テラーノベル
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日時 : 2026年■■月■■日 十二時四二分
場所 : 朱雀機関■■県支部・隔離尋問室第二封鎖区画
インタビュアー : 朱雀機関D級調査員 ■■■■■
対象 : 大学生・A山氏
付記 : 深夜未明、■■県■■市郊外の禁足地あー38の付近を血まみれの姿で徘徊していたA山氏を地元住民が通報。A山氏から基準値を超える霊毒が感知されたため、警察から組織へ通報。朱雀機関D級調査員■■氏が取り調べを行う。
A山氏 : いや、驚きましたね。まさか、■■■■■の地下にこんな秘密基地みたいな場所があったなんて……。あんた達、本当に警察?
調査員 : 申し訳ありませんがあなたの質問には一切答えられません。ですが我々に協力していただけるのなら、必要な措置を受けて頂くことを前提にある程度、自由な暮らしを送って頂けるよう手配できるかもしれませんよ。
A山氏 : いや、お気遣い頂いて申し訳ないですけれど、俺はもう終わりです。あんた達に見つかって拘束されている間にタイムリミット過ぎちゃいましたからね。推し活失敗ですよ、ハハハハ。
調査員 : ……。
A山氏 : まあ、何でも聞いてください。今さら隠し立てするようなこともありませんから。
調査員 : では、まず最初の質問から――。A山さん、あなたの顔や衣服にこびりついたそれはどなたの血ですか?
A山氏 : これですか? 返り血です。その、ゆかっぺの……?
調査員 : ゆかっぺ?
A山氏 : あ、すみません。ゆかっぺって言うのはO本さんのことで――俺の彼女です。
調査員 : ……ではA山さんはご自分の彼女を殺害した、ということですか? 喧嘩でもなさったとか?
A山氏 : いいえ、別に? 俺ら喧嘩なんてしたことないですよ? ゆかっぺは所謂幼馴染ってやつでいい子でして。自慢じゃないけど、俺の頼み事は大概聞いてくれてたんですよねぇ。(照れ笑い)
調査員 : では単刀直入にお聞きしますが――、この数か月、およそひと月ごとにあなたにとって親しい人が行方不明になっていますよね? 最初はあなたのお母さま、その次は高校時代の恩師T中先生、そして先月はご友人の――。
A山氏 : 違いますよ、N野はただの友達じゃない。俺の親友です。アイツとはお互い部活で補欠だった頃から支え合ってきた仲ですからねー。友人なんて言葉じゃ少し軽いですよ?
調査員 : では、どうしてあなたはあんなことを――。
A山氏 : だから、違うんですよ。みんなには「プレゼント」になってもらわなきゃいけなくて。だけど、生きたままじゃ苦しいでしょう? 俺にとって大切な人達ですから、だから……。
調査員 : 殺して沼に沈めた?
A山氏 : ……。
調査員 : A山さん、もう一度訊かせてください。どうして、あなたはご家族やお友達、そして恋人を殺したんですか?
A山氏 : だから――推し活ですよ、推し活。自分にとって本当に大切な物を捧げてこそ本当のファンだって聖子ちゃんにも言われましたからね。
調査員 : 聖子ちゃん……?
A山氏 : 嫌だなぁ刑事さん。清水聖子ちゃんですよ。俺、心霊スポット巡りが趣味でしょ? その時、初めて聖子ちゃんのことを知って。分かります? それ以来、俺、聖子ちゃんにはまっちゃって。もう大変ですよ。
調査員 : はあ……。
A山氏 : 毎月、聖子ちゃんにおねだりされるまま、「プレゼント」を用意するのはお金がかかるでしょ? もう自分の人生とか考えている場合じゃないんですよねー。
調査員 : すみません。芸能界の方々に疎い私には何の話だかサッパリでして――。
A山氏 : (短い沈黙の後)……アハハハ。その方がいいですよ。アイドルへの推し活はヌマってことです。アハハハハ……。
コメント
1件
うわっ……これ、めっちゃ重い展開……😥 でもその重さがたまらないんですよね。 インタビュー形式って珍しいし、読み手をぐっと引き込む工夫がされてて好きです。「推し活」って言葉をここまで恐ろしく使える感性、すごいなって思いました。A山さんの軽い口調と内容のギャップがゾッとする……続きが気になる😶🌙
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