テラーノベル
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店に入るとそこには欲に塗れた大人で充満していた。
そこかしこに美人と汚らしいジジイ。
まさに理性を忘れた者だらけだ。
とりあえず席につき、ジュースを注文した。
するとこれまた美人が彼にジュースを注ぐのである。
そして彼の隣に座り、「どこからいらしたの?」
などと彼に質問し続けるのだ。
彼は無愛想に答え続け、美人は彼に触り、
彼はみるみる顔が歪むのである。
これは彼が性欲というものを持っていた人間であるということを証明することなのである。
美人はお酒を注いでなどと彼を口説き、大量の酒を奢らせた。
彼はまんまと美人の誘惑に乗せられたのである。
ふと1時間ほどいるので彼がもう帰ると言うと美人はサッとお勘定を計算し、
たったの1時間で五万と請求したのだ。
だが彼はお金はあるので払い、店を出た。
彼は美人が彼を好きになっているんどと勘違いをしていた。
だがすぐに美人は別の客へつき、またその客にも彼と同じようにベタベタするのだ。
なるほど、と彼は呆れた。
美人は全く客には興味などあらず、客の財布のことだけが心配なのである。
今一度彼はこの世の汚染された人間の欲望に気付かされ、
その後の旅があまり楽しいものでもなくなったのだ。
2時間後、彼は家の者に発見され、家に戻された。
彼は自由を一度、手にしたが思うほど楽しいものでもないのだ。
彼には自由など到底必要もない。
彼にこの世は似合っていないのだ。
彼はもう少し、理性があり、論理的な世界に生まれ変わるべきなのだ。
彼にそんな思想ができ、いつしか彼は死について考えるようになった。
もう彼も18歳に近づき、結婚の時期も決まってきた。
そこで彼と彼女は一度、遠くへデートすることになったのだ。
彼はそんなデートなんぞごめんだと断りたかったが彼女が拒むのである。
仕方なく彼はデートをすることになった。
彼が待ち合わせの駅へ着くと、彼女は一段とオシャレを決め込んでいた。
彼はあのキャバレーで見た美人よりは下だなと感じた。
彼女は髪も決め、化粧までしてる様子である。
こんな女を好きにならない者は相当な無礼者である。
だが彼にはそんなこと知ったこっちゃないのだ。
彼は今、どうして自然死に似た自殺をするか考えているのだ。
彼女は彼の腕を掴み、「行こっ」などと可愛げのある女の子のように演じた。
彼は言われるまま、彼女について行き、
ただ遊園地を遊んだ。
彼は彼女の様子を見て、気を変にしたのか、少し優しくなっていた。
彼女は嬉しそうであった。
もう日も暮れ始め、最後に観覧車に乗った時である。
彼女は彼の目をまっすぐと見、彼に言うのである。
それは本当の言葉であった。
彼女は本当に彼に惚れたのだ。
彼はあまり本気にせず、許嫁だしな、などと思い、
「ああ、」と曖昧な返事をするのだ。
彼にとって彼女はあまり興味のない者なのだ。
彼女はそんな彼の気持ちに気づき、ただ黙っていた。
次の年、彼らは結婚した。
もう頃合いである。
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