太陽の熱がアスファルト越しに伝わる
毎日の様に蒸し暑く登校も苦
羽 多 野 「 暑いね ー 」
苦の理由は蒸し暑さだけでは無い
隣でニコニコしている先輩が8割原因だ
汐 依 「 一緒に登校は辞めませんか 」
嬉しい反面 、 朝から逢ってしまうと
一日中脳内は先輩で支配される
其の所為で先日の小テストは
全くもって集中出来ずに満点を取れなかった
羽 多 野 「 何で ? 」
当然 、 理由が言える訳も無く言葉に詰まる
汐 依 「 … ぃゃ ー … ん ー … 」
汐 依 「 ちょっと色々有りましてぇ 、 」
最終的に笑って誤魔化す
羽 多 野 「 じゃ 、 明日も同じ処集合で 」
話を聴いていないフリをする先輩
汐 依 「 もぅ 〜 、 先輩 っ ! 」
此れは本当に緊急事態だ
夏休み前には期末試験もある
大学受験の事も考えなくてはいけない
此の儘では本当に駄目に成る
羽 多 野 「 嫌なら辞めるけど 」
‘ 嫌 ’ なんて言える訳無い
寧ろ嬉しいのだから
汐 依 「 嫌 … では無いです 、 」
そんな事を口にしてしまって後悔する
此れで私は一生断れなくなった 。
羽 多 野 「 よし 、 一緒に登校だ 」
汐 依 「 本当に掴み所無いですね 」
恋とは不可抗力の塊だ
自分が弱くなり過ぎる
得体の知れない気持ちに戸惑い疲れる
其れでいて毎日が輝く
そんなモノ 。
汐 依 「 ず っ と気になってたんですけど 」
ふと思い出す彼奴らの言葉
汐 依 「 他人に興味無いんですか ? 」
羽 多 野 「 ん ? ぁ ー 、 うん 」
少し此の話が嫌そうだった
其れでも気になってしまったのだ
恋は危険だ
相手の気持ちを忘れそうに成る
汐 依 「 何で私に関わるんですか ? 」
どうしてか先輩は私ばかり干渉してくるのだ
誰に聞く訳でも無く先輩に 、
本人に聞きたかった事
羽 多 野 「 … 興味が無い っ てより 、 」
渋々口を開く先輩
羽 多 野 「 人と関わりたくない 」
此の瞬間 、 思う 。
私は拒絶されたのだろうか 、
そんな不安が一度に押し寄せる 。
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