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そしていよいよキャンプの当日となった。

涼平は朝9時に迎えに来ると言っていたので、詩帆は9時少し前にアパートを出た。


空を見ると爽やかな青空が広がっていた。天気は良さそうだ。

少しひんやりした空気が頬に心地よい。

詩帆は真っ青な青空を眺めながら、今日はどんな一日になるのだろうかと考えていた。


そ涼平の車が詩帆の前に到着した。


「おはよう! いい天気になったね」

「おはようございます。今日はよろしくお願いいたします」


詩帆は笑顔で言うとすぐに助手席へ乗り込んだ。


涼平は車を国道へ向けて走らせた。

運転しながら今日はどんなルートで行くかを詩帆に説明した。


今回の旅では高速は使わずに海沿いの一般道を走って行くようだ。

その途中で気になる場所があれば寄ってみようか涼平が言った。


熱海まではすぐだった。

沢山のホテルが建ち並ぶ街並みはどこか懐かしいような雰囲気がする。

昭和の時代に栄えていた頃のままの風景がなんとなく残っているような気がする。

そして平日だというのに熱海には当時の頃のように沢山の人が訪れていた。


熱海を過ぎると網代に入った。網代は温泉でも知られているが漁業の町でもある。

通り沿いに並ぶ市場や漁協の建物、そして漁港に並ぶ沢山の漁船を見ていると活気に満ちた街の様子を感じられる。


網代を過ぎると今度は伊東市に入った。

海沿いには大きな老舗ホテルが建ち、その先には大きな道の駅があった。

広い駐車場には沢山の車が停まっていた。

ここにはレストランや土産物屋があるようだ。


涼平はここで少し休憩をしようと言って、車を駐車場に停めた。


施設内は、一階には海産物や土産物の店の他、地元の作家の手作り品を集めた店やコンビニが入っている。

吹き抜けになった二階の通路沿いにはいくつもの飲食店が並んでいた。


昼食はもうちょっと先に進んでから食べようと涼平が言ったので、二人は一階にある店を見て回る事にした。


涼平は海産物コーナーでバーベキューに使えそうなものを見るので、詩帆には好きに見ていていいよと言ってくれた。

涼平が姿を消すと、詩帆はぶらぶらと端の方から興味ある店を覗き始めた。


その中で詩帆はある店に目を留めた。

その店では伊豆に在住する地元作家の手作り品を販売していた。

ガラス工芸や藤で編んだかご、和紙のランプや木製の雑貨、そして陶芸家の器や藍染で作ったバッグなど、詩帆が好きそうな物が所狭しと並んでいた。

詩帆はその中であるものに目を奪われた。


それはシルバーで出来た指輪だった。


詩帆は普段ジュエリーやアクセサリーにそれほど興味はなかったが、その時なぜかその繊細なリングに惹かれた。


艶消しの細いシルバーが編みこまれるように絡み合い、その上には不規則に銀の小さな球体が散りばめられている。

詩帆にはそれが雲間から覗く星のように見えた。


(なんて素敵なの!)


詩帆はうっとりと眺める。


指輪の横には作家のプロフィールが紹介されていた。

それによるとその指輪は伊豆の海沿いに住む女性作家の作品のようで、詩帆が気に入った指輪は海から眺めた星をイメージして作ったと書かれていた。


(やっぱり星をイメージしていたのね)


詩帆は我慢できずにその指輪を手に取り指にはめてみた。

すると右手の薬指にぴたりとはまった。


(世界にたった一つしかない指輪)


詩帆はどうしてもそれが欲しくなり、指輪についていた値札をそっと見る。

その指輪の値段は7800円だった。


(今の自分には少し贅沢かな?)


そう思った詩帆は残念そうにその指輪を元の位置へ戻した。

その後詩帆は隣の店へ移動した。


涼平が買い物を終えた後二人は合流し駐車場へと向かった


涼平は美味しそうなアジの干物があったのでバーベキューで焼いて食べようと言った。


それから二人の乗った車は下田に向けてドライブを再開した。

セルリアンブルーの夜明け

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コメント

1

ユーザー

いろいろな思いをお互い秘めての下田キャンプ🏕️ 途中で美月ちゃん作⁉️のsilverリング💍に目を奪われた詩帆ちゃん✨✨ 値段で諦めちゃったけど、 涼平さんはチェック☑️してますよね‼️ しっかり鯵の干物とは別口で詩帆ちゃんにプレゼントしよう〜💍🎁🥰💕

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