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文化祭当日

正門に設置された 「カスミ祭」と書かれ 彩鮮やかな装飾が施された お洒落なアーチ状の看板を くぐり抜けると

そこはお祭りムード一色だった。

たこ焼きや焼きそば クレープやワッフルの屋台

美術部の絵画展示や 文芸部のポエム展示などなど

多種多様な出し物が 文化祭を盛り上げている

そんな文化祭で 凛太郎の通うクラスが 催している出し物は メイド喫茶だった

教室

改め

メイド喫茶

ガラガラ

ふたりの男子生徒が ドアを開けて入って来る

姫川美咲

お帰りなさいませ

姫川美咲

ご主人様♫

そんな男子生徒を メイド服に身を包んだ美咲が出迎える

男子生徒A

おっ!かわいい!

男子生徒B

めちゃかわいいじゃん!

姫川美咲

さぁ!お席に
ご案内いたします♫

男子生徒A

レベル高いなぁ

揚羽凛太郎

はぁ〜

日向奏星

揚羽くん?

日向奏星

ちゃんと
呼び込みしてる?

揚羽凛太郎

してるよ!

日向奏星

和久井くんは
いいけど

揚羽凛太郎

なんでだよ!

和久井龍也

バカ!俺は骨折してんだ!
怪我人なんだよ!怪我人!

和久井龍也

全治一ヶ月の
重症なんだよ

揚羽凛太郎

わかったよ!ったく

日向奏星

和久井くん!
メイド喫茶の様子
見てきてよ!

和久井龍也

え?俺が?

揚羽凛太郎

それくらいいいだろ?

日向奏星

《行けば美咲が
喜ぶと思うよ!》

和久井龍也

《何言ってんだよ・・》

揚羽凛太郎

何コソコソしてんだ?

日向奏星

いや、別に・・

揚羽凛太郎

ふー・・ん

日向奏星

もしかして──

揚羽凛太郎

妬いてねーよ

日向奏星

まだ何も言ってないよ

揚羽凛太郎

うぐ・・・

日向奏星

ふふふ

揚羽凛太郎

(やっぱ日向は
メイド服着ないのかぁ)

揚羽凛太郎

(ちょっと見たかったな)

揚羽凛太郎

(日向のメイド服姿)

日向奏星

なに?私の顔に
何かついてる?

揚羽凛太郎

い、いや・・別に

和久井龍也

じゃあ、メイド喫茶の
様子見てくるわ

日向奏星

うん♫お願いね♫

和久井龍也

あー!わかったー!

ガラガラ

和久井龍也

うーっス!

姫川美咲

お帰りなさいませ
ご主人──

姫川美咲

わぁ♫龍也ぁ♫

和久井龍也

お、おう!

姫川美咲

来てくれたんだぁ♫

和久井龍也

ま、まぁな・・

和久井龍也

日向から様子を見てきて
くれって言われてさ・・

和久井龍也

仕方なく・・な

姫川美咲

どう?似合ってる?

美咲はその場でクルリと周り スカートをはためかせる

男子生徒A

(おっ!)

男子生徒B

(スカート・・)

和久井龍也

あ?何見てんだ?

龍也は、美咲にやらしい 視線を向ける男子生徒を 睨みつける

男子生徒A

う・・・

男子生徒A

(この人・・この前
喧嘩してた人だ・・)

男子生徒B

(わぁ・・不良だ・・)

和久井龍也

ここはそういう
場所じゃねーんだよ!

男子生徒A

す、すいません

男子生徒B

ごめんなさい

龍也の恫喝に 恐れおののいた男子生徒は 教室改めメイド喫茶から逃げ出す

姫川美咲

こら!龍也!

姫川美咲

威嚇すんじゃないの!

和久井龍也

いや、だってアイツらが
お前にやらしい視線を・・

和久井龍也

っ・・・・・

姫川美咲

なに?なに?

姫川美咲

聞こえなかった!

姫川美咲

もっかい言って♫

和久井龍也

な、なんでもねーよ

和久井龍也

まぁ、問題なさそー
だから、俺は行くわ

和久井龍也

元々日向に言われて
仕方なく来ただけだし

姫川美咲

えー!もう行くの?

和久井龍也

ま、まぁ、後からまた来るわ

姫川美咲

絶対来なさいよね?

和久井龍也

あ、ああ・・・

和久井龍也

お、おぅ!

揚羽凛太郎

おぅ!龍也!

日向奏星

どうだった?様子は?

和久井龍也

まぁ、別に何も
問題なかったぞ

日向奏星

美咲のメイド服姿
どうだった?

和久井龍也

ま、まぁ、なんだ

和久井龍也

一般的に言ったら
可愛いに入るんじゃね?

和久井龍也

分かんねーけど

揚羽凛太郎

いや、そこは素直に
可愛いって言っとけよ!

和久井龍也

うるせーな!

和久井龍也

可愛かったよ!

日向奏星

ふふふ

日向奏星

美咲!

姫川美咲

あっ!奏星!

日向奏星

そろそろ
お昼行ってきなよ!

姫川美咲

え?もうそんな時間?

美咲が驚いたように 黒板の上に取り付けられた 壁掛け時計を確認すると

時計の針は既に 頂点を過ぎたあたりだった

姫川美咲

ほんとだ!

姫川美咲

意外と楽しくて
時間忘れちゃってた

日向奏星

はやく!和久井くん
待たせちゃ可哀想だよ

姫川美咲

いっけない!

姫川美咲

じゃあ!奏星!
ごめんけど

姫川美咲

後よろしくね♫

日向奏星

うん!楽しんできてね!

姫川美咲

お待たせ!龍也!

和久井龍也

お前!おせ──

和久井龍也

っておい!

姫川美咲

なぁに?

和久井龍也

なぁに?じゃなくてお前

和久井龍也

メイド服のまま
歩き回るのか?

待ち合わせ場所に来た美咲は メイド服姿だった。

姫川美咲

だってこの後もあるし

姫川美咲

着替えるの
大変なんだもん

和久井龍也

(マジかよ・・・)

和久井龍也

(俺・・メイドと
文化祭まわんのかよ・・)

姫川美咲

さ!行こ!行こ!

美咲は龍也の腕に 自らの腕を回す

和久井龍也

お、おい・・・

和久井龍也

あんま急ぐなよ・・

姫川美咲

時間は限られてんだから!

和久井龍也

ま、まぁ、そーだけど

姫川美咲

色々あるみたいだから

姫川美咲

たっくさん食べよ♫

和久井龍也

あ、ああ・・・

和久井龍也

(当たってる!当たってる!)

和久井龍也

(柔らかいのが
当たってんだよ!バカ!)

和久井龍也

(つーか、姫川って
意外とデカいんだな・・)

龍也は美咲に悟られないように そっと視線を美咲の胸元に向ける

姫川美咲

ん?どうしたの?

和久井龍也

あ、いや、別に
何でもねーよ

和久井龍也

そ、それよか早く
何か食いに行こーぜ!

和久井龍也

腹減って死にそう

姫川美咲

私もお腹すいたー

姫川美咲

はい!あ〜ん

美咲は屋台で買ったたこ焼きを 龍也に食べさせている

和久井龍也

だから──

姫川美咲

早く!食べて!

和久井龍也

あ、ああ・・

姫川美咲

どう?おいし?

和久井龍也

あ、ああ・・・
うまいよ・・

姫川美咲

じゃあ私も食べよ♫

美咲がたこ焼きを串に刺し 口に運ぼうとした瞬間

和久井龍也

あっ!

姫川美咲

ん?何?

和久井龍也

それ貸せよ・・・

姫川美咲

え?

和久井龍也

いいから!貸せって!

龍也は美咲が食べようとした たこ焼きを奪う

姫川美咲

ちょ!龍也?

和久井龍也

ホラ・・・

姫川美咲

あ・・・

龍也は美咲から奪った たこ焼きを

美咲に食べさせる

和久井龍也

まぁ、あれだよ・・・

和久井龍也

俺ばっかり食べさせて
もらってばっかじゃ

和久井龍也

やっぱ・・不公平だろ

姫川美咲

龍也♫

和久井龍也

早く食べろよ・・

姫川美咲

うん♫

和久井龍也

美味いか?

姫川美咲

100倍美味しい♫

和久井龍也

何言ってんだよ・・

姫川美咲

えへへ♫

姫川美咲

あっ!見て!龍也!

和久井龍也

なんだ?

姫川美咲

似顔絵描いて
くれるらしいよ!

和久井龍也

似顔絵?

美咲が指差す壁には「似顔絵描きます」 と書かれたポスターが貼ってあった

和久井龍也

似顔絵ねぇ・・・

姫川美咲

ね?一緒に
描いてもらおうよ!

姫川美咲

ね?ね?良いでしょ?

和久井龍也

ま、まぁ・・・

姫川美咲

お金は私が出すから

和久井龍也

バ、バカ!俺が出すよ

和久井龍也

姫川に払わせる訳には・・

姫川美咲

(姫川・・か・・)

姫川美咲

じゃあ似顔絵は?

和久井龍也

描いてもらおうか・・

姫川美咲

やったぁ♫

美術室

和久井龍也

どうもっス!

姫川美咲

あの・・・

美術室部部員

はい?

姫川美咲

そこのポスターに
似顔絵を描いてくれるって
書いてあったんですけど

姫川美咲

今からって大丈夫
だったりしますか?

美術室部部員

うん♫大丈夫だよ♫

姫川美咲

よかったぁ♫

姫川美咲

じゃあこの人と
ツーショットで
似顔絵お願いします

美術室部部員

うん♫いいよ♫

美術室部部員

ここに座って♫

和久井龍也

(ツーショットか・・)

美術室部部員

二人って
付き合ってるの?

姫川美咲

え?

和久井龍也

あ、いや、その・・・

和久井龍也

まだっつーか・・・

和久井龍也

未満っつーか・・・

姫川美咲

私は付き合い
たいんですけどね

姫川美咲

大好きなんで♫

美術室部部員

まぁ・・大胆な発言

和久井龍也

ちょ、やめろって

美術室部部員

ふふふ

美術室部部員

こんなにアプローチされて

美術室部部員

幸せ者だね!君!

和久井龍也

・・・・・

龍也は照れ臭そうに 人差し指でコメカミを ポリポリと掻く

美術室部部員

男ならハッキリ
しなきゃダメだぞ?

和久井龍也

っ・・・

和久井龍也

わーってるよ・・

姫川美咲

さぁ♫龍也♫座ろ♫

和久井龍也

あ、ああ・・・

美術室部部員

じゃあ、あなたの
恋愛成就を願って
描かせてもらうわね

姫川美咲

ありがとうございます♪

和久井龍也

(はぁ・・・)

美術室部部員

ふふふ

姫川美咲

わぁー!いいなぁ!
この似顔絵!

美咲は描いてもらった 似顔絵を気に入った様子で 何度も見返しては笑みをこぼす

姫川美咲

でも本当に
貰っちゃっていいの?

姫川美咲

お金払ったのは
龍也なのに・・

和久井龍也

まぁ、そんなに
喜んでくれてるしな

姫川美咲

ありがと♫

姫川美咲

大切にするね♫

和久井龍也

大袈裟だろ

和久井龍也

てか、まだ時間あんのか?

姫川美咲

うん、まだ余裕あるよ

和久井龍也

じゃ、じゃあ
もうちょっと回るか?

姫川美咲

うん♫

姫川美咲

はぁ〜お腹いっぱい

姫川美咲

食べすぎちゃった

和久井龍也

大丈夫か?

姫川美咲

ちょっと苦しいかも

和久井龍也

じゃあ、座っとけ

和久井龍也

俺が保健室で胃薬
貰ってきてやるから

姫川美咲

ありがとう・・

姫川美咲

ごめんね・・

和久井龍也

いいよ!気にすんな!

和久井龍也

じゃあ行ってくるからよ

和久井龍也

待ってろよ

姫川美咲

うん・・・

姫川美咲

・・・・・

姫川美咲

ヤバい・・・

姫川美咲

さらに好きになった

和久井龍也

どうだ?姫川

和久井龍也

落ち着いたか?

姫川美咲

まぁ、もう少ししたら
薬が効いてくると思うから

和久井龍也

ったく!

和久井龍也

調子に乗って
色々買いまくるからだろ?

龍也は美咲の背中を 優しくさすりながらぼやく

姫川美咲

龍也・・・

和久井龍也

ん?

姫川美咲

私・・・

姫川美咲

龍也の事が好き

和久井龍也

な、なんだよ急に

姫川美咲

今までは、なんていうか

姫川美咲

いけすかない奴!

姫川美咲

って思ってた

和久井龍也

ストレートに言うなぁ!お前

姫川美咲

龍也も私の事・・・

姫川美咲

嫌いなんだって
思ってた

和久井龍也

・・・・・

姫川美咲

正直に言って?
私の事嫌いだった?

和久井龍也

別に嫌いとかじゃ
なかったけど・・

和久井龍也

まぁ、日向を虐めてた
頃の姫川は、なんつーか

和久井龍也

正直言って苦手では
あった・・かな?

姫川美咲

・・・・・

和久井龍也

けど、なんつーか

和久井龍也

最近お前変わったじゃん

和久井龍也

自分の間違いとか
過ちみてーのを認めて

和久井龍也

過去を受け入れて

和久井龍也

一歩一歩、確実に
前に進んでる

姫川美咲

・・・・・

和久井龍也

そんなお前を
食いものにしようとした

和久井龍也

鮎原が許せなかった

姫川美咲

龍也・・・

和久井龍也

助けたいって思った

和久井龍也

まぁ、結果は
このザマだけどさ

姫川美咲

ううん・・・

姫川美咲

すごくかっこよかった

和久井龍也

そ、そうか?

和久井龍也

まぁ、アレかな?
リンのお節介癖が
移っちまったのかな?

姫川美咲

龍也・・・

姫川美咲

私と付き合ってほしい

和久井龍也

・・・・・

姫川美咲

嫌?

和久井龍也

別に嫌じゃ──

姫川美咲

やっぱり私・・・
いじめっ子だから

和久井龍也

自分で言うなよ!

姫川美咲

・・・・・

和久井龍也

まぁ、俺も何度か
いじめっ子って
言ったことあっけどさ

和久井龍也

ありゃ、なんつーか
冗談っつーか

和久井龍也

別にそんな事
思ってねーから

姫川美咲

龍也・・・

和久井龍也

・・・・・

龍也はその場でモゾモゾしている

姫川美咲

ん?どうしたの?

和久井龍也

いや、その、なんつーか

和久井龍也

腕が折れてさえなさったら

和久井龍也

姫・・・

和久井龍也

美咲を抱きしめ
てーんだけど・・

姫川美咲

え?

姫川美咲

抱きしめ・・・

姫川美咲

それに美咲って・・・

和久井龍也

俺なんかでいいのか?

和久井龍也

もっと世の中にゃ
良い奴居るんじゃねーか?

姫川美咲

私は龍也がいいの

和久井龍也

・・・・・

和久井龍也

美咲!

龍也は美咲に顔を近づける

姫川美咲

(あっ・・・)

和久井龍也

唇噛んだりすんなよ?

龍也は美咲に口づけをする

姫川美咲

んっ////

姫川美咲

龍也!

美咲は龍也の首に腕を回し 龍也の口の中に舌をいれてきた

和久井龍也

ちょ、いきなり
舌入れるのはナシだろ///

姫川美咲

嫌だった?

和久井龍也

いや、ちょ、そういうんじゃ

和久井龍也

照れちまうというか

和久井龍也

なんというか・・その

姫川美咲

だってもう私たち
付き合ってるんだよね?

和久井龍也

ま、まぁ
俺でよかったら・・・

姫川美咲

嬉しい♫

和久井龍也

さぁ!もう時間だしよ

和久井龍也

戻ろうぜ

姫川美咲

うん♫

ガラガラ

姫川美咲

ごめーん

姫川美咲

ちょっと過ぎちゃったかな?

日向奏星

ううん。大丈夫だよ

和久井龍也

悪いな!日向!
俺が美咲を連れ回したから

和久井龍也

美咲は悪くねーんだ

姫川美咲

(龍也・・・)

揚羽凛太郎

え?今お前、美咲って

和久井龍也

まぁ・・なんだ

和久井龍也

一応、付き合う事に
なってさ・・・

日向奏星

うっそ!ホント?

姫川美咲

う、うん・・・

日向奏星

よかったね!美咲!

姫川美咲

ありがとう奏星・・

揚羽凛太郎

そっか!そっか!

姫川美咲

《あとは揚羽くんと
奏星の番だよ?》

日向奏星

《ちょっと!美咲!》

日向奏星

《揚羽くんに
聞こえちゃうでしょ!》

揚羽凛太郎

なんか言ったか?

姫川美咲

いや!別に何でもないよ

和久井龍也

じゃあ、俺らが
引き継ぐからさ

和久井龍也

次はリンと日向が
回ってこいよ!

日向奏星

うん♫

揚羽凛太郎

そうさせてもらうよ!

姫川美咲

楽しんできてね

日向奏星

うん!楽しんでくる!

日向奏星

じゃあ美咲!和久井くん!
あとお願いね!

姫川美咲

まかせて!

揚羽凛太郎

じゃあ行ってくるわ!

和久井龍也

おぅ!

日向奏星

うー・・・ん

日向奏星

何処から回ろうかなぁ

奏星は小さな冊子のページを ペラペラとめくる

揚羽凛太郎

それ何?

日向奏星

これ?

日向奏星

昨日渡されたじゃん

日向奏星

文化祭のパンフレットだよ

揚羽凛太郎

あ、俺、家に忘れてきた

日向奏星

もぅ!ちゃんと
持ってこなきゃ!

揚羽凛太郎

ごめん・・・

日向奏星

じゃあ一緒に見よ!

揚羽凛太郎

あ、う、うん・・・

凛太郎は奏星は 一冊の冊子を一緒に読む

ピロン

すると奏星のスマホから LIMEの通知音が鳴る

日向奏星

あ、LIMEだ

揚羽凛太郎

じゃあ俺読んどくよ!

日向奏星

あ、お願い

日向奏星

(誰からのLIMEだろ?)

奏星は制服のポケットから スマホを取り出して操作する

日向奏星

(あ!美咲からだ)

ミサ

3階の美術室で似顔絵を
描いてもらえるらしいから
あそこオススメだよ!
揚羽くんと一緒に行ってみたたら?

ありがとう!
提案してみる!

ミサ

ガンバ!奏星!

うん!頑張るよ!

日向奏星

ねぇ、揚羽くん?

揚羽凛太郎

ん?どうした?

日向奏星

なんか美咲から
聞いたんだけどね

日向奏星

3階の美術室で
似顔絵描いてもらえる
らしいんだけどさ

日向奏星

一緒に行ってみない?

揚羽凛太郎

似顔絵かぁ・・・

揚羽凛太郎

いいね!行ってみようか?

日向奏星

うん♫

美術室

揚羽凛太郎

あの・・・

美術室部部員

はい?

日向奏星

友達からここで
似顔絵を描いて
もらえるって聞いて

日向奏星

まだ大丈夫ですか?

美術室部部員

大丈夫だよ♫

美術室部部員

ここに座って♫

揚羽凛太郎

ありがとうございます

美術部の部員は 小慣れた手つきで筆を走らせる

美術室部部員

二人は付き合ってるの?

揚羽凛太郎

ま、まぁ、なんというか

揚羽凛太郎

途中というか・・・

美術室部部員

途中?

揚羽凛太郎

俺が答えを
待ってもらってる
って感じですかね

美術室部部員

ふふふ

日向奏星

ん?

揚羽凛太郎

なんか変なこと
言いました?俺

美術室部部員

ごめん!ごめん!
そうじゃなくってね

美術室部部員

さっきも来てくれたのよ

美術室部部員

同じような男女が

日向奏星

あっ!それって
美咲と和久井くん
じゃないかな?

揚羽凛太郎

ああ、多分そうだな

美術室部部員

ああ!確か
そんな名前だったわね!

美術室部部員

なに?知り合い?

日向奏星

実はクラスメイトで

日向奏星

この似顔絵を紹介
してくれたのも
その美咲なんです

美術室部部員

ああ!そうだったんだ

美術室部部員

二人はうまく行ったのかな?

揚羽凛太郎

二人・・・

揚羽凛太郎

付き合い始めましたよ

美術室部部員

うっそ!ホント?

日向奏星

はい!

美術室部部員

女の子の方は
男の子にゾッコンで

美術室部部員

男の子の方はタジタジ
って感じだったけど

美術室部部員

そっか〜付き合ったんだ

美術室部部員

私の似顔絵って
役にたったのかな?

美術室部部員

それだったら嬉しいなぁ

美術室部部員

はい!できた!

美術室部部員

どうぞ!

凛太郎と奏星は 手渡された似顔絵を受け取る

揚羽凛太郎

すげー!写真みたいですね!

美術室部部員

あはは!大袈裟だよ

日向奏星

いや、ホントすごいですよ

揚羽凛太郎

天才だ!天才!

美術室部部員

ありがと♫

お化け屋敷

揚羽凛太郎

ブルブル

凛太郎はずっと 奏星の手を握っている

日向奏星

何ずっと私の手
握ってるの?

揚羽凛太郎

あ、いや、その・・

日向奏星

まさか怖いの?

揚羽凛太郎

いや、それは、アレだよ

揚羽凛太郎

日向が怖い思いしないように
手を握ってやってんだよ!

揚羽凛太郎

そう!うん!

日向奏星

じゃあ握らなくていいよ

日向奏星

私怖くないから

揚羽凛太郎

嘘!嘘!俺が怖いの!

揚羽凛太郎

こういうの昔から
無理なんだよ!俺!

日向奏星

ふふふ

日向奏星

(可愛いトコあるんだ)

日向奏星

あ・・・

揚羽凛太郎

え?何?何?え?

日向奏星

揚羽くん・・・

日向奏星

う、うしろ・・・

揚羽凛太郎

ぎゃぁぁぁぁ

日向奏星

ふふふ

日向奏星

ごめん!嘘ついた

揚羽凛太郎

このやろー!

揚羽凛太郎

あ・・・

日向奏星

はい!はい!

日向奏星

私には通用しないよ

揚羽凛太郎

いや!まじで!うしろ!

日向奏星

だから──

 

うがぁぁぁぁ

日向奏星

きゃぁぁぁぁぁ

奏星は出口に向かって 一目散に走り出す

揚羽凛太郎

ちょ!待ってよ!日向!

揚羽凛太郎

置いてくなよ!

揚羽凛太郎

おーい!

揚羽凛太郎

はぁ・・はぁ・・

揚羽凛太郎

何が怖くないだよ!

揚羽凛太郎

全然怖がってたじゃん!

日向奏星

ふふふ

揚羽凛太郎

何笑ってんだよ!

日向奏星

可愛いトコ
あるんだなぁって
思っただけ

日向奏星

揚羽くん!

揚羽凛太郎

く・・・

日向奏星

新しい一面が
見れちゃったなぁ

揚羽凛太郎

バカにしやがって!

日向奏星

ふふふ

日向奏星

ごめん!ごめん!

揚羽凛太郎

(まぁ、楽しいから
いいっか)

凛太郎の奏星は 一通り探索したあと 屋上で一休みしていた

揚羽凛太郎

ふぅー

揚羽凛太郎

食った食った

日向奏星

揚羽くん・・・

揚羽凛太郎

ん?どうした?

日向奏星

ありがとうね

揚羽凛太郎

ん?何でお礼?

日向奏星

私・・・

日向奏星

揚羽くんに
出会ってなかったら

日向奏星

今頃多分、保健室で
一人で弁当食べてるか

日向奏星

学校にすら
来てなかったと思う

揚羽凛太郎

・・・・・

日向奏星

こんな楽しい時間
味わえてなかったと思う

揚羽凛太郎

俺のおかげじゃないよ

日向奏星

え?

揚羽凛太郎

日向が自分自身で
変わりたいって言ったから

揚羽凛太郎

俺と龍也は
手を貸しただけだ

日向奏星

揚羽くん・・・

揚羽凛太郎

後さ・・・

日向奏星

なに?

揚羽凛太郎

俺・・・

揚羽凛太郎

日向に話とかなきゃ
いけない話があるんだ

日向奏星

話?

揚羽凛太郎

実は俺さ、昨日龍也に
日向から告白されたって事

揚羽凛太郎

話したんだ・・・

日向奏星

え?そうだったの?

揚羽凛太郎

ごめん・・・
話しちゃマズかったかな?

日向奏星

まさか!逆だよ!
話してくれて嬉しい

揚羽凛太郎

そっか・・よかった

日向奏星

私も美咲に話そうって
思ってたから

揚羽凛太郎

そっか!そっか!

日向奏星

話ってそれ?

揚羽凛太郎

いや、まだ・・・

日向奏星

ん?

凛太郎は屋上のフェンスに もたれかかり、うつむき気味に話す

揚羽凛太郎

俺が龍也に日向の事
話したの、昨日でさ・・・

揚羽凛太郎

ホラ!昨日の昼休み

揚羽凛太郎

龍也が姫川から
逃げて行った時あったろ?

日向奏星

あ、う、うん・・・

揚羽凛太郎

その時に学食まで
龍也を追っかけて行ってさ

揚羽凛太郎

俺は日向に告白された──

揚羽凛太郎

そして俺も日向の事好きだ──

日向奏星

・・・・・

揚羽凛太郎

俺は勇気出して
告白してくれた日向に──

揚羽凛太郎

全力で応えるつもりだ──

揚羽凛太郎

けどお前は逃げてるだけだ──

揚羽凛太郎

答えを出すのが怖くて
逃げてるだけだって──

揚羽凛太郎

龍也に言ったんだ・・・

日向奏星

揚羽くん・・・

揚羽凛太郎

けどさ・・・

揚羽凛太郎

俺ってヤツは
自分の事棚に上げて

揚羽凛太郎

偉そうな事言ってんなぁ
って思ったんだ・・・

日向奏星

偉そうな事?

揚羽凛太郎

だってさ、日向の事を
一生護れるくらいの覚悟と
責任が持てる時までって

揚羽凛太郎

結局俺も答えを出すのが
怖くて、先延ばしにして
逃げてるだけなんだよな・・

日向奏星

揚羽くん・・・

揚羽凛太郎

龍也の方が俺なんかより
何万倍も立派だよ・・

日向奏星

ダメだよ!揚羽くん!

奏星は凛太郎に抱きつく

揚羽凛太郎

日向・・・

日向奏星

自分を責めちゃダメだよ

揚羽凛太郎

でも・・・

日向奏星

いつも揚羽くんが
私に言ってくれる
言葉じゃん!

揚羽凛太郎

・・・・・

日向奏星

私は揚羽くんに
答えを急いでほしい
なんて思ってないよ?

日向奏星

私・・言ったでしょ?
揚羽くんも私の事を
好きだって知れただけで
嬉しいって!

揚羽凛太郎

けど・・・

日向奏星

責めちゃダメだよ!

揚羽凛太郎

ご、ごめん・・・

揚羽凛太郎

ちょっと頭
痛くなってきたから

揚羽凛太郎

保健室行ってくる・・・

揚羽凛太郎

先に教室行っててくれ・・・

日向奏星

揚羽くん!待っ──

揚羽凛太郎

ごめん・・・

揚羽凛太郎

一人にして欲しい・・・

日向奏星

・・・・・

奏星が見送る凛太郎の背中は 心なしか小さく見えた

日向奏星

揚羽くん・・・

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

俺ってホント
カッコ悪ぃなぁ・・・

揚羽凛太郎

情けねぇ・・・

揚羽凛太郎

ホント情けねぇよ・・・

揚羽凛太郎

俺・・・

お節介アゲハと弱虫ヒナタ

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コメント

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ユーザー

和久井くん、遂に付き合ったぁ!! 凛くんは、後もうちょっと頑張って欲しい…、

ユーザー
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