部屋の中が、赤く染る
嫌になってしまいそうな程に
鉄の匂いが充満する
全て手遅れだと悟った
だけど諦めきれなかった
「復讐」の上で生きていた
「復讐」の上でしか生きれなかった
諦めたく、なかった
だから、だから
もう、いっそのこと
全て諦めて
自由に、楽観的に
生きてみようかなと
思ってしまって
しゃがんで、「トモダチ」だったモノを見る
人生で初めて口にした血の味は
……いい味ではなかった
「復讐」で人を殺して
証拠隠滅の為に食べた
初めこそ拒絶感から吐いてしまったが
今はもう、慣れたものだ
味がそんなにしないから
調味料が欲しくなるのが欠点だ
用意するのがめんどくさい
……もう、「復讐」する相手が居なくなった
落ちるところまで落ちた私は
きっともうニンゲンなんて呼べなくて
ぼんやりと月を眺めては
誰かに殺されるのも悪くないなと思ったり
人を食べ続けた私は
どんな味がするのだろう?
なんて、ぼんやり考えて
心を縛るようなだるさと
久しぶりの眠気に襲われて
そのまま、目を閉じた
コメント
3件
死 体を「トモダチだったモノ」ってモノ扱いしてて復讐のためとはいえ、人を…トモダチを殺 し たことに何も感じていなそうに見えた……けど、自由を夢見ている姿は復讐心を感じさせなくて本当にただ自由を夢見てるだけの人間なんだな、って思わせるような感情が見える😵💫😵💫 最後の目を閉じた、ってのは単純に眠るためなのか、それとも自ら死を選んでその効果が現れたのか……どっちだろ……??