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#オリキャラ
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桜城
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#ファンタジー
comi
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コメント
1件
うわぁ……今回もめちゃくちゃ重くて引き込まれた🥀💔 リヴァンの「復讐」って言葉、ただの恨みじゃなくて、世界そのものを呪うような狂気が滲んでて怖かった。感情で魔物を操るっていう設定もゾクゾクするし、それに立ち向かう三人の絆が熱い……!ギル・グラギラスの“笑う”描写、あれ本当に鳥肌立ったよ。続き、どうなるんだろう……!🤍
――薄暗い首相府の官邸指令室
ホログラム越しに、転送ステータスのゲージバーが50%・60%……とじわじわと上昇していく。
画面には《G・G改良体 No.β》の名が浮かんでいた。
「……さあ、スメラ。ラッセル。カーン。どれほど足掻こうとも、ここは、私の庭だ」
冷たい独白が、宙を這う。
わずかに乱れた息を整えリヴァンは眼鏡の位置を指先で直す。
リヴァンの瞳が赤黒く揺らぎ冷たい笑みが浮かぶ。
「私を産み落としたこの世界そのものに、復讐の裁きを下す贖罪だ」
赤黒い光がホログラム越しに揺らぎ、指令室の闇を染め上げていった。
扉の向こうからラマズドとカリムが現れた。
「閣下。これより、ギル・グラギラスに、どうか、意思を伝達くださいませ」
ラマズドが操作端末を差し出す。
「こちらが脳波コネクターです。そして、こちらが操作用ホログラム。リヴァン様の意思と感情が“波動”としてギル・グラギラスに伝達され、ギル・グラギラスの細胞中にあるエルフエナジーが活性化し、戦闘能力が増幅する仕組みでございます」
「つまり、感情で魔物を操作するというわけか」
「はい。いわば、バーチャル・神経リンク・コントローラーでございます。
リヴァン様の思考中の脳波はAIによって解析され、データ化されます。それを特殊な処理によって“思念波”へ変換し、ギル・グラギラスへ直接送り込むのです。送り込まれた思念波は、ギル・グラギラスの神経系とエルフエナジーに作用し、攻撃・防御・回復――それぞれの行動へリアルタイムで変換されます」
ラマズドは一瞬、言葉を止めた。
「ただし……まだ研究段階でございます。極稀に、予期せぬ生体反応が起きることもございます」
「予期せぬ生体反応?」
「はい。感情の伝達が、想定していた一方向のものではなくなる可能性があります……」
ラマズドは慎重に言葉を選んだ。
リヴァンは鼻で笑った。
「何かトラブルが起きても構わん。
失敗は学びだ。しっかりデータを取っておけ」
「仰せの通りに」
リヴァンは脳波装置を頭部に装着した。
そして、ゆっくりとホログラムを立ち上げる。
無機質な機械音が響く。
――神経リンク、接続。
次の瞬間。リヴァンの意識が、ギル・グラギラスへと流れ込んでいった。
ギル・グラギラスの戦闘ステータスが淡く青く、空間に展開された。
▲ ホログラム表示内容
攻撃モード/防御モード/回復エレメント
エルフエナジーチャージ
必殺技ゲージ
咆哮抑制率:79%
組織損傷率:0%
エルフチャージ率:31%
淡く光るゲージが、リヴァンの脳波に呼応してわずかに脈動した。
生命力:100%
通信安定度:維持
「《エルフチャージ率》はリヴァン様の脳波パターンから感情波形を抽出し、
波動としてギル・グラギラスに送信されます。抑制率が0%になると通信が断絶し、ギル・グラギラスは自律行動に移行します。制御不能となります。また、組織損傷率が上昇すれば、各駆動系の反応が鈍化します。生命力がゼロに達すれば、戦闘不能となり、ユニットは失われます」
ホログラムAIの音声が冷ややかに響いた。
「ふん。……負ける気はしないが、仮に負けてもそれは次への布石となる」
リヴァンは一歩、前へ出る。
「よし。戦闘前に、三人に“挨拶”をしておこう。こいつは話せるのか?」
「……いいえ。咆哮のみでございます」
ラマズドが答えた。
そのとき、後方でマラーが声を発する。
「スメラが展開した捜索用端末、こちらで信号を傍受しました。
回線を奪い、通信用ホログラムに切り替えます」
「うむ、任せる」
マラーが頷くと、ゼム秘書官へ指示をだす。
ゼムは無表情のまま端末に触れた。画面の中でスメラの捜索端末が静かに、だが確実に挙動を失っていく。ログが巻き戻され、位置情報が歪み、送信パケットが暗転するゼムは口の端を上げ、低く囁く。
「スメラの最期を、きちんと見届けてあげるわ」
♦地下迷宮
焚き火の炎が、湿った空間にほのかな明かりを投げかけていた。パチ、パチ……と薪のはぜる音が、静寂の中でやけに大きく響く。
回想をラッセルたちに話し終えたばかりの彼女の目は遠くの時空をさまようように虚ろになりながらも、スメラはトマトスパゲッティを無言でゆっくりと頬張っていた。
一方、ラッセルとカーンは食べ終えた皿を傍らに置き、
インスタントコーヒーを片手に静かに言葉を交わしていた。
――そのとき。
「ゴォォ……ウゥゥン……」
地の底から這い上がるような唸りが鉄と石の通路全体を震わせた。
焚き火の炎が一瞬、風にあおられたように揺れ、壁の影が怪しく踊る。
「……今の音、聞いた?」
スメラの虚ろだった瞳が鋭さを取り戻し、周囲に視線を走らせる。
洞窟の奥深くから、低く、くぐもった転送装置の作動音が響いてくる。
だがそれは通常の規則的な作動音ではなく軋むように歪んでいた。
「あの音……転送機?」
「……ああ、誰かが強制的に操作した」
ラッセルが低く答える。
スメラが捜索端末を操作した瞬間、
画面がバチバチと火花を散らしてブラックアウトした。
「ねえ……捜索端末が暴走しているわ!」
次の瞬間、意志を持ったかのようにホログラム通信が強制展開される。
蒼白い光に照らされたその像には眼鏡の奥から血走った眼球を光らせた男。
――リヴァン
その目が三人を舐め回すようにゆっくりと動く。
低く、狂った笑いが洞窟の空気を震わせた。
「フハハハハハ! 諸君!
よく生き延びたな……さすがだ!元・私の同志にして、かつての友よ!」
「リヴァン!!」
ラッセルが叫ぶ。焚き火の炎が風にあおられるように激しく揺れた。
「ラッセル君、スメラ君、そして、カーン君。久しぶりだな」
その声は、脳内に直接流れ込んでくるようだった。
人工音声ではない。だが“人の声”でもない歪みきった異質な響き。
「私の“秘密の庭”へ。ようこそ」
リヴァンの声には、狂気と陶酔、そして期待が滲んでいた。
「昔、君たちが以前調査してくれたおかげで、私はついに、この“実験迷宮”を完成させた。一度足を踏み外せば、魔物の餌食となる“生きた檻”。君たちは今、その檻の真ん中にいる」
焚き火の炎が、音もなく揺れた。
その揺らぎの奥で、巨大な“気配”が目覚めつつあった。
「君たちの憎悪、怒り、不信……その感情こそが、私の血となり、肉となるのだ」
リヴァンの声が洞窟に響く。 スメラは震える声で遮った。
「違う。……それはリヴァンの本心じゃない!
“エルフエナジー鉱石と接触してから、あなたは変わった。
その瞳に宿っているのは、あなた自身の意思じゃない……汚された影よ!」
ラッセルが叫ぶ。
「リヴァン! お前には、まだ人の心が残っているはずだ!
争いのない世界を築こうと誓った、あの日を忘れたのか!」
カーンも力強い声で訴えた。
「赤黒い眼……魂を喰らい、人の光を奪う。
お前の中の人間が、もう失われかけている! これ以上頼るな!」
一瞬、リヴァンの目が揺れる。だがすぐに嘲笑で塗りつぶされた。
「裏切り者のカーン君。君だけは最後まで私のそばにいると信じていたのに」
その声音には悲哀ではなく、ねじれた愛着が滲んでいた。
「警護を任せた君が……ラッセルに賛同した。ならばその後悔を、今ここで味わうがいい!」
「リヴァン、やめろ!お前は……お前の心は、魔物になんて負けるほど、弱くはなかったはずだ!」
カーンの叫びが洞窟に響く。
一瞬、リヴァンの瞳に人間の光が戻ったかのように見えた。
だが次の瞬間、狂気の赤に呑まれていく。
「カーン君、理想の世界は、もうすぐだ。私は進化した。遺伝子レベルで争いを制御する社会を創る」
ラッセルが立ち上がり、剣の柄を握りしめる。
「そこで待っていろ! 三人で必ずその暴走を止める! ……どんな形であれ!」
「フハハハハハ! ラッセル君……。君に私が倒せるとでも?」
リヴァンの口元に狂気の笑みが広がる。
背後の進捗ホログラムには《転送率:95%》と赤い数字が点滅していた。
「そろそろ……お別れの時間だ」
「たとえ、君たちが生き延びても、私はその戦闘データを学習する。
君たちの運命はすでに決まっている――“私に敗れる”という運命にな!」
リヴァンは叫んだ。
「さあ、私の優秀な研究員たちが創り出した芸術作品――ギル・グラギラスの餌食になれッ!!」
ホログラムと焚き火の炎が突風に呑まれ、洞窟は闇に閉ざされた。次の瞬間、重く軋む咆哮が岩壁を震わせ、爆風のような圧力波が粉塵を巻き上げる。
暗視ゴーグル越しに三人が捉えた影は、もはや“魔物”の域を超えた異形だった。全身を覆う漆黒の鱗は光を吸い込み、闇そのものと化して蠢いている。
流線形の頭部は古代魚竜を思わせ、赤黒く発光する双眼には、人間に酷似した冷たい知性が宿っていた。
両肩からは脈動する補助外骨格が二対伸び、胸部の半透明の皮膚の奥で青白い神経コアが心臓のように明滅する。
「ゴゴゴゴ……」
低い振動とともに白煙の奥から巨体が姿を現す。
岩を砕き、鍾乳石を踏み砕きながら迫り出す姿に、スメラは息を呑んだ。
「確認された……ギル・グラギラス!」
声は震えていたが、その瞳には怒りと覚悟が宿っていた。
「距離十……いや、もう六メートル!」
赤黒い双眼が三人を獲物のように射抜く。
カーンが閃光弾を放つ――洞窟が白光に染まる。
だが、ギル・グラギラスは怯まない。
むしろ光を喰らうように、その双眼はさらに輝きを増していた。
「効かない……!」
「見ている。……あいつ、俺たちを観察している」
ラッセルが双剣を構え、スメラは弓を番える。
カーンも銃を握り直し、三人の武器が同時に光を返した。
ギル・グラギラスはそれらを順に見渡し、口角をにやりと吊り上げる。
まるで、この戦いを愉しむかのように。
一瞬の沈黙。
洞窟全体が呼吸するかのように軋み、空気が重く沈んだ。
三人は無言のまま意志を交わす。
それは、かつて誓った“命を護る戦い”の再来だった。
「迎撃開始ッ!!」
ラッセルの号令が湿った岩肌を震わせ、洞窟に鋭く響いた。
先ずスメラの弓が唸る。
銀の矢が空気を裂き、
ギル・グラギラスの左眼を正確に狙うが、
巨体は直前で不気味なほど柔らかく身をねじり、
未来を読んだかのような軌道で回避。
矢は岩壁に砕け、鍾乳石を粉にした。
「避けた!? この距離で……!」
すかさず、カーンがカバー射撃。
連射の弾丸が胸部を叩く。
鱗が裂け、肉に届いたかに見えたが、咆哮とともに全身が硬質の鱗で再装甲され、双眼には硬化アイガードが降りた。
「くそ……!」
やがて鱗の隙間から、体内にめり込んだ弾丸が“異物”として押し出され、床に転がる。それでもカーンは撃ち続けるが、弾は重装甲に弾かれ、火花だけが散った。
そのとき、ラッセルの剣が、音もなく抜かれる。その刃は彼の怒りに呼応するように、翠色の光を脈動させる。宿るのは、目の前の怪物を止め、これ以上の犠牲を許さぬという揺るぎない誓いだった。
「もう……これ以上、好き勝手に誰も失わせはしない!」
ラッセルの気迫に応じて、双剣は翠風のように唸りを上げ、光刃が空気を震わせる。それは、仲間を護り、人々を守るために魂が放った“誓いの風”だった。
ラッセルの両足が大地を蹴る。翠光を纏う双剣が、旋風を巻き起こす。
「吹き荒べ――ッ!!」
――一閃。
回転と共に放たれた剣撃が、空気ごと周囲を切り裂く突風を生み出す。
それは斬撃と疾風の複合攻撃――魔導波【ツイン・ウィンドブレイク】
ギル・グラギラスの巨体に命中し、爆音と共に鍾乳洞の岩肌へ吹き飛ばした。
「……効いたか!?」
瞬間、鍾乳石が砕け、ギル・グラギラスの体が地底湖へと転落する。
黒い巨影が湖面に突っ込み、激しい水柱が上がった。
ドォン――!
岩場に叩きつけられた水が三人を濡らす。
ラッセルは荒い息を吐きながら剣を下ろした。
翠色の風光が刃にまとわりつき、なおも揺らめいていた。
しかし、静まり返った湖面が再び波紋を広げた。
「……来る!」
スメラの声と同時に、水面を破って赤黒い双眼が浮かび上がる。
ギル・グラギラスは水飛沫をまとい、無傷のまま姿を現した。
首を傾け、口角を吊り上げる。戦いを“楽しんでいる”かのように。
「くそ……戦闘データを読まれているのか!?」
カーンが舌打ち混じりに叫ぶ。
「読まれていようが関係ない!」
ラッセルが剣を握り直し、翠光をさらに強めた。
「この再び与えられた命――俺は、無駄にはしない!」
翠色の光が双剣から奔流のごとくあふれ出す。
それは烈風となって洞窟全体を駆け抜け、天井を揺らした。
「――必殺技《翠嵐刃》!!」
双剣が赤い軌跡ではなく、翠色の旋風を描きながら振り下ろされる。
烈風が波紋のように拡散し、鱗に翠光の紋を刻む。
「ジュウウッ……!」
焼き付くような風の刻印が走るたび、ギル・グラギラスは咆哮を上げ、後退していった。しかし、背部の外骨格が稲妻を孕み、球状の放電体を生成。尾がしなり、雷鳴とともに射出。
「ラッセル! 放電球、下がって!!」
スメラの叫び。ラッセルは身を翻すが、着地で体勢を、崩し膝をつく。即座に装甲へまとわりついた電流が地へ奔り、爆ぜる音。身体を痺れが貫いた。
「ぐっ……!」
翠色に光った剣が滑り、ラッセルの意識が闇に沈む。スメラとカーンは避雷姿勢で感電を免れたが、余波で岩盤が砕け、粉塵が視界を覆う。
「ラッセルッ!」
スメラは駆け寄り、抱き起こす。ホロスコープが開き、バイタルを確認。
「命に別状はない……!」
安堵とともに力が抜ける。懐からエルフエナジードリンクを取り出し、彼の唇へ。ラッセルはゆっくり飲み、目を細めて身を起こす。
「ありがとう、スメラ……もう大丈夫だ」
粉塵の奥から、再び異音。
傷ついたギル・グラギラスが再起動の兆しを見せる。
「回復なんて、させるかよ……!」
カーンは煙の切れ間を捉え、再生中の鱗へ連射。鱗が弾け、肉へ喰い込む――
だがギル・グラギラスは背部器官から再び放電球を生成し、カーンの動線を正確に読むように射出。
カーンは岩場へ飛び退き、辛うじて回避する。
「このままじゃ|埒《らち》が明かない!……」
青白い神経コアが脈動を強める。
皮膚の再構成は“治癒”ではなく、“進化”。
一部の鱗は人肌のように柔らかく内側から鼓動を打ったのち再び硬化する。
そして巨体が、不自然なほど静かに一歩。
重いはずの足音が、ふと消えた。
洞窟に残ったのは、湿った岩を踏みしめる“柔い足音”だけ。
双眼がゆっくりとカーンへ向き、首が傾く。
口角が微かに上がり、あからさまな挑発の笑みを浮かべた。
「笑っている、ぞ……?」
カーンの声に緊張が走る。
(この笑み……どこかで……)
脳裏にフラッシュバックする、リヴァンの皮肉な笑み。
(ただの本能じゃない。“リヴァンの意志”が完全同期している……!)
カーンの額に冷たい汗が滲む。
「こいつ……リヴァンが裏で操っているのではないか!」
ラッセルの顔に驚愕が走る。
「何!?……そんな事ができるのか」
その瞬間、スメラも息を呑んだ。記憶の奥に、王研を視察したあの日の光景が蘇る。
ーーー回想ーーー
「最新の国防モンスターは、指揮官の脳波とリンクし、敵味方を判別する」
ホールの片隅で、リヴァンが自信ありげに語った声。
ーーーーーーーー
「そうよ!……これは偶然じゃない。ギル・グラギラスは、リヴァンと“脳波システムで繋がっている”の!」