「長期出張?」
間抜けな声とともに箸を持ったまま顔を上げる。と、我が会社ながら安価で質のいい料理を提供してくれる社員食堂で選んだ、“海老天そば”の海老天が丼へと、それは華麗なダイブを決めた。
まるで、焚いたばかりの一番風呂に入った時の、贅沢に溢れ出る湯を彷彿とするような零れ方に、悲鳴が上がる。
「ぬわぁ!」
想像以上に濡れた。身動きが取れない。
「あーあーあー……お前はもう……」
未使用の布巾を持って、総一朗が向かいの席を立った。
「うわーん、凄いかかった!」
「見りゃわかる」
言いながら、手早くブラウスにかかったつゆを拭う彼に、心配になって尋ねる。
「染みになっちゃう? 私、今日この後、外回りなんだけど……」
「この生地なら大丈夫だろ。それより膝の上これで拭いとけ」
彼がバックポケットからハンカチを抜き取り、私の膝の上へと落とした。 ************************
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