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真麻ちゃん、鋭い‼️👍️😁 お兄ちゃんはリサ先生に夢中で~す♥️🤭 何と‼️♥️追いかけて沖縄旅行に行っちゃったんですよ~ウフフ♪✈️🏝️💕 これはもう 真麻ちゃんにバレるのも 時間の問題だね....🤔 バレた時には 堂々の恋人宣言ができると良いね~👩❤️👨💝 お兄ちゃん、頑張って~♥️✊‼️
真麻ちゃんさっすが〜🎯👏👏👏 健吾おにーちゃまはそのリサ先生にご執心中ℒℴѵℯ*¨*• 🤍*.·なんてったって偽装恋人までお願いしちゃってまーす😆 要経過観察でーす(*´艸`)ニヒヒ
翌日の午前中健吾の部屋のインターフォンが鳴った。
健吾はパソコンの前から立ち上がるとモニターまで行って画面を覗いた。そこには妹の真麻が映っていた。
「お兄ちゃん、本取りに来たよー」
真麻はニコニコしながら上まで上がって来た。そして部屋に入るなり言った。
「お兄ちゃんなんでそんなに日焼けしているの?」
「ああ、ちょっと石垣島に行ってきた。それ土産な」
健吾は真麻に借りた本の袋の隣に沖縄土産を置いていた。
「ありがとー。えっ、でもなんでまた急に? 仕事?」
「プライベート」
「えーっ、誰と行ったの―? 女?」
「秘密」
「ケチーッ、教えてくれてもいいじゃん」
真麻は不満気に言うと土産の袋を覗いた。そこには真麻の好きな菓子が入っていたのでご機嫌が直る。
「ねえねえ、ところで水野リサ先生のサイン貰えた?」
「ああ、そこの一番上に入ってる」
「キャーッやったぁ!」
真麻は早速袋から本を取り出す。
「あれ? これ新しい別の本? 私の本じゃないよね?」
「うん、本人がくれた。それにサインしてくれたんだ」
「ええーっ? 水野先生が本までくれたの? キャーッ嬉しいっ! でもさぁなんでお兄ちゃんリサ先生とに会ったの? 仕事で?」
「いや」
「って事はプライベート?」
「まぁ、そうかな」
「えーっ? じゃあ友達みたいな感じになったの?」
「そうだな」
「本当に? じゃあ今度会わせてよ」
「なんでお前に会わせなきゃいけないんだ」
「だって私が昔から大ファンなのを知ってるくせにー! ねぇお願いっ、可愛い妹が頼んでいるんだよ? めったに頼み事をしない妹がだよーっ!」
「しょっちゅう頼み事してんだろう?」
「そんなことないじゃん。ねっ、お願い! おーねーがーいーっ!!!」
「まあそのうち聞いてみるよ。でも期待はするなよ」
健吾は適当に返しながらパソコンへ集中する。しかしそんな兄にお構いなしに真麻は続けた。
「でさぁ、リサ先生ってどんな感じだった? 雰囲気とか?」
「うーん、普通だな」
「普通ってどんな風に普通?」
「まあ普通の人と変わらない感じだな」
「それって気さくって事? 作家だからツンとしてるとか気難しそうとかプライドが高そうって感じじゃなくて?」
真麻の言葉に思わず健吾はプハッと笑った。なぜなら昨夜理紗子が最後に送って来た絵文字を思い出したからだ。
プライドが高かったらあんな絵文字は送ってこないだろう。
「なに一人で笑ってんの? ねえどうなの?」
「思いっきり気さくだな」
「へぇーそうなんだー、好感度上がるー」
真麻はリビング内をうろうろしながら言った。
するとソファーの横に見覚えのある紙袋を見つける。それはどう考えても兄の部屋には似つかわしくないものだった。
真麻がちらっと兄を盗み見ると健吾はパソコンに集中している。そこで真麻はさりげなくソファーへ座るとその陰にある紙袋をそっと引き寄せた。
その紙袋は真麻も知っているフランスのフレグランスの店『bonheur』のものだった。袋の中には綺麗にラッピングされた商品が入っている。
(まさかお兄ちゃんが誰かにプレゼント?)
真麻は今まで兄の恋人達に直接会った事はない。しかし兄が女性と一緒に歩いているのを街で見かけた事はあった。
真麻は独身の時港区で一人暮らしをしていた。そんな妹を心配して健吾も一時期近くのタワマンに住んでいた事がある。
近くに住んでいた頃は健吾が女性を連れて出歩いている所を何度も見かけた。
用事があって真麻が健吾のマンションへ行こうとした時に派手な女性が兄の部屋へ入って行くのを目撃した事もある。
その当時健吾がいつも連れ歩いていたのはモデルやどこかのご令嬢など華やかなタイプの女性ばかりだった。
しかし健吾はいつも違う女性を連れていたので一人の人と長く交際している様子はなかった。
二年前にこのタワマンに越してからは一度も女性を連れているのを見た事がない。
それ以前にこの部屋に女性を入れている形跡がなかった。
真麻が突然来ると言っても一度も慌てた事はないのでこのマンションには本当に一度も女性を入れてはいないのだろう。
(という事は二年前に何かあった?)
真麻はずっとそう思ってる。
今まで家を長期間空ける時には健吾は必ず真麻に連絡をしてきたのに今回は突然沖縄に行っている。
そして女性へのプレゼント。
(とうとう真面目につき合いたいと思える女性に巡り逢えた?)
途端に真麻はワクワクする。
(とにかく要経過観察だわ)
真麻はニンマリすると『bonheur』の袋をそっと元の位置に戻した。
それから30分ほどして真麻は帰って行った。
「あいつは本を取りに来ただけなのに、随分長いこといたな」
健吾は不思議そうに呟くと再びパソコンへ集中した。