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Jasmine
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コメント
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みぅです🤍🥀 8話、水族館デートすごく良かった…! 「小さい方が守りやすい」って陸くんが呟いたところ、ドキッとしたよ🥺 寡黙な人がポロッと本音出すの、破壊力すごくない? それにパンフレットのカップル割に釘付けになる陸くん、可愛かったな…「今度は夜に来よう」って未来の約束を匂わせるのもずるい! 手を繋ぐ温度に少しずつ慣れていく日奈子の心情描写も繊細で、胸がぎゅってなったよ。 次回も楽しみにしてます🌙
ランチを終えて、陸の手がレストランの扉を開ける。
うららかな秋の陽気が二人を出迎えた。
時刻は13時過ぎ。
ランチタイムを過ぎた街は、少し落ち着いた雰囲気に包まれている。
日奈子
日奈子
陸
陸が短く同意する。
日奈子は胸の奥が温かくなるのを感じた。
単純なもので、お腹も心も満たされた幸せが、日奈子の足取りを軽くしている。
でも、胸を満たす感情は決してそれだけじゃないことも、日奈子は薄々勘付いていた。
――隣にいる彼の存在感が、少しずつ自分の中で大きくなっていく。
けど、それを認めてしまうには、まだ彼のことを知らなすぎる。
見極めなきゃいけない。あの夜のことも、陸が自分に抱いている想いも。
そうして駐車場に戻ろうと日奈子が歩き出した、その時だった。
日奈子
ふいに右手が掬い上げられる感触。
陸の大きな手のひらに包まれ、ぎゅっと軽く握られた。
まだ簡単に信用しちゃいけない、そう思い直した直後の出来事。
繋がれた体温が、ひときわ強く、日奈子を現実に引き戻す。
陸
日奈子の動揺を知ってか知らずか、陸は淡々と尋ねてきた。
日奈子
突然のことで戸惑い、言葉が続かなかった。
手を繋いだのは今日で二度目。
イタリアンレストランに着いた時も、こうして手を繋がれた。
だからって、二度目で慣れるわけじゃない。
繋がれた温もりに意識が集中してしまい、日奈子は視線を泳がせるしかない。
陸
しかし彼の手はぴくりとも動かない。
むしろ指先に込められた力がわずかに強まる。
歩幅も明らかに日奈子に合わせて歩いている。
全てが無意識なのか計算なのか、判断に迷うほど完璧な距離感だ。
日奈子
日奈子
話題を変えようと問いかける。
陸は前を向いたまま、僅かに顎を引いた。
陸
日奈子
そう呟いた瞬間、陸の足が止まる。
日奈子の頭頂部に、繋いでいない方の手をそっと乗せた。
温かい指先が、髪の隙間を梳くように撫でていく。
日奈子
なんとなく気恥ずかしくなり、小さな声で付け加える。
陸は手を離さないまま、ぼそりと呟いた。
陸
日奈子
意味がわからず小首を傾げると、陸は正面から日奈子を見据えた。
陸
まるで独り言のような小さな声。
しかし確かに、日奈子の耳にしっかりと届いた。
その言葉は妙に胸に響く。
記憶のない二日前の出来事よりも、このたった一言の方が、ずっと現実味を帯びて感じられた。
日奈子
陸の人柄を知る度に、あの夜の記憶が夢のような気がしてくる。
この寡黙で真面目そうな人が、酔い潰れた自分に欲情したなんて信じられなくて。
日奈子
駐車場からどんどん遠ざかる方向へ陸が歩いていくので、日奈子は思わず尋ねた。
本人は前方を見たまま答える。
陸
そう言いながら、繋いでいる手を軽く引いた。
まるで「こっちでいい?」と問いかけるように。
陸
日奈子
正直に答えると、陸は一瞬間を置いてから、ふっと口元を緩めた。
日奈子
日奈子
その素直な笑みに、日奈子の胸が波打つ。
二人してノープラン、デートの計画としては落第点かもしれない。
でも不思議と居心地は悪くないのは、きっとこの微笑みが見れたから。
日奈子は空いている方の手でスマホを取り出し、画面を数回スクロールした。
地図アプリを開いて現在地周辺を検索すると、すぐ近くに大きなショッピングモールがある。
そして、そこに併設されている施設の一つに水族館の名前を見つけた。
日奈子
スマホの画面を見せながら尋ねる。
画面には青い空間と、様々な魚たちが泳ぐ写真が表示されていた。
陸は画面を一瞥すると、短く頷く。
陸
同意を得られたので、日奈子は少し安堵する。
陸の迷いのない足取りについて行くと、モールの入口が見えてきた。
吹き抜けの天井が高い開放的な空間で、休日のお陰か多くの人々が行き交っている。
受付カウンターへ向かう途中、日奈子はパンフレットコーナーで一枚だけ手に取った。
それを眺めていると、ある文章が目に入る。
日奈子
パンフレットに掲載されている情報を読み進めると、週末限定で「ナイトアクアリウム」なる夜間営業をしているらしい。
しかも「カップル割引」なんて項目まであった。
日奈子
日奈子
つい口に出すと、隣で陸も同じ箇所を見ていた。
じっとカップル割の欄を見つめている。
長い睫が影を落としているその横顔がどこか深刻そうで、日奈子は不思議に思った。
陸
ぼそりと呟かれた言葉。
どうやらその部分だけが気になるらしい。
普段のポーカーフェイスからは想像できない執着ぶりだ。
陸の異変に日奈子が首を傾げると、彼は視線をパンフレットから日奈子の顔へ移した。
漆黒の瞳がまっすぐに日奈子を捕らえる。
陸
陸
陸
日奈子
陸
日奈子
唐突な提案に驚きの声が漏れる。
陸は迷いなく頷いた。
――今度。
その単語が、胸の奥で甘く響く。
未来の約束をされているようで、日奈子の体温がじわりと上がった。
「割引」の文字に釣られたのか、それとも「カップル限定」の文字に惹かれたのか。
熱を孕んだ陸の眼差しを見れば、おのずと答えは出る。
日奈子
日奈子
期待を込めてそう言うと、陸の口元がまた柔らかく綻んだ。
陸
短いけれど確かな応え。
二人はそのまま入場口へと歩みを進めた。
繋がれた手の温度はもう離れようもなく、心地よい感覚となって、日奈子の身体にしっかりと刻まれていった。