コメント
2件
やっぱり海斗さんと美月ちゃんがフェスの後に来たホテルだった✨ 岳大さんの叔父様だったとわ🤩 優羽ちゃん❣️結婚するんだから一緒のお部屋よ〜😊
当然だよ、優羽ちゃん💓婚約者なのに別の部屋だと尚更おかしいよ🤭 それにしてもさすが岳大さんの叔父さん、お人柄も優しさも兼ね備えた魅力的な方で優羽ちゃんも不安が無くなってよがったね😊 次は流星君も連れて温泉や🌌を眺めに来て叔父さんにもご挨拶だね🎶 今晩はお料理、温泉♨️、星空🌌そして…ムフフ💓 岳大さんの愛❤️を一心に受けたら睡眠時間が心配だね、優羽ちゃん🤭❤️🩷岳大さん、優羽ちゃんに無理させないでね😘
レストランを出た後二人はホテルを目指した。
チェックインの3時頃はホテルが忙しい時間なのでその少し前にホテルへ着くようにする。
車はカーブのある坂道をグングン上っていき標高が高くなってきた。道の両脇に並ぶ葉の落ちた樹々には雪の花が咲き乱れその純白の花々は太陽光に反射してキラキラと輝いていた。
坂を上り切るとホテルの看板が見えた。看板の脇へ右折すると更に車はグングンと進んで行った。
しばらく行くと森の中に入りやがて開けた場所へ出る。
そこには丸太造りの瀟洒なホテルが佇んていた。自然に溶け込んだ素敵なホテルだ。
森に囲まれた大人の隠れ家といったところだろうか?
「素敵なホテルですね」
「ありがとう。叔父は昔からセンスがいいんだよ」
岳大は嬉しそうに笑った。
岳大に聞いた話では岳大の叔父は20年前に妻を亡くしている。二人に子供はいなかったので妻亡き後はずっと独りらしい。
とても仲が良かった夫婦なので叔父は今でも叔母の事を愛しているのだろうと岳大は言った。優羽はその話を聞きとても切なく感じたがこの世に永遠の愛がある事を知り感動していた。
車を駐車場に停めると二人は車を降り荷物を持ってホテルの中へ入った。
吹き抜けの広々としたロビーは解放感に溢れモダンな雰囲気でとても素敵だった。ロビーの中心には吊り下げ式暖炉がありその柔らかな炎が全体の空気を暖めている。
一番奥のガラス張りの窓からは雪をかぶった八ヶ岳の峰々が一望出来る。まさに絶景だ。
あまりにも素敵なホテルだったので優羽はうっとりとため息をついた。
岳大がフロントへ近づくとスタッフが笑顔で声をかけた。
「佐伯様いらっしゃいませ。お待ちしておりました。今オーナーをお呼びしますのであちらのソファーでお待ち下さい」
「ありがとう。お世話になります」
岳大は笑顔で挨拶をすると優羽を連れてソファーへ向かった。
しばらくしてフロントの奥から60代前半くらいの白髪交じりの男性が姿を現した。
男性は仕立ての良いスーツをパリッと着こなしとても紳士的な男性だった。
「岳大よく来たな! 2年ぶりか?」
「叔父さんお久しぶりです。またお世話になります」
男性は笑顔で頷く今度は優羽を見てにこやかに言った。
「こちらがそのお嬢さんだね。初めまして、岳大の叔父の佐伯修二と申します。岳大の父親の弟にあたります」
「初めまして、森村優羽と申します。よろしくお願い致します」
優羽がお辞儀をすると修二は手を出して優羽と握手をした。それからキョロキョロと辺りを見回して言った。
「あれ? お子さんは?」
「流星君は保育園のお泊り会があるから二人で来たんだ」
「なんだ、おちびさんにも会えると思っていたのに残念だなぁ。是非今度は一緒に連れて来て下さいよ」
優羽はホッとしながら笑顔で頷いた。
岳大は優羽に子供がいる事を前もって修二に話してくれていたようだ。優羽は自分が子持ちなのでもしかしたら結婚に反対されるかもしれないと心配していたがそんな心配は必要なかったようだ。
それどころか修二は流星に会えるのを楽しみにしていたようだ。優羽は嬉しくて思わず顔が綻ぶ。
三人はロビーの隅にあるカフェコーナーへ移動した。
椅子に座ると修二がコーヒーとケーキを頼んでくれた。三人はコーヒーを飲みながらしばし談笑した。
「優羽さんは以前は東京にいたんだって?」
「はい、しばらく新宿のデパートで働いていました」
「そうですか。でも二人が出会ったのは立山なんだよね?」
「そうなんだ。東京では結構近くに住んでいたみたいなんだけどね」
岳大は修二に二人が同じ沿線に住んでいた事を話す。
その後は優羽の家族の事や岳大が長野へ移住した話、店のオープンについてや岳大のテレビ出演の話などで盛り上がる。
修二はこの辺りの観光地についてやホテルから見える星空がとても素晴らしい事等を優羽に丁寧に説明してくれた。
気づくとあっという間に二時間近くが過ぎていた。
「そろそろ若いお二人を開放してあげないと意地悪叔父さんになっちゃうな」
修二は笑いながら席を立った。
優羽はあまりにも楽しい会話に夢中になっていたので時計を見て驚いた。
優羽と岳大が席を立つと修二は真剣な表情で優羽に言った。
「優羽さん、どうか岳大の事をよろしくお願いします」
修二は改まって優羽に頭を下げる。
「こちらこそよろしくお願いいたします」
優羽も深々とお辞儀を返した。その後三人の間に笑い声が響く。
「あとはお二人でごゆっくり! 冬はひっそりと静かな場所ですが温泉と料理は一年中自慢の宿ですからどうぞ楽しんで下さい」
修二は二人にそう告げると笑顔で奥の事務所へ戻って行った。
「素敵な叔父様ですね」
「うん。若い頃は相当モテてたっておやじが言ってたよ」
岳大はそう言って笑った。
スタッフが持って来てくれたカードキーを手にし岳大が部屋へ向かったので優羽も後をついて行く。
部屋は二階の一番奥の部屋のようだ。二人はロビーの端にある階段で上がる事にした。
その時優羽は岳大がカードキーを一つしか持っていない事に気付く。
その途端優羽の心臓がドキドキと高鳴り始めた。