ここにはかつて、8つの大陸があった
その大陸を神の使い達が治安を維持していた
俺はその中の一つ、夢の神の使いの大陸の生き残り
…もう、同胞達も少ない
それもこれも全部あの神の使いのせいなのだ
俺達がかつて住んでいた大陸は、本当に美しかった
まさに「幻想」
その言葉が似合う大陸だった
民はその大陸と神の使いを心から愛していた
でも…
その幻想は、あっさり消えた
あろうことか夢の神の使いはこの八大陸から追放されて行った
自分の大陸を持って行って
民の多くは夢の神の使いと共に大陸ごと連れていかれてしまった
俺のようにほかの大陸に居た仲間以外全員居なくなった
俺達は絶望した
民の多くが夢の神の使いを崇め愛していたのに
なんの躊躇いもなく神の使いはそれを裏切った
しかも、追放という選択肢を選んだのは神の使いのリーダー、「自然の神の使い」だと言う
仲間から捨てられた神の使い
そう思うと少し哀れだ
俺は同じ大陸の仲間を探した
集まったのは50人くらいだった
俺達は話し合った
このどうしようもない絶望を誰に向ければいいのか
誰かに向けないと、おかしくなってしまいそうだったから
最初こそ俺達の神の使いである夢叶様に復讐しようという声が多かった
だが、ある者がこう言った
「我らの夢叶様を追放した自然の神の使いこそ、真に憎むべき相手では無いだろうか」と
その通りだと誰もが言った
夢叶様は追放されてしまったのだから
"全体"の意見として自然の神の使いを殺してしまおうということになった
だが、俺は違った
"個人"の意見として俺は誰にも言わなかったことがある
俺の大切な家族を奪ったのは紛れもなくあの女だ
俺を誰よりも心配して気遣ってくれた家族
そんな家族を連れて行ったあの女を、俺は許せる気がしなかった
…いつの間にか、ターゲットは自然の神の使いだけではなく、神の使い全員になった
それでも、俺達はずっと待った
神の使い達を殺せる絶好の機会を
待って待って待って待ち続けた
そんなある日、情報屋が俺達にいい情報を売ってくれた
サラナ討伐に向け、神の使い達が集まっていると
俺達は喜んだ
待った甲斐があったと
今すぐ殺しに行こうと
…俺は、仲間達が少し、怖かった
俺達の作戦はシンプルだった
囮が自然の神の使いを引き付け
その内に各々神社に入り込む
???
意気込んで茂みから飛び出る
首を狙ってナイフを振り下ろした
……刺さった感触がない?
風魔
どこから出したのか分からない刀で防がれてしまった
風魔
風魔
風魔
風魔
いつの間にか後ろに居た
風魔
風魔
風魔
風魔
風魔
風魔
その瞬間、俺が動くより先にあいつが動いた
風魔
風魔
気がついた時には俺の首に刀があった
風魔
風魔
風魔
刺した
だが、刺しても血が出ることなど無かった
風魔
風魔
その瞬間、あっさりと拘束されてしまった
風魔
風魔
首にヒヤリと冷たい物が触る
風魔
風魔
風魔
風魔
風魔
風魔
風魔
風魔
風魔
風魔
風魔
あいつが術を使ったのか、眠くなってきた
風魔
寝る直前、あの女がこっちを見て笑っていた気がする
ねぇねぇ、知ってる?
ん?なにを?
夢の神様のこわぁいお話
しらなぁい
夢の神様はね、夢を見せるのが得意なの
そんなの、だれでもしってるよ?
でもね、全部いい夢とは限らないの
いいゆめじゃなかったら、それは、あくむだよ
そう。夢の神様はね、自分の大陸の民が何かやらかしたら
そのおしおきとして
拷問よりもっともっともぉ〜っと辛い
悪夢を見せるんだって
やだぁ〜。こわい〜!!
だよねぇ?でもねぇ?
光の対が闇のように
天使の対に吸血鬼がいるみたいにはならないんだよ〜?
てんしさまときゅうけつきさまのおはなしはしてくれないの?
まぁそのお話は気が向いたらね
ぼくあのおはなしだいすきなんだ〜
アシッドきょうのてんしさまと"しからはなれたくに"のひがんひめ…じゃなくて
きゅうけつきさまのおはなし〜
だからまた今度ね
話を戻して
神様っていうのはね
「ありがとう」っていう気持ちも「なんでこんなことするの?」っていう気持ちも全部受け取っちゃうの
だからね
もし嫌なことがあっても、それを神様のせいにしちゃダメだよ?
じゃあだれにむけるの?
他の誰でもない自分に向けるんだよ
そうしたら神様は痛くないからね
ん〜。わかった!どりょくしてみる!
ん、いい子だね
つぎはなんのおはなしをしてくれるの?
そうだね…。次のお話は…
悲しい哀しい記憶喪失の話にしようか
コメント
4件
語り手さんが桃香さんだと勘違いした人って、まさか……(( 夢叶さんの大陸にいなかった民達は夢叶さんが追放された、って情報しか知らなかったんだよね……。でも、知らないからって神の使いに手を出そうとするなんて愚かな行為だよね……💦 次は悲しい記憶喪失の話……。新連載のこと、かな??よし新連載読もっ👀✨
(^q^ 三 ^q^)