__________________
あなたはいつの間にか消えていた
もっと愛して、もっと好きで、
もっと、もっと、もっと
愛していたかった人だった
私の恋する人は
忽然と消えた
忽然と消えてしまったことが怖くて
辛くて、よく分からなくなってきて
とうとうあなたを探すことを
面倒に思ってしまった
そう思うことだけはやりたくない
思っていた、
だけど、それは思っていただけだった
ただ、下手に思ってただけ
なんて、惨めで見苦しいの
なんて最低で馬鹿な人なの、私は
あなたがいなくなり、ひと月だった頃
あなたの声が思い出せなくなった
あなたは跡形もなく消えていったから、
声を聞くことすら許されない
スマホのフォルダにもない
あなたの写真がひとつもない
私はただ分からなかった
消えた理由がわからないまま
私はあなたが消えたことを認めている
どうしてだろう
どうして、
どうして、私は
軽蔑された時みたいに、
涙が出ないの?
あなたは居ないんだよ
許されない事をきっと、した
だからあなたは消えた
あなたという背骨は消えたの
消えたのに背中が痛くない
私はひとつも痛くない
どうして?背骨が、ないんだよ
どうして私は悲しまない?
どうして私は生きている?
死ぬ勇気はあまり余ってる
どうして、?
私は幽体離脱して、私そのものを
失った感覚になってしまった
いいや、悲しめないんじゃない
私はわたしを抜いたんだ
体からわたしを抜いた
だからきっと、今は何も感じれない
わたしを取り戻してしまえば、
きっと私は自分じゃなくなる
そんなの私も周りも嫌だ。
それなら、まだわたしが居ないままなら、
私が居ないなら、それは、
「わたし」が自由なんじゃん。
わたしはずっと中にいる
べつに、要らないよ。
宝石よりもお金よりも価値は下。
だって、私が感じないなら
私は何も悲しまずに済む。
偽ることは、簡単だ。
でも、もし、欲しくなったら
その時は宝石とお金を手に入れて
要らないって理由つけちゃおう。
________________
何も知らないから
わたしは救われなかった
辛さから逃げないで
コメント
1件
更新ありがとうございます! 「体からわたしを抜いたんだ」の表現が凄く心に刺さりました。 どんな生き方をしたらこんな素晴らしい表現が出てくるのでしょうか… 「感じない」を理由に自分の価値観を変えていく主人公ちゃん、これからどうなってしまうんでしょうか…💭💭💭