ぐしゃぐしゃに黒塗りした紙を
顔の上から貼り付けてる気分だった
自分の顔が見られないように
ただ、とにかく必死だった
紙が剥がされそうになったり
剥いでしまいそうになったら
私は弱いから、逃げていた
誰も私を好きじゃない
皆黒塗りの紙が好きなの
知ってる、だから、演じるの
……だから
無理やり紙を外そうとする
あなたが、嫌いだった
……でもね
「……別に、死んで欲しいなんて思ってなかった」
道端に作られたばかりのお地蔵様に
死んだ目をした女が1人
ただ、黙って座っていたのは
……多分、異質な光景なのだろうな
そんなこと思いつつ
ただ、謝る
失ってから、気がついた
だる絡みに、依存していたのは
「……私の方だったのにね」
届かない懺悔が響く
届いて欲しい人に届かない
……そっちに行ったら抱きしめてね
なんて、他人事なお願いを心にしまって
黒塗りの紙を、顔に貼った