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二酸化炭素
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#日常組
ふゅう@低浮上
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推しで世界を支配する
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#天乃絵斗
皐月
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第1話「本当は、」
生まれた瞬間から、人生のレールが敷かれていて。
大体その道を創るのは母親だった。
物心ついた時には塾へ行っていた。
私立の幼稚園、小学校、中学校。
周りからは「おぼっちゃま」なんて冷やかされて。
居心地がいいとは思えなかったが、何時でも母親は自慢げに笑みを浮かべていた。
「らだおちゃんは完璧な子なんだからね。」
「私の言うことを聞いていれば、大人になって後悔しないわ。」
最初は純粋に、母親に従っていれば幸せだと思っていた。
最初は。
「……ねえ?何この模試の結果は。」
「…ごめんなさ、」
「これじゃあ目指してる高校に行けないわよ。」
「……はい、」
「これじゃ当分遊びに行けないと思うけれど、自分のせいだからね。」
「…はい、」
母親はどんどん厳しくなっていった。
“完璧”を保つのが母親にとっての理想で、それに自分が当てはまっていない時は人が変わったように怒った。
もっと友達と遊びたい、ゲームしたいなんて、言えなくなっていった。
「本当は、警察官になりたかった。」
誰にも聞こえない、自分が唯一素直に出せた最初の願い事だった。
7月7日、七夕の日。喧騒とした商店街の真ん中に、短冊と笹の葉が置いてあった。
「消防士になりたい。」
「けーきやさんになりますように」
「プロポーズ成功しますように。」
各々が自分がしたいこと、なりたいものを書いていた。
これだったら。
『警察官になりたい。』
黄色の短冊にそう書いて、名前を書かずに吊るした。
なれていたら。
理想が現実にできたなら。
本当は、もっと自分が好きなこと、出来たはずなのに。
そして俺は、母親が行っていた第1志望の難関校に落ちた。
母親に初めて叩かれたのもその日だった。
「なんでよっ!!!ここまで塾にもいい中学校にも通わせたじゃない!!!!」
ジンジンと、頬に熱が籠った。
「なんで、なんでお母さんの言うこと聞けないの?!」
「今までお金をかけたのが馬鹿みたいじゃないっ!!!!」
「……………………」
ごめんなさい、
つぎはもっと、
もっと、
お母さんが求める“俺”で居るから。
そして俺は、いつの間にか夢を忘れた。
このお話はフィクションです。
囚われた青色は鬼と化して
第2話「出会い」
お楽しみに。
コメント
1件
ああ、もう……胸がぎゅっとなりました。主人公の「本当は警察官になりたかった」という短冊、あれがすごく刺さりました。誰にも言えない本音を、名前も書かずにそっと吊るすしかなかったんだなって。母親の期待に押しつぶされそうになりながら、それでも「お母さんが求める俺でいるから」と自分を♡♡♡てしまうところが、あまりにも切なくて。第2話でどんな出会いが待っているのか、今からすごく気になります。皐月さんの描く心情の機微、とても好きです。