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夏休みは、恋の予感

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夏休みは、恋の予感

7 - 第7話「夏祭りふたたび」

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2025年08月15日

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夜の空気は、昼間の暑さを少しだけ残しながらも、涼しい風が混じっていた。提灯の明かりが通りを彩り、屋台の声や笑い声が絶え間なく響いている。


「こっちの祭り、初めてだな」

「うん。雰囲気が少し違うね」


浴衣姿の私は、手にうちわを持ちながら人混みをすり抜ける。

翔太はそのすぐ後ろで、時々肩に手を置いてくれた。


「見て、あれ可愛い」

屋台の一角に、色とりどりの小さな根付けが並んでいる。

金魚、花火、ひまわり——どれも夏らしいデザインだ。


「これ、ペアでどう?」

翔太が指さしたのは、青と白の金魚の根付け。

「おそろいってこと?」

「そう」


少し迷ったふりをして、私は白い方を手に取った。

「じゃあ、こっち」

「じゃあ俺は青」


会計を済ませ、根付けを渡し合う。

小さな布の感触が、妙に胸をくすぐった。


「これで夏の記念だな」

「……そうだね」


夜空の向こうで、大きな花火が開いた。

その光に照らされた翔太の笑顔は、提灯の明かりよりもずっと眩しかった。

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