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私は個人で絵のモデルをやっている。今日はちょっと遠出して、地方の絵画教室でお仕事をした。お目当ては温泉だ。

お仕事は順調に終わり、夜になり、いよいよ温泉に入ることにした。ここは普通の温泉だけでなく、川の中に温泉がある。ちょっと恥ずかしいけど、人もほとんどいないのでチャレンジしてみた。

「うわーっ! 気持ちいい!」

思わず声が出てしまった。川の中のお湯に浸かってみると、少し温めの温度で、それがこの時期にはちょうどよかった。水着禁止なのがちょっと恥ずかしいけど、まあ誰もいないし、いっか。

と、思っていたら、しばらくして人が近づいてきた。小学生くらいの女の子だ。

「こんにちは」

私が挨拶すると、その女の子も笑顔になって言った。

「こんにちは」

その子は服を着ているし、温泉に入りに来たわけではないのかな? よく見るとその子は箱のようなものを持っている。虫かごというか、小さな水槽のようだ。

「それ何?」

気になったので聞いてみる。

「お魚です」

「へえ~」

なるほど、水槽の中には、メダカのような小さな魚が入っている。ここはお風呂だから生き物を持ってきてはいけないとおものだけれど、この子はまだ小さいからわからないのだろう。

でも、そのお魚、どうするつもりなんだろう? と、思ったら、女の子はおもむろにその魚を温泉に入れてきた。

「え!?」

驚いている私の前で、その魚たちは泳ぎ始める。

「あの……これ、大丈夫なの?」

私は恐る恐る聞く。

「はい。ここのお水はとてもきれいなので、お魚さんたちも元気ですよ」

女の子は無邪気にそう答えた。

「でも、ここ温泉だよ? お湯なのに、大丈夫なの?」

「はい。このお魚さん、温泉に住む子たちなのです」

「ええ……」

私は困惑する。でも、そういえばそういえばそんな魚がいると聞いたことがある。確か、ドクターフイッシュとかいうんだっけ。女の子はそのドクターフィッシュの入った小さな水槽を手に持って、温泉の中にはなった。そしてそれは私の足に群がってくる。確かこの魚たち、人間の角質とかも食べてくれるんだっけ……。

と考えてたら、魚たちは、私の足を突っつきはじめた。

「ひゃあっ!」

突然のことに変な声が出てしまう。しかし女の子はまったく意に介さず、無邪気に声をかけてくる。

「お魚さん、温泉に入って気持ちよさそうだね!」

「そ、そうなんだけど……」(続く)

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