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#アイドル
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日暮ミミ♪
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翌日。ベルはいつも通りの時間に目が覚めると、のろのろとベッドから起きて、窓のカーテンを開けた。
手櫛で寝癖を整えながら、バスルームに移動して簡単に身支度を整える。
どうにか人前に出れる格好になったと同時に、ノックの音が響いた。
「どうぞ。起きてます」
この時間になるとハイテンションなフローチェがやってきて、その日の天候や気分で勝手にドレスを選ぶのが日課になってしまったので、ベルは警戒することなく声をかける。
自らの手で扉を開けないのは、開けた途端にフローチェが抱きついてくるからだ。
女子同士のスキンシップにおいて、過度であればあるほど親密な証なのだとフローチェは豪語するが、女子同士でじゃれ合う機会に恵まれなかったベルとしては、毎回どうしていいのかわからない。
そんなわけで、ベルは安全な距離を保って入室を許可したが、扉を開いた人物はフローチェではなかった。
「おはようございます、ベルさま」
「……お、おはようございます」
(ん?なぜメイドさんがこの部屋に来る??)
ベルは首を傾げる。昨日フローチェは商談で外出して、その後、会食に誘われたので帰宅が遅いと聞いていた。
義理の姉二人がまだ近くの街に潜伏しているはずだから、できれば外出は避けて欲しかった。だが、仕事と言われればベルは口を挟むことができない。
護衛騎士も連れて行くから大丈夫。そのフローチェの言葉を信じて見送ったけれど、翌朝になっても彼女は帰ってこない。
その事実がわかった今、ベルは表情を厳しいものに変えてメイドに声をかける。
「あの……フローチェさん、どこに行かれたんですか?」
「ま……街に、ございます」
もともと嘘を付くのが苦手なのか、それとも上手に嘘を吐けるほど気持ちに余裕がないのかわからないが、メイドは可哀想なほど目が泳いでいた。
すぐにベルは半目になって、メイドに詰め寄る。
「そんな子供騙しが、私に通用すると思ってるんですか?」
ベルの凄みに耐えきれず、若いメイドは首を横に振りつつも、うっかり本音を漏らしてしまった。
「言えません。我々はベル様の安全を第一にと命じられております」
(なるほど。言わないじゃなくって、言えないか。まぁ……私も、メイドさんを困らせたくはないしなぁ)
「あの……どうか、これ以上はお許しください」
問い詰められて涙目になってしまったメイドに、ベルははっと我に返る。
いつも嫌な顔一つせず、にこやかに自分の身の回りの世話をしてくれている彼女を責め過ぎてしまった。
「そうですか。……なら、諦めます。もう聞いたりしません。困らせてしまって申し訳ないです」
素直にぺこっと頭を下げたベルに、メイドは恐縮したように両手左右に振る。
「と、とんでもございません。あの……大丈夫です。フローチェ様は、すぐに戻られますから」
「うん、教えてくれてありがとうございます。で、えっと、見ての通り身支度は終わってますので、お茶をいただいてもよろしいでしょうか?」
居心地悪そうにしているメイドが気の毒で、ベルは喉は乾いてないけれど、そんな提案をしてみる。
そうすればメイドは、「すぐにお持ちします!」と言って、弾かれたように部屋を出ていった。
「……さて、と」
大急ぎで着替えを終えたベルは、窓を開ける。
ここは2階。下を覗けば、幸いにも人影はない。今回こそは誰にも見つからずに窓から外に出れそうだ。
しかし楽勝だと高を括った時点で、既にフラグが立っていたようだった。
「駄目だよ、ベルちゃん。今日はここにいて」
乙女の部屋に許可なく入って、そう言いながらベルの腕をつかんだのは、久しぶりに見る濃紺髪の青年──ダミアンだった。
コメント
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あおいです🌷第79話、読み終えました。今回も繊細な心理描写にじんわりきました…特に、メイドさんの「言えない」という言葉に即座に察し、追及をやめて謝るベルちゃんの優しさが本当に愛おしくて。そこからの窓からの脱出劇→まさかのダミアン登場がめちゃくちゃ胸熱でした。このタイミングで彼が出てくるのは反則ですよ…!次が気になりすぎます🤍