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76 - 【桃香&未門生誕祭】畏怖の念を抱く、その姿に

♥

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2025年01月31日

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冷や汗が伝う感覚がする

今、この国の命運は

目の前の少女に握られているのだと思うと吐き気がした

だが、それも仕方の無いことなのだ

この世界で、少女の力は

ただ、圧倒的なのだから

 

本日は、謁見をさせて頂き感謝の念に……

桃香

建前は結構です

桃香

それで、用件とは?

舌打ちをしたくなる仕草

自分より上にある玉座を我がものとする

目の前の、軍服の少女

それが、目の前の桃香という少女だ

この国の、来賓として来日しており

俺は王直々にこちら側の戦力として迎え入れるようにと命令されていた

それもそのはず

我が国は今、隣の国と戦争の真っ只中である

正直、既に負け戦感が否めない

だが、この少女がこちらに加勢でもしてみろ

途端、この国は勝てる

この世界、最大戦力

それが、この少女なのだ

……ちなみに、次に強いのが敵国のツートップである

……え?お前らが悪いだろって?

……それ、俺に言われても…

 

で、では早速本題の方に入らせていただきます

 

単刀直入に申し上げます

 

こちら側に戦力として加担していただけませんか?

桃香

……ふむ

 

こちらとしても、貴女様のようなお方に加勢していただけましたらとても嬉しく…

 

それに、貴女様の「聖女」としての力も我らにとっては願ったり叶ったりでして…

 

どうでしょう?

 

見返りとしては、今後とも良き国の関係を……

にこ、と笑う目の前の少女

これは、勝ったなと思った矢先

桃香

お断り致します

……断られた

 

……えっ?

桃香

何度も言わせないでください

桃香

お断り致します

 

な、何故……

桃香

そうですね……

桃香

まず、1つ目

桃香

この戦争は貴国が始めたことでしょう?

桃香

それに私を巻き込まないでいただきたい

桃香

私は、国の来賓としてここに居る

桃香

民を巻き込むマネなど致しません

桃香

次に

桃香

私の力を「聖女」など呼ばないでいただきたい

桃香

そんな、崇高なものとでも?

 

いや、貴女様には癒しの力が……

桃香

えぇ、ありますよ

桃香

ですが、それは私の力です

桃香

「私」という感情が入っているなら

桃香

神の尊き使いである「聖女」とは比べ物にもならない

桃香

私は、お人好しじゃないのでね

桃香

……さて、最後に

足を組み直し、扉を見つめる

何も、予想が出来ない

思考する暇もなく、扉は開き

世界は無慈悲なのだと知った

未門

……失礼

未門

俺の愛しき人に

未門

なにか?

風魔

未門様…

威圧感のある、15,16の少年

その後ろで頭を抱える従者

この2人こそ、敵国のツートップ

……要は、今この部屋には

この世界の最高戦力が揃ってしまったのだ

……死ぬ?これ

桃香

……未門

未門

桃香、無茶しないでって言ったよね?

桃香

無茶はしてない

桃香

間違いを直してただけ

桃香

ね?風魔

風魔

……はぁ、もう俺何も言いませんよ…

桃香

ほら、ね?

未門

圧をかけないの、全く……

桃香

……あぁ、そうだ

桃香

貴国への返事がまだだったね

桃香

最後の理由

桃香

それは

桃香

私が未門の国に嫁ぐことになったからだ

 

……へ?

桃香

あれ、聞こえなかった?

桃香

要は貴国はこの世界の最高戦力を全て敵に回したのだよ

桃香

……さて

桃香

未門、もういいよね?

未門

……いいよ

風魔

未門様、少しは抵抗を……

未門

妻の願いを聞くな、と?

風魔

……いえ

風魔

(……愛妻家、とかそういうの超えてるよな……?)

目の前まで降りてくる少女

まるで、天使

その隣の、威圧感に耐えかねて

気絶出来たら、なんと幸せか

桃香

私の愛する旦那様の国だぞ

桃香

どう、落とし前付けてもらおうか

 

い、いやあの……

 

せめて弁明を……

桃香

知らない

目の前に、鉄の塊が見えた

それは少女にぴったりな

小型の、銃だった

桃香

じゃあ、来世で詫びてね

桃香

詫びても許してあげないけど

そう言われ、反論の余地など無く

最後の

その、瞬間

引き金を引く音

重低音が、響き

暗転___

カット!という声が響き

肩の力が抜けていく

桃香

はぁ……緊張した……

未門

お疲れ様

桃香

うん、お疲れ〜

そう、何を隠そう

本実は八大陸と世界から愛された国の

合同撮影会である

目的は両国の関係を深めること

その中で、キャストとして呼ばれたのが

私と未門と風魔だ

私は、言わずもがな「沙羅の巫女」がご指名だったからである

未門も同じくご指名で

風魔は瞬間移動が出来る役として抜擢された

ちなみに、月詠とも悩んだのだが

月詠の術はそこにある物と場所を交換する術で

いくら小さい小道具を置いてもカメラに映ってしまうので却下となった

そのラストシーンの撮影が

今、終わったのである

……よく考えてみれば、長かった

1月の頭から最後までぶっ通しで撮影してた

明日から2月……

……2月?

……あれ、じゃあ今日って

桃香

……未門

未門

ん?どしたの

桃香

……誕生日、おめでとう

未門

……え?

未門

…………あっ

……お互い、顔が真っ青である

多分、考えていることは一緒だ

プレゼント、用意するの忘れた……

桃香

……ごめん、忘れてた

未門

いや、俺も……

風魔

……では、俺からも

風魔

プレゼントはありませんが、お祝いする気持ちはありますよ

風魔

お誕生日おめでとうございます、我らのお姫様?

それは、先ほど撮影が終わった作品のセリフで

そういえば衣装着たままだなと思い

流石に返すか……と動こうとした所

桃香

……未門?

未門

…………

未門

誕生日、おめでとう

未門

俺の、お姫様

桃香

……

桃香

なるほどね?

「我らの」じゃなくて、「俺の」ね

……嬉しい、普通に

だけど同時に

滅多にこんなこと言わない未門に

ちょっとイタズラしたくなってしまい

桃香

ありがとう、でも

未門

……?

桃香

「俺の愛しき人」でも「俺の妻」でもないんだね

そう言い、にこっと笑って見せた

瞬間、固まる未門

……恥ずかしくなって逃げる私

…………さて、

この遅延性の毒は

いつ頃効き始めるのかな

そんなことを、考えた

いつか、聞けたらいいなぁ

なんて、淡い乙女心を詰め込んで

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

遅くなりましたが…桃香さん、未門さん、お誕生日おめでとう🎉✨ 最初は夜桜桃香さんの転生後の世界……!?って思ったけど、「カット!」って声がした瞬間、演技……!?ってめちゃくちゃびっくりした😳😳でも、演技だとしても未門さんの「妻」って呼び方がグッと刺さった……っ!!ありがとうございます……っ!! 最後、恥ずかしくて逃げちゃう桃香さんが可愛すぎて尊いですありがとうございました🫶🫶

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