絵里子
どうしたの?早く脱いで
絵里子
もしかして私に脱がせてほしいの?
アラタ
ちょっ、ちょっと待って!
アラタ
ダメですって!そんなっ…
アラタ
(いやいやいや、さすがにマズいだろ!!)
アラタ
お、俺たち義理とはいえ、親子なわけだし…
アラタ
そういうのは、あの…なんていうか
絵里子
大丈夫、すぐ終わるから
アラタ
で、でも…
トントントン
使用人
奥様、旦那様から連絡がありました
使用人
あと30分くらいで戻られるそうです
絵里子
あら、早かったのね
絵里子
あっ、そうだアラタ君に紹介するわね
絵里子
こちらは、山辺さんよ。住み込みで働いてもらってるの
山辺
山辺と申します
山辺
敷地内の離れに住まわせてもらってます
山辺
アラタお坊ちゃま、どうぞよろしくお願いしますね
アラタ
お坊ちゃまって…なんか変な感じだな
絵里子
うふふ、そのうち慣れるわよ
山辺
それでは、失礼します
絵里子
さあて、続きを始めようかしら
絵里子
30分もあれば、十分ね
アラタ
いや…俺、ホントにそういうのは
アラタ
(…本格的にマズい状況になってきたぞ!)
アラタ
(こんなキレイな人に迫られたら…)
アラタ
(困った…純情な青少年は我慢できない)
絵里子
さっさとサイズ測るわよ
アラタ
…サイズって?
絵里子
『天馬家』では服はオーダーメイドなのよ
絵里子
アラタ君のも注文するからね
アラタ
あっ…なんだ、そういうこと
絵里子
ん?どうかした?
アラタ
いや、何でもない!
絵里子
じゃあ、下着以外は全部脱いでね
アラタ
(はあ…俺ってバカだな、漫画じゃあるまいし)
アラタ
(義母とイケない関係なんて…有り得ないだろ)
アラタ
(それにしても、パンツ一枚は恥ずかしいな)
絵里子
アラタ君、顔が赤いわよ
絵里子
恥ずかしがることないのよ…だって私たち
『家族』なんだから
アラタ
そうだね…家族だしね
アラタ
(さっきからずっと、絵里子さんに見られてる…)
アラタ
(…舐めまわすような視線で、俺の体を)
進一郎
強引な真似をして悪かったね
進一郎
君に早く会いたかったもので
絵里子
息子ができるのを、ずっと楽しみにしてたのよ
アラタ
あはは、高級車に乗せられた時は、誘拐かと思ったよ
進一郎
ゴメンゴメン、反省してるよ
アラタ
(この人が新しい『お父さん』か)
アラタ
(いかにも仕事ができる実業家って感じ)
絵里子
何か必要な物とかある?
進一郎
欲しい物があれば、遠慮なく言うんだぞ
進一郎
さあ、今夜はアラタの歓迎会だ!
絵里子
一流のシェフを呼んであるのよ
アラタ
やった!!めっちゃ腹減ってたんだ!
アラタ
(やっぱ金持ちの家は違うな)
アラタ
(今回の入れ替え、超アタリじゃね?)
アラタ
あっ、いけねえ
アラタ
あの、母ちゃん…今日までの両親が心配してるみたいで
進一郎
そうか、正式には『家族』になるのは明日からだしな
絵里子
アラタ君のこと、フライングして連れて来ちゃったから
進一郎
心配いらないよ
進一郎
両親には私のほうから連絡しておくから
絵里子
お世話になった挨拶は夏休み中に行けばいいわ
アラタ
うん、そうだね
アラタ
(母ちゃん、ゴメン)
アラタ
(最後に母ちゃんの『から揚げ』食べたかったけど…)
アラタ
(これから3年間は『天馬家』の家族になるわけだし)
アラタ
(…仕方ないよな)
絵里子
そうそう、アラタ君の学校のことだけど
絵里子
この家からだと、通うのが遠くなるから
絵里子
A学園高校に編入したほうがいいと思うの
アラタ
A学園高校って、めっちゃ頭のいい学校じゃん
アラタ
(しかも金持ちの子供ばかりで有名だったはず)
アラタ
(嘘だろ?そんなところに…この俺が)
進一郎
A学園高校の校長とは古い付き合いなんだ
進一郎
特別に編入試験を受けさせてもらえるそうだ
アラタ
でも…俺、勉強苦手だし
進一郎
心配いらない、優秀な家庭教師を頼んであるから
絵里子
明日から来てもらえるのよ
絵里子
夏休み明けに編入試験があるから、それまで頑張りましょ
アラタ
う…うん
進一郎
大変だけど、しばらく辛抱してくれ
進一郎
アラタ、お前は『自慢の息子』だ!
進一郎
だからこそ、『天馬家』に相応しい人間になって欲しい
進一郎
その為の『教育』が必要なんだよ
アラタ
(…もしかして俺)
アラタ
(とんでもない家に来てしまったのかも…)
絵里子
食後にコーヒーでもいかが?
進一郎
ありがとう、いただくよ
進一郎
そういや、アラタはどうした?
絵里子
お風呂に入ってるわ
絵里子
大理石のお風呂は初めてだって
絵里子
はしゃいじゃって、可愛かったわ
絵里子
高校生っていっても、まだまだ子供ね笑
進一郎
…ところで
進一郎
『もう1人』のことについて、アラタは何か言ってたか?
絵里子
…いいえ、何も
絵里子
心配いらないわ
絵里子
あの子、鈍感そうだし
進一郎
くれぐれも気を付けてくれよ
進一郎
もしアラタがあのことを知ってしまったら、その時は…
適切な『処置』をしなくちゃならないからね…







