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遥
「……なぁ、オレが聞くのも変なんだけど、
おまえらって、恋人できたことある?」
蓮司
「いきなり雑ゥ。しかもその口ぶり、絶対自分は無い前提だろ」
日下部
「……遥は“できたことない”って顔してる。
別に悪くはないけど……」
遥
「うるせーな……まぁ無いよ。
てか、こっちが人間慣れしてないのに、
付き合うとか、逆に相手かわいそうじゃん」
蓮司
「うわ、“自分を下げて相手を思いやる風”のやつだ。
モテない男の基本構文」
日下部
「でも、わかる気はする。
“自分が壊れてるから、人をちゃんと好きになれない”みたいな……」
蓮司
「真顔で肯定すんな。
おまえも大概“愛とか苦手”な空気出してんだぞ」
日下部
「……そっちが聞くなら言うけど、
俺も恋人いたことない」
遥
「へぇ、意外。
真面目で優しいってモテそうなのに」
日下部
「“真面目で優しい”って評価ほど、
踏み込みを拒絶するものはないよ」
蓮司
「深ッ。ていうか、
なんか今日の空気、全体的に初恋語りに向かってる?」
遥
「やめろ、傷口えぐんな」
蓮司
「じゃあ俺はさくっと逃げとくね。
恋人いたこともあるし、
フラれたこともあるし、
今はフツーに満ち足りてるし」
日下部
「満ち足りてる……」
遥
「言い方ムカつくな」
蓮司
「でも、たぶん俺、
誰にも愛されなくなったら3日で死ぬタイプ」
日下部
「おまえが言うと冗談に聞こえない」
遥
「……つーか、“愛される前提”で生きてんの羨ましいな」
蓮司
「それはまぁ、才能ということで?」
日下部
「でも、遥も、
もし好きな人ができたら……どうする?」
遥
「……自分から行く勇気ないし、
好かれたら怖くなるかもな」
蓮司
「“好き”って怖いもんな。
相手の手の中に、自分の弱いとこ全部渡す感じ」
日下部
「それでも渡したくなる人がいたら、
たぶん、それが恋なんだろうけど」
遥
「……遠すぎるわ、その話」
蓮司
「ま、夜中の恋バナなんて、
そのくらいがちょうどいいよ」