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基本的な仕事は、着ぐるみを着てぶらぶらと歩き、観光客が来たら愛想をふりまくことのようだ。……といっても、あまりお客さんがいない。暇すぎる……。
「大丈夫よ、そのうち来るわ」
と彼女が言うので、しばらく待つことにした。しかし暑いなぁ……。早く来てほしい。と、思っていたら、ひょっこり小学生くらいの女の子が現れた。あ、そういえば後から修学旅行の小学生が来るっていってたな。女の子はキョロキョロしながら歩いている。そして、私を見つけるなり近寄ってきた。
「こんにちわ!」
元気よく挨拶されたので、私もつられて「こ、こんにちわ……」と返事してしまった。
「わたし、ゆうちゃんっていうんだー」
ゆうちゃんと名乗った少女が、私の顔をじっと見つめる。
「うーん……中身はお姉ちゃんなんだ?」
しまった、返事しちゃったから、声でばれちゃったみたい。どうしよう。
「え、えっと……その……」
「いいよいいよ。バレても平気だよ!」
そう言って、彼女はケラケラ笑っている。
「それより、いろいろ触らせて!」
と言って、手をワキワキさせている。これは、あれだろうか?セクハラというものではなかろうか。……でも、断る理由もない。
「ど、どうぞ……」
私は、恥ずかしくなってうつむきながら答えた。
「わーい!ありがとう」
と言いつつ、彼女は手を伸ばして、私のお腹をサワサワしてきた。
「ちょっと、くすぐったいですぅ」
私が身を捩らせると、彼女はさらに調子に乗ってきた。今度は、わきの下や胸までモミモミしてくる。……気持ち悪いけど、我慢しないと。
「へぇ~。おっぱい大きいねぇ。柔らかいや」
などと、感想を述べてくる。
「あの、そんなに揉まないでください……」
私が懇願すると、彼女はニコッとして言った。
「お姉ちゃん、ブラしてないんだ。あと、下はパンツだけだね」
うっ、触っただけでそこまで見抜いたのか。この子、ただ者じゃない!
「う、うん……。暑いからね……」
「ふーん。じゃあさ、脱いでもいいよ?」
「えっ、な、何言ってるの!?」
私が驚いていると、彼女はクスッと笑って言った。
「冗談だってば。……ほら、手が疲れてきたからさ、もう終わりにするね」
「あ、はい……」
ようやく解放されてホッとしたけど、まだドキドキしている。この子は危険だ。私には分かる。
「また遊ぼうね」
そういって彼女は去っていった。危なかったぁ。その後も、何人か来たけれど、大したことは何も起こらなかった。暇だ……。
すると、遠くから子供たちの声が聞こえてきた。(続く)