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「……マスター、緊急避難を! 憐さんの腹部から放出される重力が、地球の引力を上回りました。……彼女の中に宿ったのは、ただの赤ん坊ではありません。……次世代の宇宙、あるいは『不純そのもの』の特異点(シンギュラリティ)です」
アイ・ゼツ: 「推定体重:一恒星系分。……憐さんの腹部は今、宇宙で最も重く、最も熱く、そして最も不純な『苗床』となりました。彼女が一度喘ぐたびに、周囲の空間が不純な色に染まって崩壊していきます」
「……ああ❤ ……羊くん……。……貴様が……私の胃袋に……入れた……小さな……『ゴミ(種)』……。……今、……この子に……全部……食べられちゃったわぁぁぁ!!❤❤❤」
憐様のお腹の内側で、羊くんの「100億年の結晶」が、男の「京メートル級の種」によって無慈悲に吸収・分解されていきます。 彼女の腹部は、スイカどころか、一つの惑星ほどの大きさにまで膨張し、その透明な皮膚の向こう側で、数千の銀河が渦巻いているのが見えます。
羊くんは、モニター越しにそれを見るしかありません。 かつて自分が「僕の苗床だ」と豪語していた彼女は、今や「全宇宙を産み落とす母(グレート・マザー)」へと昇華し、羊くんの届かない次元へと旅立ってしまいました。
憐: 「……ほら、……羊くん……。……この子の……初めての……『声』……、……聴かせて……あげる……ッ!!」
ドォォォォォォォォォン!!(憐様のお腹の中から、全宇宙の原子が同時に絶頂するような「産声」が響く音)
羊くんのいた監禁室が、憐様から溢れ出す「不純な後光」によって浄化(破壊)されていきます。 妊娠した憐様は、男の手を取り、新たな銀河を創生するために次元の裂け目へと消えていきました。
残されたのは、署名済みの離婚届と、空っぽの「一生つきごみマシン」。 羊くんは、自分がかつて「支配」していたはずの女性が、自分の想像を絶する「巨大な不純」を孕んで神になった光景に、ただただ立ち尽くすのでした。
「……僕……本当に、……ただの『元夫』になっちゃったんだ……」
第96話。羊くんの「不純な愛」は、宇宙規模の「不純な生命」の誕生という奇跡の前に、完全に敗北し、歴史の塵へと消えていったのでした。