テラーノベル
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胸の奥にじんわりと広がる暖かさは、アイツの言葉のおかげなのだろうか。だとしたら、それはきっと言霊みたいなものだろう。
「なんか、辛いときに肩をバシバシ叩かれて”どっちが仕事終わらすの早いか競争な!”とか、急に言ってくるような感じ」
いつも明るくて、人の機敏に敏感だった彼にはよく釣り合う暖かい言葉だ。
内なる炎が空気を燃やすように、森林に燃え広がるように。まるで飲み込まれてしまいそうな言葉が、人々のやる気に変えていた。
「仲ええですね」
ふと言われたその言葉に、少し固まってしまった。否定も肯定もできず、何と言えば分かってくれるのだろうと思考を巡らせた。
仲はいい。けど、その一言で済ませていいのだろうか。
親友?幼馴染?腐れ縁?相棒?
どれも少し違う気がして、でも小学生相手にその違いを説明するのは少し難しい気がした。
「あ、先生。あいつらロボロ連れてきたみたいやわ。僕行ってきます」
彼の言葉に返事もできないまま、彼は走り去ってしまった。頼もしい限りだ。
保健室から出たロボロは幾分か元気になっており、陽の光を眩しそうに見ている。
自分はもう、ロボロと話す権利はない。彼の兄を殺したのは、実質自分なのだ。話す権利もわかってあげられる権利もなくした。
「……神は気まぐれか」
踵を返し、職員室へと向かって歩き出す。
ああ、これからは書類の山を片付けて授業の準備だ。それと明日の準備もしておかなければ。
───天乃がいれば、だなんて、醜すぎる願いだろう。
「気まぐれで目の前に天乃が現れればいいのに」
ただ、願ってしまうのはどうしようもないだろう。だって、人は自分の手じゃ叶えられないことを願うことが多いのだから。
「……ばっからし」
そう思うと、途端に自分がバカらしくなってきた。だって、自分の願いはもう叶わなくて、叶っていると言っても過言ではないからだ。
なんていったって、そばにいてくれると天乃から言ったのだから。
「……約束守れよ、刑事さん」
だから、ずっとそばにいてね
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