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ユウナ

ねぇトモキくん?

トモキ

はい?

ユウナ

いつになったら筋肉モリモリマッチョマンになるの?

トモキ

一朝一夜でなれるものじゃないし

トモキ

第一俺はそこを目指してない

ユウナ

でも、身体絞ればかっこいいんだけどなぁ

トモキ

いつものお世辞ありがとうねぇ?

突然だが、俺『桐原智樹』(きりはらともき)はとある女の子に目を付けられている

相手はこの『上原優菜』(かみはらゆうな)という子だ

この子と俺は実はここ最近知り合ったのだが

出会い方がまた奇妙だし、この子自体も不思議で訳の分からん奴だ

事の発端は出不精な俺が友人に連れられて成人式に顔を出したことにある

出たくない成人式に連れられてやってきたがとんでもない人の量で圧倒されたのを今でも覚えている

成人式なんて昔の同級生と顔を合わせて近況を報告する会だろうが

お生憎様俺にはその『同級生』がいない

正確に言えばいるのだが、人付き合いが面倒になって疎遠になり

挙句の果てに会いたい人間もできた訳では無いという

まぁ、なかなかに腐ってる男なわけで

そんなだから成人式に行く意味もなかったのに友人に一生に一度のイベントだから行くぞ

と声をかけられ嫌々出席することにしたのだ

当日は皆スーツや振袖などおめかししてるが俺は興味無いので私服で出席

会場につき少し時間潰して適当な席に座り市長の話を聞いてその後解散という流れだった

時間にしてわずか40分程度のために気合い入れて来た女性陣には頭が上がらないっす

で、俺とその友人は『まぁ、こんなもんか』と話しながらまっすぐ帰っていたのだが

ふと俺のスマホを見ると中学時代の友人から連絡があり

まだ帰ってないなら会いたいと連絡が来ていて駅に着いてから気が付いた

その事を伝えると駅に向かうねと返信がありそのまま駅内で待機することに

その待機中一緒に来ていた友人と昔のことを話してゲラゲラ笑っていたが

その時友人から俺が嫌ってるやつの名を出されてそいつが来たらどうする?

とか言われて普通に嫌な顔するけど?

みたいなクソな会話をしてると連絡をくれた友人が到着した

その後ろに俺の嫌ってる元友人と面識のない女性陣数名が見える

この時点でカオスな現場になると予感していたがそれは見事的中する

合流したあと昔話に花を咲かせみんなで写真を撮ったり

近況報告してまた時間を潰したのだが

元友人が連れてきた女性陣が何なのかが異様に気になり

俺はキモがられる覚悟で彼女らに声をかけた

すると意外と気さくな人達で明るく返事を返してくれた

もちろん外面なのは理解してるがそれでも邪険にしないあたり

世渡りを理解してるなと一人勝手に納得する

その後思いきって何故着いてきたのかを聞くと突然彼女らが俺を引っ張り

みんなと距離を離していく

いきなりのことで理解ができなく混乱してる俺を他所になるべく離れその上

俺を囲むようにして話を始める

正直この瞬間がめっちゃ怖かったというのはここだけの秘密

で、着いてきた理由は彼が自分の友人を紹介したいと意気揚々と話してきて

あたかも自分が上で紹介したいヤツらが下の人材みたいな話を聞いてたらしいのだ

要は俺が居ないとコイツらはウンタラカンタラみたいなクソ上司的なムーブして女を連れ回したと

それを聞いてあーやっぱコイツあの時から成長してないなぁと思い

それが思いっきり口に出てたらしくその発言から色々詰められるようになってしまい

挙句に俺はそういった愚痴のたまり場として連絡先を交換しそれ用のグループにまで招待される

まぁ過去を知る人物がいた方が傾向がわかるってことなんだろうが

あいにく俺はそいつが嫌いなのでもうほとんど記憶には残ってないのが現実

一応それを伝えるだけ伝えたのだがそれでもいいと強制連行された

羨ましいと思う人間もいるかもしれないが

女性陣のこういった話はドッロドロで不快になるので憧れない方が身のためだろう

で、そういった事もあり俺はその後友人達と帰ろうと思ったが

女性陣に捕まり俺だけ帰るのが遅れることとなる

もちろんそのせいであの場にいた奴らから連絡が飛んできて

春が来たな!とか呑気な言葉を投げられたのは殺意が湧いたなぁ

その後適当なファミレスに入り女性陣に囲まれ気まずいながら食事をする

男の俺には女性陣の話に参加できずただ飯食って酒飲んで適当に頷いて少しスマホいじって時が流れるのを待っていたのだが

どこからか話は途端に恋愛系にと傾く

女性陣は当時付き合ってたやつの愚痴だったりカッコよかった人いたね

みたいな話でキャッキャしており

俺のイメージする女性はこんなんだなぁと勝手ながらに思いふけっていると

俺に話が振られる

アリサ

そう言えばアンタはどうなの?

トモキ

はい?

アリサ

はい?って…

アリサ

話聞いてたでしょ?

アリサ

付き合ってた人とか居ないわけ?

トモキ

先程の反応を見てもらえばわかる通りいないねぇ

ヒビキ

まぁ、そんな感じする〜

トモキ

(今日あった人間に失礼なやつだなこいつらほんま……)

ヒビキ

話しやすいけど隣にはいて欲しいとは思わないから

ヒビキ

あれだよね

ヒビキ

友達以上恋人未満って人間だよね!

トモキ

本人目の前でそんなこと言うな

トモキ

人によっては大ダメージだぞ

カオル

それじゃあ昔好きだった子とかもいないの?

トモキ

まぁ、いましたけど…

アリサ

ならそれ教えろよ

トモキ

確実にバカにされるので嫌です

ヒビキ

バカにしないって大丈夫大丈夫!

トモキ

好みが明らかDTとからかわれるから却下

アリサ

なら…よし!こうしよう

アリサ

私とジャンケンして私が勝ったら話してもらう

アリサ

君が勝ったら話さなくていいし今日のご飯代は私らで会計しよう

トモキ

普通に嫌です

トモキ

お会計してくれたとしても負けたら話さないといけないのが癪なので

カオル

強情な人ねぇ?

トモキ

第一今日あった人間の恋愛話聞きたいですか?

ヒビキ

私は聞きたいよぉ?

カオル

あの人とお友達でしたので趣向が似てるのか気になりますの

アリサ

いい酒のつまみになるからな!

ユウナ

わたしも…気になる

トモキ

…はぁ

トモキ

分かりました分かりました

トモキ

話せばいいんでしょ話せば

アリサ

女4人の圧に負けたな

トモキ

敵に回すと厄介なことこの上ないのは

トモキ

昔の経験で学びましたので

ヒビキ

へぇ〜?

ヒビキ

それも後で聞かせてよ

トモキ

酒の席だからって何もかも赤裸々に離すわけないでしょうに

こうして俺は何故か自分の過去を話す羽目になり案の定ゲラゲラ笑われ馬鹿にされた

トモキ

これで満足ですか?

アリサ

いやー!大満足だよトモキくん!!

トモキ

『桐崎』さんは嫌な女上司になりそうですね

アリサ

おっとなんだ喧嘩か?

トモキ

やめてくださいヒョロガリなんで死んじゃいます

ヒビキ

確かに言われてみればトモちゃん細いねぇ

トモキ

トモちゃん言うのやめて貰えます?

トモキ

子供じゃないんですけど

ヒビキ

可愛いからいいじゃん

トモキ

却下

カオル

ちなみに体重聞いてもいい?

トモキ

最近測ってないので分かりませんが

トモキ

最後に確認したのは54とかですかね?

アリサ

身長は?

トモキ

173くらいですね

ユウナ

それって平均体重からかなり下回ってるよね?

トモキ

前調べたら10キロ近く離れてましたね

アリサ

お前ほんとにガリガリだな!

トモキ

なんで嬉しそうなんですか!?

トモキ

けどまぁ…今測ればもっといってると思いますよ

トモキ

なんせお酒飲み出してからお腹出てきてますし

ヒビキ

細くてお腹出てるって

ヒビキ

餓鬼みたいじゃん

トモキ

本人が気にしてることそこ言わなーい

カオル

身体を絞ろうとか思わないんですか?

トモキ

そう思う反面面倒くさくてねぇ

ユウナ

顔も声も『アレ』と比べればマシだし

ユウナ

筋肉つければもっと格好よくなるかもね!

トモキ

別に俺モテたいとか思ってないんでいいかなぁ…

アリサ

筋トレすれば健康体になるんだぞ?

アリサ

やる価値はあるだろ

トモキ

続けられないって…

ユウナ

じゃあ分かった!

ユウナ

私達が手伝うから筋肉モリモリマッチョマンになってよ!

トモキ

どこの白い猫みたいな生物みたいなこと言ってるんですか?

トモキ

契約して魔法少女になるくらい俺にとっては過酷なんですけど?

ヒビキ

いいねぇそれ!

トモキ

新しいおもちゃ見つけたみたいな目の輝きしないでください

カオル

そうよ?

カオル

トモキさんの意志を尊重しないと

トモキ

ありがとうございます『牡丹』さ…

カオル

筋トレしたご褒美に私らを頂くとかしないとダメじゃない?

トモキ

何を言ってるですか貴女は!?

アリサ

なるほど…

アリサ

これが男は獣ってやつか

トモキ

勝手に俺をそういうやつにしないで貰えます?

ユウナ

えっ…そう……なの?

トモキ

違いますからね!?

トモキ

断じてそんなことないですからね!?

トモキ

『アレ』はともかく俺はそんなことしませんから

ヒビキ

まぁ、そうだろうねぇ〜

ヒビキ

奥手のビビり君だからねぇ?

トモキ

事実ですけどニヤニヤして言わないで貰えます?

アリサ

それじゃあお前の筋トレを口実に愚痴大会開かせてもらうからよろしく!

トモキ

俺は全然良くない!?

こうして俺は面倒くさい連中に自ら絡まれに行ってしまったのだ…

怠惰な人間とそれをオモチャにする女たち

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