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~その日の夜~
サイコロ(No.3156)は自身の部屋で、笑みをこぼしながらサイコロを転がして遊んでいた。
とっさに思いついた自身のあだ名。レイだけでは無く所長までも今度からサイコロと呼んでくれるらしい。
”実験体”とか、ナンバーとして呼ばれるのが嫌だった彼は、自身のあだ名が決まったことが嬉しいようだ。
ガチャっと部屋のドアが開き、3冊の本を抱えた白衣を着た青年が入ってきた。サイコロは青年を見てこう言った。
「あっ!ロビンくん。お疲れ様!」
ロビンと呼ばれた青年は、椅子に腰をかけこう言った。
「所長から聞いたよ。君のあだ名が決まったそうだね。サイコロって可愛い名前じゃないか。レイくんが決めてくれたんだろ?」
「そうだよ!所長さんのことをオトオサンって言ってた!」
サイコロの言葉を聞き、ロビンは苦笑いをしながらこう言う。
「オトオサンねぇ。まぁ、所長のお気に入りだからね、No.0は。」
「No.0だから”レイ”なんだね。”0”ってなんだか特別感を感じるよ。」
「所長いわく、最高傑作だからな。他の実験体とは思いいれが違うんじゃない?」
持ってきた本を整理しながら、ロビンはサイコロとレイの話をしている。サイコロが本を手に取りながら問いかける。
「今日はどんな本を持ってきてくれたの?」
「それは霊能力者のやつで、これはロボットもので、これはラブサスペンス。」
「ざっくりだね…まぁ、じっくり読んでみるよ。」
「じっくりって…君1日で3冊読み切っちゃうじゃん。」
部屋にはサイコロが読んだであろう本が山積みに積まれている。ロビンがこう続ける。
「ここら辺の読破済みの本、もう持ってかえるよ。」
サイコロが「オッケー!」と返したので、ロビンは本を抱え、片付け始めた。そしてサイコロにこう言った。
「日記を残さないとね。自分のあだ名が決まった記念で。」
「そうだね。さっそく日記にかける出来事があってよかったよ!」
ロビンは「それは喜ばしいことだね。」と言い残し、部屋を出ていった。1人となったサイコロはこう呟く。
「まぁ、所長に処分される可能性も高くなっちゃったけど…」