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わぁん😭🩷🩷🩷 皆様おひとりお一人が自分の出来ることで心を込めて準備して🥹✨メッチャ素敵〜🍀🍀🍀 花婿さん花嫁さん最高に幸せやね🥹🍀🍀🍀
キレイな花嫁さんの登場にみなさんどれだけびっくりするんだろうな〜ꙨꙻꙨꙻ きっと岳大さんはその側でやり切って充実感いっぱいの優羽さんが眩しく見えるんだろうな✨
ご結婚おめでとう🎈食堂もお料理も花嫁さんのヘアメイクも記念写真も…何から何までまさに手作りの結婚式なんて言葉に尽くせないくらい素晴らしい👰♀️💒👨❤️💋👨
翌日の午後、山荘は慌ただしい雰囲気に包まれていた。
結婚式は夕食前の午後五時から始まる予定だ。
結婚式が行われる食堂では式に向けての準備が着々と進められていた。
テーブルの位置を変え室内を飾り付ける。
会場の配置や飾りつけはパートの伊藤と田中が担当した。
この日休みだった舞子は、花嫁のブーケを作って式の前に持って来てくれる事になっていた。
そんな中、午後二時頃岳大と井上が山から戻って来た。
二人は部屋に戻った後そのまますぐに温泉に行き汗を流す。
温泉から部屋に戻る途中、食堂を覗いてその変貌ぶりに驚いた。
テーブルには真っ白なテーブルクロスがかけられ、可憐な花が飾られている。
山荘の食堂は見事に結婚式場へと変わっていた。
岳大は部屋で一休みした後、カメラの三脚を食堂に設置し始める。
結婚式を動画で撮影して新郎新婦へプレゼントしようと思ったのだ。
その時岳大はオーナーの山岸に新郎新婦を紹介された。
内田とひとみは、プロの写真家が写真を撮ってくれると聞きかなり感激していた。
食堂の調理場では三橋が腕を振るっていた。
ウェディングケーキは既に完成していた。
ケーキは三段で真っ白な生クリームに覆われ、一番上にはフルーツと花が飾られている。
そしてその花の間にマジパンで作ったリュックを背負った男女の人形が添えられていた。
これは二人をモデルに作られたもので、三橋からの心憎いお祝いのプレゼントだった。
三橋がこの日の為に用意した料理は洋風懐石で、お重に綺麗に詰められていた。
コース料理だと運ぶ人が必要になり手間なので、あえてこのスタイルにした。
お重に詰められた料理の数々は、どれも彩り鮮やかでまるで宝石箱のようだ。
東京のホテルで働いていた三橋の料理のセンスと腕前は、本当に秀逸であるという事がここで証明された。
一方、優羽は空いている部屋を花嫁の控室にしてワンピースやヴェール、化粧品等を運び込む。
花嫁になるひとみは、温泉に浸かった後優羽が待つ部屋へやって来た。
そこでひとみが優羽に言った。
「こんな素敵なワンピースまで貸していただき本当にありがとうございます。私、普段はメイクをほとんどしないので本当に
助かります」
花嫁のひとみは、中学校で体育の教師をしている体育会系女子だった。
普段メイクはほとんどしないという事なので、かなりやりがいがありそうだ。
ナチュラルな女性ほど手を加えると別人のように変わる。
優羽はひとみにメイクをするのが楽しみだった。
早速優羽はメイクを始める。
まずは化粧ののりを良くするために、マッサージクリームを使ってマッサージを始めた。
「こうすると、顔のむくみもとれて化粧ののりも良くなるんですよ」
「気持ちいいです。人にやっていただくのってなんだかすごく贅沢ですね」
「花嫁さんは主役なんですから、今日一日はお姫様気分でいて下さいね」
優羽は微笑みながら言う。
マッサージが終わると、いよいよメイク開始だ。
下地クリームを塗り丁寧にファンデーションを塗っていく。
山焼けでそばかすのあるひとみの肌が、一気に滑らかな肌へと変わっていく。
その上にパウダーをはたくと、さらに透明感が増して肌が輝き始めた。
優し気に見えるようアイブロウで眉を整え、アイラインを丁寧に入れていく。
元々目鼻立ちのくっきりしたひとみの顔はそれだけで華やかさを増した。
陰影をつけながらアイシャドウの色をのせていく。
そしてビューラーでまつ毛を立ち上げたっぷりとマスカラを塗ると、さらにひとみの目元がぱっちりとした。
ノーズシャドウを入れて鼻筋を際立たせた後、最後に頬に薄ピンクの頬紅を載せる。
そして花嫁メイクが完成した。
メイクを終えた優羽は一歩後ろに下がるとじっくりとひとみを見つめる。
そしてうんと頷く。
初めて人に施したブライダルメイクにしては上出来だった。
優羽はひとみに鏡を渡して言った。
「出来ましたよ」
ひとみはおそるおそる鏡を覗き込む。
「うわーっ、これが私なの? 別人みたいです。ステキ! 優羽さんありがとうございます」
ひとみはあまりの変貌ぶりに驚いていた。
そしてよほど嬉しかったのだろう。その後何度も鏡を見ては嬉しそうにニコニコとしていた。
式の時間も迫っていたので、優羽はひとみをワンピースに着替えさせてから今度はヘアスタイルを整える。
肩下まであるひとみの長い髪を丁寧にブラッシングした後、髪を一つに束ねてからアップにした。
アップスタイルはひとみのリクエストだ。
アップにするとひとみの細い首が強調されてとてもエレガントだ。
持ち上げた髪を後頭部のトップでふわっとまとめると丁寧にピンで留めていく。
そして昨夜優羽が作ったバラのモチーフと共に、髪にレースのヴェールを固定した。
これで完成だ。
あり合わの物で仕上げたとは思えないほど、とても美しくエレガントな花嫁が完成した。
鏡で全身を見たひとみは、感激して思わず泣き出す。
「泣いたらお化粧が崩れちゃいますよ」
優羽は優しく言うと、そっとひとみの涙を拭った。
「ありがとうございます。こんなに素敵にしていただいて……」
ひとみは泣きながら優羽に礼を言った。
優羽の方こそ、素人の自分がしたメイクやスタイリングでこんなにもひとみが喜んでくれたので、
感激で胸がいっぱいだった。
そしてひとみが落ち着いたところで、二人は食堂へ向かった。