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私は個人でモデルのお仕事をしているの。今日は大きな鉄道模型のセットを借りて、それを背景にモデルのお仕事をしていたら、トラブルが起きて主催者さんたちが出かけちゃったの。その間に男の子が迷いんできちゃった。
そして、私たちは二人で楽しく遊び始めたの。まあ、私は男の子が遊んでいるのを見守っているだけだけど。でも、幸い、ここには男の子の興味をひくものがたくさんあった。電車があったり、新幹線があったり、機関車があったりする。その周りにはレールがあって、その上を自由に走ることができるようになっていた。向こうには山があり、こちらには街並みもある。男の子はそれを楽しそうに眺めていた。
「すごいねぇ、お姉ちゃん!」
と目を輝かせて喜んでいた。ああっ、かわいいなあ。ただ、しばらくすると男の子は、不思議そうに私を見て、こんなことを言い出した。
「あれれ、なんでお姉ちゃん、裸んぼさんなの?」
ぎゃあああ!! やっぱり気になるよね。仕方がない、正直に話そう。
「実はね、今お仕事中なんだ。この鉄道模型のお店でヌードモデルをしてるの」
これ、説明になってるかな? でも、他の言い方思いつかないし……。
「ヌードモデル?」
「ヌードっていうのは、服を着ていない状態のこと。つまり今の私のこと」
「へえ~、おもしろいの?」
「うん、面白いよ。でも、みんなの前で裸になることだから恥ずかしいんだ」
「ふーん、じゃあお姉ちゃんも恥ずかしいの?」
「そりゃもちろん! だって女の子だもん」
「そうなんだ」
「そうだよ、だから、あんまり見ないでね」
「分かった」
とはいうものの、やはり男の子だ。ついチラッチラッと見てしまうらしい。私はなるべく気にしないようにしていた。ところが、いつの間にか男の子はいなくなっていた。どこに行っちゃったのだろう?
動ける範囲で探してみると、鉄道模型に夢中になっていた。ふふ、女の子の裸より模型の方が気になるんだね。さっきまで泣きべそかいてたのに、すっかり夢中になっちゃって。こういうところはまだ子どもなんだなあと微笑ましく思った。そのうちまた男の子の姿が見えなくなった。今度はセットの裏側に回ったみたい。あっちには確か、模型を動かす装置があるんだっけ。と思っていたら、
「わあ、すごい!」
という声と共に、電車の模型が動き出した。
「ねえ、お姉ちゃん! これ動いたよ! すごーい」
興奮気味の男の子の声がセットの裏から聞こえてきた。
「お姉ちゃん、みて! 電車が動いているよ!!」
すごいね、って言おうとして、ふと気づいた。あれ、私のこの位置だと、ちょうど電車が股の下を通るような気がする……!(続く)