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る る あ ︵ ︵ 🌈🍑
かんすい
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盛岡のわんこそばを消化しきった頃、車は仙台市内へ。 夕食は、先輩が「ここだけは予約必須だ」と豪語していた、一番町の**『旨味太助(うまみたすけ)』**。
食: 炭火で豪快に焼かれた、厚切りの牛タン。サクッとした歯ごたえの後に溢れる肉汁。
シーン: 麦飯とテールスープを無言でかき込む二人。「……美味いな。やっぱり、本場は違う」と、先輩は満足げに目を細める。
お腹もパンパン、眠気も限界。「今日は早めにチェックインして休むぞ」と、先輩が事前に予約していた宿へと車を走らせる。 しかし、到着した場所は、仙台市外れの国道沿い。……そこには、煌々と光るネオンサイン。
「……先輩。ここ、ビジネスホテルじゃないですよね?」 「…………嘘だろ。内装が綺麗で、朝食バイキングが豪華だって書いてあったから……」
先輩がスマホを確認すると、そこには確かに『デザイナーズ・ラグジュアリー・ステイ』の文字。しかし、よく見ると「18歳未満利用不可」の注釈が。 「悪い。……今さら他も空いてないし、……入るぞ」 耳まで真っ赤にした先輩が、逃げるようにフロントへ向かいました。
通された部屋は、無駄に広く、風呂はやたらとバブルバス。そして、中央には王様のようなダブルベッド。 「……お前、先に風呂入ってこい。俺は、……外の空気を吸ってくる」 先輩は窓を開けようとするけれど、ラブホの窓は開かない。
二人きりの密室。 バブルバスの泡が弾ける音だけが響く中、先輩が不意に口を開きました。
「……わざとじゃないからな。本当に」 「わかってますよ。先輩がそんなことする人じゃないって」 「……そうか。……お前、信じすぎだ」
先輩は少しだけ低い声でそう言うと、冷蔵庫からウェルカムサービスの**『ずんだ餅』**を取り出し、強引に私の口に押し込みました。 「ほら、食え。甘いものは別腹だろ」
結局、一つの大きなベッドで、端と端に分かれて横になる二人。 背中越しに、先輩の心臓の音が聞こえてきそうなほど静かな夜。
「……明日、朝イチで**『松島』**行くぞ。焼き牡蠣、食わせるからな」 「……はい。楽しみにしてます」
暗闇の中、先輩の手が、シーツの上でそっと私の小指に触れました。 「おやすみ。……変な夢、見るなよ」