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ヒヤマ部長

はぁ〜…

ヒヤマ部長

もう、うんざりなんだよね

ヒヤマ部長

キミのお守りするの

ヒヤマ部長

いつまで学生気分でいるつもり?

ヒヤマ部長

仕事もロクにできないのにさ

ヒヤマ部長

なんで給料を払わないといけない?

ヒヤマ部長

なあ?

ヒヤマ部長

自分の状況わかってんの?

ヒヤマ部長

何でできないの?

ヒヤマ部長

なあ?

ヒヤマ部長

なあ?

ヒヤマ部長

なあ?

ヒヤマ部長

なあ?

目覚まし時計がけたたましい鈴の音を鳴らす。

コウスケ

夢か…

コウスケ

最悪の目覚めだ…

コウスケ

……

コウスケ

とにかくシャワーを浴びよう

毎朝くり返される機械的な日課。 仕事に行くための準備、 そこに彼の意思はない。 使命感の呪縛により、動かされているに過ぎない。

営業場所の駅に向かう。未だにコウスケの脳は完全に覚醒していない。

コウスケ

眠い…

コウスケ

ゆっくり眠りたい

コウスケ

部長に会いたくない

コウスケ

接点を持ちたくない

窓にコウスケの顔が反射する。 目の下にクマ、やつれたほほ、 疲弊しきった顔がそこにあった。

ヒヤマ部長

またダメだったのか?

ヒヤマ部長

言い訳は聞きたくない

ヒヤマ部長

何でダメだったのか簡潔に言え

ヒヤマ部長

なあ?

ヒヤマ部長

なあ?

ヒヤマ部長

なあ?

脳内でヒヤマの説教がループする。

次の瞬間に一本の糸がぷつりとちぎれた。

コウスケ

仕事…

コウスケ

やめよう…

コウスケは携帯電話を取り出し、電源を切った。

コウスケ

もう何もかも終わらせよう

自宅からの最寄駅に戻ってきたコウスケ。駅近くの公園にあるベンチに腰かけた。

コウスケ

さて

コウスケ

これからどうするかな

コウスケ

最高の死に方を考えよう

コウスケ

何がいいかな

コウスケ

どうせなら注目されて死にたいな

コウスケ

都心の高層マンションから飛び降りるか

コウスケ

それとも新宿か渋谷の駅前で焼身自殺するか

自殺する場面を思い描くだけで、コウスケの興奮度は増していく。

コウスケ

想像はつきないな

コウスケ

そうだ、少し貯金があるから

コウスケ

それで旅行に行くか

コウスケ

ゆっくりと死に方を決めよう

コウスケ

よし!

コウスケ

さっそくお金をおろしてくるか

絶望の淵に立っていたはずが、それが嘘かのようにコウスケは生き生きとしていた。

公園から徒歩数分の場所にある銀行。平日の早い時間だからか、客は数人程度だった。

ATMを操作し、残高を確認。 30万。 コウスケは、迷わず全額おろした。

コウスケ

思ったよりあったな

コウスケ

これだけあれば十分だ

コウスケ

温泉とか行って体を癒そう

財布に札の束を入れた。

その瞬間だった。

鼓膜を突き破るような破裂音が銀行内にとどろいた。

銀行強盗犯

全員動くな

銀行強盗犯

おい!シャッターを閉めろ

銀行強盗犯

あとこのカバンに金を入れろ

ガイコツのマスクを被った男と思われる者が大きな声で銀行員たちに指示を出す。

彼の右手には、艶やかに光る鉛色の銃が握られていた。

銀行強盗犯

おい、客!

銀行強盗犯

お前ら全員人質だ

銀行強盗犯

少しでも不審な動きをしたら…

殺す

コウスケ

ま、マジかよ…

コウスケ

まいったな…

自殺に憧れて 全4話

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