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冬の終わり頃、にわか雨がひどく天井を打つ。
私はあの時何気なく言葉を吐きかけた時の日の事を覚えてるか。
傷ついて泣く人、不快がる人、呆れる人、怒る人、嘲笑う人、
私だってこの人達の気持ちがわかってしまうものだ。こんな人を作っておいて言うべきではないが。
もう、どんなに気をつけても同じ事がありすぎて、ノイズがかかって有耶無耶になる。思い出すと疲れる。楽になる為に何もかも諦めよう。
あの時は手元が見えてなかった。あの時は。気づけばそんな言い訳しない為にも忘れようと必死だった。
ああ、なんでまたメモリを触ってしまうんだ?
胸が痛くて、頭にスパイスを加えられて、思わず食いしばった。目元が激しく熱くなった。
何の前触れもなく、衝動的に、雨の中を走った。なぜ雨の中?そんなものは知らない。もう私はヒトですらないのだから。
びしょびしょの地面に体を投げ出して。足を開く。転がってみたりもした。あひゃひゃ、おほほ、うひひと奇声をあげてみたり。
「なにやってんの」「怖い」って言われても知らない。私は人間をやめた。
ははははははははははははははははははは
うひひひひひひひひひひひひひひひひひ
うひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
おほほほほほほほほほほほほほほほ
あへへへへへへへへへへへへへへ
へははははははははははははは
あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ
うわああああああああああ
うきゃああああああああ
わあああああああああ
ううううううううう
しぃぃぃぃぃぃぃ
あ、あ、あ、あ
う、う、う、
ああ、あ
はあ、
うう
う
温かい朝日が私を起こしてくる。苦しくなるような意識から逃れたいが為に、頭が麻痺していた。でも。ノイズは消えない。記憶の引き出しを開ける恐怖はなくならないのだから。
それでも。私はみんなの為に、昔の私はどんなに汚くても、せめていつかは、綺麗に、穏やかに、温かく生きたい。ゆっくり頑張ろう。いつかきっと、心に翳りはなくなる。
ひなたを浴びてお家に帰って、全身鏡に映ってみると。それは濡れてぐちゃぐちゃになった髪で、やつれた顔をしていて、びしょびしょなワンピースを垂れ下げていた私だった。
私は髪を手櫛でとき、片目を翳った前髪を耳にかけ、雨水を含んだワンピースを片手で握って絞る。
浴室でワンピースを下ろし、シャワーを浴びる。久々に丁寧に髪を洗ったな。
髪は洗えた事だし、比較的綺麗な部屋着を身につける。
自分で髪を乾かすのも久しぶりだ。未だ慣れないもので、傷んでしまっているが、その内綺麗に乾かせるようになると信じてみるよ。
今はこうしてリラックスしていても、また昨夜のように自暴自棄になってしまう日が来るだろう。その時は、意味のわからぬ意地を張らず潔く休もう。物事から距離を置くのも大事である。
常に柔軟でいよう。私は平穏が好きだ。
何だかお腹が痛くて強烈に疲労が襲ってくる。あまり深く考えたくないから、寝ようじゃないか。己の平穏の為に。
みんなごめんね。変に泣いたり暴れずに、努力するから。こう思えるのも今のうちかな、おやすみ…部屋を暖かくして、布団に絡みつこう。