多分、狂った恋だったんだと思う
星空を眺め、ため息をつく
また、逃げられた
何回目なのか、もう数えてない
やっぱり、無理なのかな
……そりゃ、そうか
夜にしか出歩けない私を
不思議がって会いに来る人達
一体どんな狂人だと思われているのだろう
……それにしても、今回ばかりはかなり心にくるな
なにせ、いちばん長く私に会いに来てくれた人だったのだから
……もう、4年も会ってたのか
この屋敷から出られなければ
囲まれた森からも出られない
夜にしか外に出られないし
体力もそんなにない
……さて、もう寒くなってきた
そろそろ帰ろう
そう思った時
ふと、空を見上げた
「君に晴天を見せてあげる」
彼は、私にそう言った
日中の空は、青く澄んでいて綺麗らしい
それを、晴天と言うらしい
……私からしてみれば
太陽など、この身を焼くものでしかない
……そうだな
私からしてみれば
この夜の空こそ
星の天と書き
せいてんと読もうか