ひなこ
私の名前は海辺ひなこ
高校1年生の女の子
今日は6月30日
1ヶ月の終わりの日です
ひなこ
ゆうき
ゆうき
ゆうき
ひなこ
兄のゆうきは
高校二年生
ひなこ
ゆうき
ゆうき
ひなこ
ひなこ
ひなこ
りな
ひなこ
りな
ひなこ
りな
ひなこ
りな
ひなこ
りな
ひなこ
ゆうや
ゆうや
ひなこ
ひなこ
ひなこ
ゆうや
この子はゆうや
私の彼氏
りな
ひなこ
りな
ひなこ
そんな会話をしている毎日
そんな毎日が楽しかった
でも
ある日突然
その楽しかった毎日が
死と隣り合わせの毎日になるなんて
思ってもいなかった
7月1日朝
ひなこ
急に胸が苦しくなり
息が出来なくなった
ココは病院
先生
ひなこ
先生
ひなこ
先生
先生
先生
ひなこ
私は言葉を失いました
まだ高校1年生
まだ15歳
まだ……
夢も叶えてないのに
残り1週間の命と
宣言された
家にて
ひなこ
ひなこ
私は残りの1週間
このことを誰にも伝えないと決意した
みんなに悲しい思いをさせないため
自分に希望を持たせるため
余命1週間を
忘れるために
私のお母さんは小学生の時に死亡
お父さんはどこかへ行ってしまった
今は兄と二人暮し
隠すのは簡単だと思った
学校
りな
りな
ゆうや
りな
ゆうや
ゆうや
りな
ピーンポーン
チャイムが鳴り響く
ピーンポーン
怖くて
ずっと涙が出た
ひなこ
ひなこ
今日は2日目
そして三日目
四日目
五日目
6日目
……そして
7日目
ひなこ
ひなこ
ひなこ
今日は7月7日
私の
16歳の誕生日
そして七夕
ひなこ
ひなこ
ひなこ
ひなこ
私はある格好をして
海へ出かけた
海に着いた
私はしばらく歩いた
学校の制服に
学校に持って言ってるかばん
母のかたみ
歩きながら思い出した
この服は
初めて高校で「りな」という友達ができた時に来ていた服
この服は
初めてゆうやから告白された時の服
このカバンは
クラスのみんなと帰りにグラウンドで
小学生みたいに鬼ごっこを本気でした時に
みんなのカバンと一緒に置いたカバン
言うことができないほど
たくさんの思い出が
この格好につまってる
いつの間にか
私の頬には涙がつたり
笑みをうかべていた
なんでだろうな
もう死ぬって分かっているのに
心は苦しいはずなのに
なんだかとっても
癒された気分だな
数々の思い出が
頭の中を駆け巡る
涙でいっぱいになった顔のまま
私は倒れ込んだ
だんだんと呼吸が苦しくなり
意識が遠ざかる
……
なんて言わなかったんだろう
死が目の前にあることを
まだやりたいことは
沢山あったはずなのに
まだ
生きなきゃいけないのに
誰かを置いていっている気がすると
意識が遠ざかっているのに
色んな人の顔が
頭の中を駆け巡る
いつの間にか私は寝ていた
ずっとずっと
寝ていた
先生
先生
先生
先生
ゆうや
りな
ゆうき
私は
死んだ
当時16歳になったばかり
海で私を見つけてくれたのは
まさかのゆうや
たまたま海に来たら
私が倒れていたらしい
ありがとう
その言葉だけ
伝えたかった
みんなは
「死」ってどう思う?
私もよく分からないんだ
でもね
私は
死んだことは確かに
後悔でいっぱいだよ
やりたいことも沢山あったし
まだまだ
みんなと一緒にいたかった
でもね
空からみんなのことをずっと見つめていると
今でもみんなと一緒にいる気がするんだ
最後に大好きな人に見つけてもらえてよかった
でもありがとうぐらい
伝えたかった
まだ16歳の命だったのに
でも
私はいつでも
空からみんなのことを見ている
空と地面は遠いけど
私はいつまでも
高い空から
見守っているよ
最後に
「ありがとう」
コメント
1件
めっちゃ号泣してしまった