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華ちゃんは見た目の感じとだいぶ違い、素直で気がきくし明るくて頑張り屋さんじゃないの!応援📣するわね😊 イタリアン🇮🇹の女性とも直ぐに友達に慣れそう😊 少しずつ周囲の人たちが変わって来て良い方に向かってる感じ。
陸さんの分も洗濯してあげる華子の優しさ🌸 その気遣いやマメさが本来の華子の姿なのかも⁉️ そして今日のご褒美のイタメシ弁当🍱とコンビニワイン🍷で今日の華子に労いの乾杯〜😊🎶
一人で食事なのね。陸さん遅くなる。気がつく女性に変身してきたのかな笑っ
「いらっしゃいませ!」
華子が店に入るとすぐに店主が声をかけてくれた。
店主は華子と同年代の若い女性だった。
明るく染めた髪を後ろで一つに結び、洒落たバンダナを頭に巻いている。
服装は白のカットソーにジーンズ。その上に、ブラウン色のエプロンを着けている。
とてもチャーミングな素敵な女性だった。
他にスタッフはいなかったので、この店は彼女一人でやっているようだ。
「えっと、表の看板にあった…」
「テイクアウトのイタリアン弁当ですね?」
「はい、それを一つお願いします」
「ありがとうございます。お会計はちょうど1000円になります」
華子がバッグから財布を取り出している間、女性はベージュのフードパックに入ったイタリアン弁当を薄茶色の紙袋に入れてく
れた。
紙袋には店名のスタンプが押してある。
この店の名前は『marrone(マッローネ)』というらしい。
『marrone』はイタリア語で『茶色』という意味だ。
華子は大学時代、語学でイタリア語を選択していたのでなんとなく覚えていた。
華子は1000円を渡しながら言った。
「茶色がお好きなんですか?」
すると店主の女性は、
「あっ、はい! 一番好きな色なんです」
そう言ってニッコリと笑った。
とても感じの良い女性だ。
そこで華子は気になった事を聞いてみる。
「このお店はお一人で?」
「はい。オープンしてまだ三ヶ月なんですよ」
「凄いわねぇ。イタリア料理のシェフのご経験が?」
「はい、イタリアの方で。高校を出てすぐにイタリアへ渡ったんですが、結局10年ほどいました」
「うわぁ、勇気あるのねぇ。で、帰って来てからこのお店を開いたのね」
「はい。本当は自分のレストランを持ちたいのですが、開業資金がまだ貯まっていなくて。それでまずはお弁当屋さんから始め
てみました」
「へぇー素晴らしいわ! 頑張ってくださいね」
「ありがとうございます! もしお口に合うようでしたら、また是非お待ちしております」
「ええ、また絶対に来るわ!」
華子は笑顔で軽く会釈をしてから店を出た。
「ありがとうございましたー」
(あんなにいい匂いがしたんですもの。絶対美味しいに決まってるわ)
華子は、思いがけず素敵な店を見つけたので嬉しくて足取りが軽くなる。
(美味しいイタリアンには美味しいワインが必要よねぇ)
そこで華子はハッとする。
美味しい高級ワインは今の自分には買えない。
そこでしばらく何かを考えていた華子は、急に早足に歩き始める。
華子が向かったのはコンビニエンスストアだった。
朝仕事に行く前にリムーバーを買ったあの店だ。
華子はコンビニへ入ると、酒コーナーに売っている安価なワインを手に取った。
そしてすぐにレジへ向かう。
コンビニのワインを飲むのは生まれて初めてだが、高いワインが買えない今はこれで我慢だ。
(まあ、ないよりはマシよね…)
そう思いながら会計を済ませると、ご機嫌な足取りでマンションへ向かった。
部屋へ戻ると時刻は6時を回っていた。
もちろん、まだ陸は帰っていない。
華子は買った物をテーブルの上に置いてから、とりあえず先にシャワーを浴びる事にした。
今日はずっと立ちっぱなしで働いたのでクタクタだ。足もむくんでいる。
本当は湯船にゆっくりと浸かりたいところだったが、あまりにもお腹がペコペコで我慢できない。
あのイタリアンの美味しそうな匂いを思い出すと、いてもたってもいられなかった。
少しでも早くあの美味しそうなイタリアンとワインを楽しみたい。
今夜は陸がいないので、久しぶりに一人だけの時間を満喫できるのも嬉しかった。
華子は逸る気持ちを抑えつつ、手早く身体を洗った。
シャワーを終えた華子は、髪を乾かしながら思った。
(そうだ! 洗濯もしなくちゃ!)
華子は洗濯物がたまっているのを急に思い出す。
どうせなら陸がいないうちに済ませてしまおう。
華子は自分の部屋から洗濯物を持って来ると、洗濯機の扉を開けた。
そして中を覗くと、陸の服や下着が入っている。
まだ洗っていないようだ。
「ま、お世話になったお礼に、一緒に洗っておいてあげますか!」
華子はそう呟くと洗濯機を回した。
それからキッチンへ向かった。