テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#アイドル
しらなみ
76
#恋愛
ばたっちゅ
18,798
紫倉 紫
326
#あっきいまぜ太ぷりっつちぐさあっとけちゃ
愛莉闇花
19
ベルはフローチェから目を逸らして、窓に視線を向ける。ガラス越しに見える空は、ベルの心情を表すかのように曇天だ。
(……結局、何が言いたかったんだろう。あの人は)
レンブラントから押し付けられた宿題は、あれから数日経っても手つかずのまま。
ヒントすら与えてもらえなかった難題に、ベルはむむっと渋面を作る。
道筋立てて物事を考えるのは嫌いじゃない。最善策を考えるのも、この年にしては割とできる方だと思っている。
でもレンブラントからの宿題は、これまで培ってきた経験とか知識は役に立ちそうもない。
人は経験を積み重ねて大人になり、知識を得ていくというのに、残念ながらベルは1回しか口付けをしていない。しかもなし崩し的にされたのだ。
(あーもー、お手上げだ)
ベルは考えることを放棄して、ソファの肘掛けに頬杖を付いて眼を閉じる。
サロンでは相変わらず、フローチェがラルクにダメ出しをしたり、着替えを命じたりと忙しそうだ。ラルクがどんどん涙声になっているのが、胸に刺さる。
ここはドンマイと言うべきなのか、頑張れと彼にエールを送るべきか悩むところ。
ちなみにベルは、なぜ自分がラルクの女装させられている部屋に連れてこられたのかわからない。
とにかく付いて来いとフローチェに命じられたので、ここにいる。
そしてラルクの女装に興味を持てないベルは、頭の中でずっとずっと、レンブラントのことを考えている。
彼は今、この屋敷にいない。宿題を押し付けられたのを最後に、もうずっと会っていない。
レイカールトン侯爵を呼びに行くとは言っていたが、はたしてそれが実現できるのかも不明だ。
屋敷に残ったラルクとモーゼスにそれとなく聞いてみたけれど、彼らは曖昧に笑うか言葉を濁すだけ。
フローチェも何か知っているようなので、こそっと尋ねてみたところ「情報を引き換えに1日だけ妹になって!」と取引を持ち掛けられてしまった。
思わずうなずきそうになったベルだが、ラルクとモーゼスが必死に止めたので、結局お断りした。だからフローチェからも何も聞き出すことはできなかった。
(ううっ……次にレンブラントさんに会うまでに、ちゃんとあの時の口付けの答えを見つけないといけないよね。あの人、変に意地悪だから教えてって言っても教えてくれなさそうだし)
ベルはこっそりため息を吐きながら、しかめっ面で「考えろ」と言った軍人の顔を思い出す。
あの時、レンブラントは意地悪で突き放したわけではない。
でも恋愛に関してだけはポンコツなベルは、心の中がもやもやするだけで答えには当分辿り着きそうにもなかった。
コメント
1件
第69話読んだよ〜!ベルの恋愛♡♡♡っぷりが可愛すぎて尊い😭💕 レンブラントさんからの宿題に悩む姿、すごく共感できるし、あの意地悪な感じがまたエモい…!ラルクの女装シーンも面白かったけど、ベルがずっと彼のこと考えてるのが切なくて胸きゅんだよ。次回、答えを見つけられるのかハラハラする〜!✨