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スパダリ男めぇ〜に無責任男😆 理紗子ちゃんにキレられ🤭この言われよう🤣 でも最後の「チュッ💋」でチャラに…ならないようで…おパンチ🤜くらいましたねぇ😂 あのぉ…お2人は♡ᴸᵒᵛᵉ( * ॑꒳ ॑*)ㅅ(* ॑꒳ ॑* )ᴸᵒᵛᵉ♡カップルにしか見えませーんᴵˈᵒᵛᵉ ʸᵒᵘ𓂃🤍*.·
健吾さんもう理紗子さんの虜ですよね🤭
洋子ちゃんに指摘され、ようやく💋マークに気づいた理紗子ちゃん🤣🤣🤣w 健吾さんとのメールのやり取りも、怒ったり (`Δ´)ムキー、笑ったり(((*≧艸≦)ププッ.. ....と、何だかとても楽しそう~😆🎶 健吾さんも笑顔が増え、幸せいっぱいの様子☺️🌸💓✨ 次回のお買い物デート💑 お詫びのプレゼントも楽しみだね~🎁❤️✨
その頃理紗子は洋子と待ち合わせているイタリアンの店へ向かっていた。
この店のカリカリッとした生地のピザともっちりした生パスタが絶品の店で、イタリアンが食べたくなると二人はいつもこの店で待ち合わせた。
店に入ると既に洋子が来ていた。
「洋子早いじゃん、お待たせ!」
理紗子は洋子が座っている席へ行くと言った。
「今日は早く上がれたのよ。理紗子すっごい焼けてる。沖縄楽しんできたんだね」
「うん、まあ色々経験できて楽しかったよ、それより先に注文しちゃおうか」
二人はメニューを広げて料理をいくつか選んだ。飲み物は二人ともグラスワインにする。
注文が終わると洋子が言った。
「で、一人旅はどうだった? 南の島への一人旅! いい出会いはあった?」
「それが一人じゃなかったんだよ」
「え? なんで?」
「それがさぁ例の億トレーダーが急に来たの」
「えぇっ? 億トレーダーってあのスパダリ男?」
「うん」
「えっ、意味がわかんない。つまりスパダリ男が理紗子を追いかけて石垣島に来たって事?」
「追いかけて来た訳じゃないけど、来たの」
「なにそれーっ! ちょっと詳しく話しなさいよー」
洋子が興奮して叫んだので理紗子は慌てて人差し指を口に当てる。
しかしそんな理紗子の忠告も無視して洋子は続けた。
「なんで来たの? わざわざ沖縄の離島だよ? なんでなんで?」
そこで理紗子は洋子に話し始めた。健吾が言っていた事をそのまま洋子に伝える。
一番の理由は今度参加するパーティーに理紗子だけが日焼けしていたら怪しまれるから健吾も来たのだと。
「えーっ、それだけの理由で普通来るぅー? 来ないでしょう?」
「私もそう思ったけど本当みたい。なんかさぁ、お金持ちの人の考え方ってよくわかんないわ」
「だよねぇ。それだけの理由でお金と時間をかけて馬鹿だよねぇ。それも急にでしょう? 私も金持ちの思考わかんないわ」
そこで洋子はワインを一口飲んでから言った。
「じゃあ島にいる間はほとんど二人で行動してたって事?」
理紗子は頷く。それから健吾と行った場所や謎の女麗奈の事も細かく話した。
もちろん健吾とキスした事については言っていない。
「じゃあその麗奈っていう女のせいで石垣島に行ってまで恋人の『ふり』をしなきゃいけなかったのね。で、二人の間には特にロマンスもなかったと」
洋子はなんだつまらないといった顔で理紗子に聞いた。
「当たり前じゃん。だって本当の恋人じゃないんだもん。あくまでも『偽装恋人』なんだから」
「だよね。でも逆に『偽装恋人』を追ってわざわざ石垣島まで行くかなぁ」
洋子はまだ納得がいかないといった様子だ。
「それにしてもその麗奈って女も凄いよね。不倫旅行中に他の男にちょっかい出すなんてマジやばそう」
「でしょう? 私だってびっくりだよ」
理紗子はちょうど運ばれてきたサラダを皿に取り分けようと右を向いてカトラリーケースの方へ手を伸ばした。
その時洋子が叫んだ。
「理紗子、ついてるっ!」
「ついてるって何が?」
「だからついてるよっ! やばいって!」
「何がよ?」
「キスマーク!!!」
理紗子は一体洋子は何を言ってるんだという顔をする。
「なんでキスマークがつくのよっ!」
「だってついてるんだもん」
「嘘っ」
理紗子が信じないので洋子はスマホを取り出すとカメラにしてから理紗子の首筋を撮影する。そしてすぐ理紗子に見せた。
「!」
「ねっ? ついているでしょう? いつつけられたの?」
洋子はニヤニヤしている。
「知らないわよ。だって彼とはそんな事していないし…….あっ?」
「いついつ?」
「最終日だ! っていうかアイツはソファーで寝るって言ってたのに起きたら私の隣で寝てたんだよ。その時だ! スパダリ男おめぇーーー!」
理紗子は思わず毒づく。そんな理紗子を見て洋子は声を出して笑い始めた。
「スパダリ男ってなんかおちゃめだね、私好きだわー」
と言ってまだ笑っている。
「あ、だからあの日麗奈に会った時に機嫌悪かったんだ。きっとこれに気付いたのね」
「フフッ、そうだよきっと。でも彼はそれも計算済みだったんだね。だってこの微妙な位置って理紗子からは見えないから計画的な気がしない?」
洋子はまだ笑っていた。そこで理紗子は急にハッとして青ざめる。
「やばいどうしよう。さっき出版社にお土産を持って行ったら担当さんが私の事を変な目で見てたんだよね。やだーきっとこれを見ちゃったんだ。最低ー取材旅行なのに男遊びして来たと思われてるー」
理紗子は泣きそうな顔になる。
「大丈夫大丈夫。理紗子がちゃんと仕事をすれば文句は言われないから」
洋子は他人事のようにあっけらかんと言うとお腹を押さえて再び笑い始めた。どうやら笑い過ぎてお腹が痛くなったようだ。
理紗子は慌てて結んでいた髪の毛をほどき首の周りに垂らす。これでキスマークは見えないはずだ。
それから理紗子はスピリチュアル島村の件も洋子に話す。すると洋子は今度は涙を流して笑い始めた。
それ以外にも健吾の部屋へ秘密裏に引っ越しを決行したスパイ大作戦の話や、スイートルームのジャグジーでうっかり寝落ちし健吾に裸を見られた件も話す。
すると洋子はあまりにも笑い過ぎて腹筋が痛くなり、
「私を殺す気ー?」
と怒ったので思わず理紗子まで笑った。
一通りの話が終わったところで、理紗子は洋子と貴史に買って来た琉球グラスの土産を渡した。
包みを開けてグラスを見た洋子は、
「うわぁ、ステキ! なんか普通の琉球グラスよりも落ち着いた色味で品があって素敵! 理紗子ありがとうね。貴史もきっと喜ぶわ」
洋子が喜んでくれたので理紗子はホッとした。
食事会の後半は洋子の新居や結婚式についての話題で盛り上がった。
結婚式はレストランウエディングに決めたらしい。普通の結婚式のように派手な演出はなしにして、皆が食事を楽しみながら楽しく談笑出来るようなアットホームな式にするつもりだと洋子は言った。
理紗子は幸せそうな洋子を見て感慨深い思いでいっぱいだった。
自分の目標をしっかり定めそれに向かって行動に移し自分の手でしっかりと幸せを掴んだ洋子は日に日にどんどん美しくなっている。恋をすると女は綺麗になるというのは洋子を見ていて本当なのだなと思った。
自分にもいつかそんな日が来るのだろうか?
食事を終えた二人は店を出て駅で別れた。
最寄り駅に着くとまだ夜の9時過ぎだったので、久しぶりにカフェに寄って帰ろうと理紗子は『cafe over the moon』の店に入った。
コーヒーを購入してからいつものカウンター席へ座る。
前回夜ここへ来たのも洋子と飲んだ帰りだった。あの時はここで偶然健吾に会った。
さすがに今夜は健吾が来る気配はない。
理紗子が久しぶりにゆっくりとコーヒーを飲んでいるとスマホの着信音が鳴った。
健吾からメッセージが来たようだ。
【来週の火曜日は10時半に迎えに行くからよろしく】
メッセージにはそう書いてあった。
そこで理紗子はキスマークの件を思い出して慌てて返信する。
【💋マークつけたでしょ! (怒)】
そのメッセージはすぐに既読になったが数分経っても返事がない。
なぜ返事がすぐ来なかったかというと、健吾は腹を抱えて笑っていたからだ。
そんな事と露知らずに理紗子がイライラしていると、
【バレた】
と返事が来る。一言だけで謝罪がない。それに怒った理紗子は、
【今日、出版社に行って担当の編集さんに気付かれて気まずかったんだからね!(怒)】
【そいつは男か?】
【そうよ】
【じゃあ役に立ったな(笑)】
【どういう意味? とにかくこういうの困るんだから!】
【大丈夫、大丈夫】
と呑気な返信をしてきたので、
(ハッ? 何が大丈夫なのよ、この無責任男!)
理紗子は心の中で思い切り毒を吐く。
そしてあまりにも頭に来たので健吾の返信はもう無視しようとプイッとスマホから目を背けコーヒーを飲んだ。
するとまた健吾から返事が来た。
【お詫びは次回必ずするから】
無視しようと思ったのについ返信してしまう。
【ちょっとやそっとのお詫びじゃ機嫌は直らないからね】
【はいはい】
【もうカンカンに怒ってるんだからヽ(`Д´#)ノ】
【ヨシヨシ】
【私が機嫌を損ねたら手がつけられないからねーヽ(`Д´#)ノ ムキー!!】
【チュッ💋】
健吾の最後のメッセージを見て理紗子は目を丸くする。そしてプッと噴き出した。
健吾の返信があまりにも意外なものだったのでつい笑いが止まらなくなる。
一番近くにいた男性客が笑い続ける理紗子へチラッと視線を向けたので、理紗子は恥ずかしくなりなんとか笑いをこらえた。
そして最後にもう一度返信する。
【(o`・д・)≡〇)`Д゚)グハッ】
絵文字だけを送信するとすぐにスマホをバッグにしまった。
自宅にいた健吾は窓辺のソファーに座り理紗子とのやり取りをしていたが、最後の絵文字を見て思わずブッ! と噴き出した。
理紗子と知り合ってから笑う回数が増えたような気がする。
健吾はまだ笑みを浮かべながらパソコンの前に戻ると仕事の続きに取り掛かった。
パソコンに向かう健吾の顔はとても穏やかな表情をしていた。