ランチを終え、あいちゃんとお店の前で別れる。アパートまでの道のりを、今までこんなにも苦しく感じたことはなかった。
今日のお夕飯で最後にしよう、自分でそう決意した。アパートに着いて、時間がきてしまったらもう後戻りはできない。芥さんには私の気持ちを伝えるまでもない。分かっているのに、気を抜いたら言葉が溢れ落ちてしまいそうで怖い。
(大丈夫)
少し前の生活に戻るだけ、たったそれだけのこと。自分にそう言い聞かせる。
空を見上げると、朝は雲ひとつなかった青空が分厚い雲に 覆(おおわ)れている。それはまるで私の心みたいだ。
夕食時、いつもより早い時間に芥さんの部屋の扉の前に立ちドアノブを掴む。いつもは 戸惑(とまど)いなく開けるその扉も、今日はやけに重く感じた。
「お邪魔しまーす……」
扉を開くと、キッチンからカレーの匂いがした。もう終わりにしようと決めて来たのに、初********
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