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見ているだけで、昨夜は活躍し損ねたモノが、今度こそはと勃ち上がる。
触れなくても、眺めながら抜けそうだ。
だが、手を伸ばせば触れられて、口づけられるのだから、そうしない理由はない。
酔っているからか、恥ずかしいからかは、薄暗い部屋ではわからないが、椿は顔を背けた。が、嫌がっているようではない。
俺はゴクッと喉を鳴らし、自らのシャツのボタンを外すと脱ぎ捨てた。ベルトも外し、ファスナーも下ろす。
歪に膨れたボクサーパンツ一枚の姿になり、ベッドに上がった。
「椿……」
膝立ちになって椿を抱き締める。
肌と肌が触れ合うことが、これほど心地良いと感じたことはなかった。
「ひょうさ――」
彼女の吐息が肩をくすぐる。
そして、ぎこちなく彼女の腕が俺の背に回った。
「――気持ちいい」
「俺も」
だが、もっと気持ち良くしたいし、なりたい。
俺は身体を引いて椿と距離を取ると、腰を曲げてキスをした。
額に、唇に、瞼に、唇に、頬に、唇に。
それから、唇を食み、舌を差し込む。
出迎えた彼女の舌に自らを絡ませる。
「ふっ……ん」
肩を抱いていた両手を滑らせ、片手で胸を揉み上げ、片手で腰を撫でる。
触れられることを期待していた胸の尖端は既に硬く、指の腹で円を描くように撫でると、腰が揺れた。
その間も、キスは続く。
「だめ……っ」
「イヤ?」
絶対の自信をもって聞く。
女の『だめ』が、『イヤ』とイコールでないことはわかっている。
「シーツ……汚しちゃ――」
なるほど。
俺は椿の腰を抱き寄せ、肩を支えるようにしてベッドに押し倒した。
ついでに彼女の足を割り開き、間で正座する格好になった俺の脇に抱えた。
黒髪がシーツに広がる。
前屈みになって、両胸に触れた。
同時に尖端をこねると、椿の口から小さく「あんっ」と甘い息が漏れた。
堪らなくなって、片方を咥える。
舌先でチロチロと舐め、吸い付く。
「ひゃ……ぁんっ!」
空いた手は腹を撫で、尻を揉み、太腿を通って目的地にたどり着く。
柔らかい膨らみを撫で、ゆっくりと上下に擦る。
久し振りだから、昨日はお預けだったから。
適当に理由を挙げてみても、自分がこんなにも興奮し、焦っている理由とは違う。
好きな女の身体だから――。
もっとじっくり、とろっとろに蕩けさせたいと思う一方で、今すぐに彼女の膣内《なか》に挿入《はい》りたい、めちゃくちゃに突き上げたいとも思う。
自身の先端がジワリと湿るのを感じた。
「ひょ――さ……」
椿がシーツを手放し、手を宙に伸ばした。
「ごめんなさ……」
「何が?」
「慣れてなくて」
気持ち良さそうに目を細め、浅く激しい呼吸の合間に、椿が言った。
「慣れてる方が嫌かな」と、俺はフッと笑った。
「俺の方こそ、ごめん」
「あ……っん! えっ!?」
「余裕、なさ過ぎて」
「そんなこ――っ」
椿の両足を肩に載せ、指を這わせていたソコに、今度は舌を這わす。
「ひゃっ――!」
彼女の愛液を指に絡め、ゆっくりと挿入した。
「ふっ……ん! んんっ!!」
彼女の下腹部に力が入り、痛いのだとわかったが、やめられなかった。
早く受け入れて欲しくて、ゆっくりと指を進めていく。
温かいがガチガチに締め付けてくるソコに挿れたらと思うだけで、じわじわと先走りが滲み出る。
「あ、あっ!」
指から意識を逸らそうと、大きく舌を動かし、吸い付くと、指の締め付けが緩んだ。
それを見逃さず、ゆっくりと指を引く。そして、押し入れる。
時間をかけたつもりだ。
俺には何時間にも感じた。
実際にはそうでもなかったのかもしれない。
それでも、俺は焦れに焦れていたし、椿の膣内《なか》は指二本を挿れて感じるほどになっていた。
なにより、これ以上イクと眠ってしまうのではないかというほど、疲れているように見えた。
とにかく、それくらい蕩けさせた。
ようやくボクサーパンツを脱いだ時には、漏らしたのでは疑われても仕方がないほどの染みが出来ていた。
何年前のかわからないコンドームを装着し、胸を上下させて呼吸を繰り返す椿の足を開く。
「好きだ、椿」
少しでも痛みが和らげばと、キスをした。
すっかり慣れた彼女は、自然と口を開く。
舌を絡め合い、彼女の手が俺の首にしがみついた。
潤んだ入口に押し当てるだけで、すんなりと飲み込まれた。
これは……ヤバッ――!
椿がどう感じたかはわからない。
だが、俺にとっては間違いなく最高の瞬間で、最高の具合だった。
挿れただけで身震いしてしまうほど、ぴったりと、当然のように納まった。
相性がいい、と言ってしまうと軽薄な気がしたが、他に適当な言葉も見つからなかった。
優しくしたかったのに、そんな余裕を根こそぎ持って行かれて、散々突き上げ、あっさり果て、呼吸も整わないまま、また彼女の膣内へと戻っていた。
一度目よりも時間をかけて、椿がいい加減イキ疲れた頃、カーテンの隙間から朝陽が差し込んでいた。
汗でべとつく身体を寄せ合い、今度こそ目が覚めても離さないと、強く抱き締めて眠った。
興奮冷めやらぬ俺の方が先に目を覚まし、ゆっくりと開いた碧い瞳が俺を写すのを見ていた。
「おはよう」
「……っ!」
目を見開き、唇を震わせる椿が可愛くて、思わず唇を食んだ。
昨夜はあんなに自然と開いてくれた唇はしっかりと閉じられて、俺を受け入れてくれない。
彼女の動揺は見て取れたから、仕方がないと唇を離すと、椿が勢いよく起き上がり、後退った。
「椿?」
「わ、わた……しはなんていうことを――っ!」
タオルケットで身体を隠し、わなわなと震えだす。
この様子では、どこまで憶えているか。
昨夜の彼女の泥酔っぷりから、記憶がない可能性も確かに覚悟していた。
それでも抱いたのは、俺の気持ちに迷いがなかったから。
だから、目が覚めて、酔いが醒めた彼女に伝えることにも、何の迷いもなかった。
「椿、俺は――」
「――せっ! 責任を! 責任を取らせてください!!」
『きみが好きだ』
俺の告白は、椿の土下座によって行き場をなくしてしまった。