任やってて

潤間朝日

一番の悩みは、やっぱ俺
って存在だったと思います

敷島雅

確かに

敷島雅

それは言えてるね

七星響樹

違いねー（笑）

潤間朝日

先生が助けてくれた事

潤間朝日

一生忘れませんから

八雲賢斗

潤間・・ぐすっ

潤間朝日

起立！

朝日の言葉に合わせてみんなが席を立つ

八雲賢斗

！！！！！！

潤間朝日

俺たちの担任が
八雲先生で
本当に良かったです

潤間朝日

ありがとう
ございました！

七星響樹

ありがとう
ございました！

敷島雅

ありがとう
ございました！

クラスメイト全員が賢斗に頭を下げる

八雲賢斗

み・・んな・・

八雲賢斗

ぐすっ・・・

八雲賢斗

わあぁぁぁぁん

八雲賢斗

あ゛り゛がどー゛

八雲賢斗

ぼん゛どう゛に゛

八雲賢斗

あ゛り゛がどー゛

賢斗は大声で泣き叫ぶ

七星響樹

いやいや！
泣きすぎだろ（笑）

敷島雅

あはははは

潤間朝日

あはははは

教師の中にはしばらくの間賢斗の鳴き声と生徒の笑い声が木霊していた

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