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この小説はわたしの現実を再現しています。
暖かくご覧下さい。
6月15日。
確かこの日は晴れで、星も見えないような夜だった。
スマホの画面がやけに明るくて、部屋はそれ以外、全部静かだった。
いつも通りの夜の配信。
特別なことなんて何1つない。
リスナーは少なめで、コメントもぽつぽつ。
わたしは笑って、歌って、拗ねて、
いつも通りの私。
その時、見慣れた名前が画面に見えた。
『大和が入室しました』
ただそれだけ。
それだけなのに、わたしの心臓は大きく跳ねた。
「大和さんいらっしゃい!
あれ?ねぇもしかしてだけど同じ学校の子?」
わたしはいつも通りに、挨拶して質問をした。
そうすれば、大和は返信してくれた。
その一言で、世界が少しだけ変わった。
大和はすごく優しかった。
私と話すのも勿体ないくらい、優しい。
大和は見てた。わたしを。
歌も、声も、拗ねた言い方も、全部。
あーあ。
私、この人に見られたいって思ってる。
選ばれたいって思ってる。
その夜、配信が終わった後、
わたしは気づいてしまった。
好きだ。
たぶん、もう戻れないくらいに。
6月15日。
それは、恋を始めた日じゃない。
自分の弱さを知った日だった。
大和には既に彼女だっていたし、
これで私が好きになったらだめだ。
そう何度も、頭で繰り返した。
大和は優しい人だから
大和の彼女さんは幸せだろうな。
大和みたいな人が世界に何人もいれば、
みんな幸せなのにね。
なんて思った自分が馬鹿だった。
未来がああなるなんて、
誰もが予想してなかったことだろう。
その配信が続くことに、
私は最悪な未来を
作り続けているとは知らずにね。
大和はその日から毎日おはようメッセージをくれた。
学校行っても、「偉いやん!」と一言。
学校が終わっても、
「お疲れ様!よく頑張ったね!
偉いよ!これからも頑張ってこ!」と。
どうしてそんな思わせぶりな行動ができるの?
大和、彼女いるんでしょ?
なんてことはもちろん言えずに、
わたしは大和の沼にハマった。
わたしは好きになったらいけない人を好きになったんだ。
そして、その好きも、
好きではなく、愛に変わった。
その愛が、やがて私自身を壊すものだと知らずに。