テラーノベル
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【プロローグ】
。 .:・.。. .。.:・
関西は奈良と大阪の間の山脈、信貴山の懐に、その湖はひっそりと横たわっていた
この奥の小さな神社に参拝に訪れる者は、まずこの湖にかかる桟橋を渡らねばならない、木造りの橋は古く、踏むたびに軋んだ音を立てるが、今宵はその音すらしない
真夜中の湖面は黒曜石を溶かし込んだように深く沈んでいた、月明かりも雲に遮られ、対岸の闇と水面の闇の境界すら定かではない
風もなく、木々の葉音もない・・・ただ、いつもの静寂だけがそこにあった
一匹のトンボが音もなく水面に降り立った、糸のように細い脚が、鏡のような水を撫でる
同心円状の波紋がひとつ、ふたつと広がり、闇の中に消えていき、再び水面は静寂になった
次の瞬間
――ゴボリッ――
湖の底から何かが押し上げてくるような音がした、水面がこんもり盛り上がり、そこだけが生き物のように突き出た
――ゴボ、ゴボゴボゴボ・・・―
まるで湖そのものが、深いところで何かを呑み込み、今また吐き出そうとしているかのように、あるいは忘れられていた何かが、ようやく浮かび上がろうとしているかのように、水面は盛り上がって何かを吐き出した
そして波紋はやがて桟橋の柱にまで届き、木を微かに揺らして――消えた
湖はまた、何事もなかったかのように黒く静まり返り
いつもの静寂が、また戻ってきただけだった
#ドラマ
星キラリ

70
2,264
#闇
ruruha
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183
コメント
1件
ああ、これはすごくいい雰囲気だ……。湖面の描写がものすごく繊細で、まるで自分もその桟橋に立ってるみたいな臨場感があったよ。特に「黒曜石を溶かし込んだような水面」っていう表現、めちゃくちゃ好き。夜の湖の重くて深い質感が伝わってくる。 それにしても、最後の「何事もなかったかのように」って締めが不気味でいいね。波紋が消えたあとに戻ってくる“いつもの静寂”が、もう違うものに感じられる。何かが確かにあった、でも表面には何も残ってない……ミステリーの始まりとして完璧な導入だと思う。 盗作ってタグも気になるな。この湖に沈んでるのは証拠なのか、それとも別の何かなのか。続きが楽しみ。