芳醇な香りがした。甘ったるくて、色々な香りが混ざった、鼻孔をツンとくすぐる独特な香り。思わす振り返ると、そこに思った人はいなかった。
「……そんなわけないか」
昔、私には身体だけの関係の人がいた。赤みがかった茶髪が奇麗で、香水の香りがキツい女性だった。
「香水の瓶が好きなの。だから早く減らしたくて沢山付けてるんだよねー。」
爪をいじりなから彼女は言った。女らしくない人だなと思った。
一度、興味本位で彼女に交際を求めたことかあった。
「無理無理。女の子にキューミあっただけでアタシ男好きだし。」
言葉通り、彼女はその半年後に結婚した。
使い切ったなら、せめて飾ってほしかったな。
コメント
4件
うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! 好こ
私を「使い切った」から飾ってほしかったのか、それとも「私」のためだけに香水を使っていたのか……結婚した人が香水は趣味じゃなかったり、はたまた、ただそれが彼女からの愛であったり… 色々な解釈ができて楽しいです🥳🥳ありがとうございます💞