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世の中自分中心に回っていると勘違い女の麗奈!そんな女、健吾さんが相手にするわけないでしょ!
まさに頭の中お花畑のご令嬢だけど、健吾はそんな女にはもう興味ないんだよね〜 コネやツテばかりで自分の美貌と男のスペックしか興味のない女の対処に健吾は慣れてると思うけど、くれぐれも理沙ちゃんに誤解されることのないように頼みますよ‼️
全コネ女〜麗奈コワッ💦 まぁ健吾は嫌というくらいこの手の、これ以上のとんでも厄介女を相手にしてきただろうから大丈夫だよね!!! それでその高飛車な骨を折ってやろう(๑و>o<)وぅお〜っ!!!
理紗子が助手席へ乗り込むと、健吾はすぐにエンジンをかけて車をスタートさせた。
今日は朝から日差しが強いので、車はソフトトップを被せたままエアコンを利かせている。
そこで理紗子が言った。
「今の人、ケンちゃんのファンなんじゃない?」
「視聴者みたいだね。こんな所で視聴者に会うなんてびっくりだな」
「とても綺麗な人だったわね。あんなに綺麗な人も投資動画なんて見のね」
理紗子は少し驚いている様子だった。
健吾は、自分のセミナーに来る女性達のほとんどは投資が目的ではなく自分目当てなのだと理紗子に言いそうになったが思い直してやめる。
先ほどの女性みたいに、自分に自信あり気で積極的なタイプほど厄介なものはない。
健吾は今までの経験からそれがわかっていた。
(ホテルが同じなのがやっかいだな)
健吾はそんな風に思った。
その時、女性は二人が乗った車がホテルの敷地内から出て行くのをじっと見つめていた。
女性は理紗子が健吾の車に乗り込んだのを見て、忌々しそうに顔を歪めた。
女性の名は白川麗奈。麗奈は東京在住で歳は理紗子より一つ上の30歳だ。
麗奈の父親は中堅どころの不動産会社を経営していた。
だから麗奈は小さい頃から社長令嬢として大切に育てられてきた。
麗奈は現在仕事をしていない。
麗奈は大学を出た後、表向きは父親の会社を手伝っているという事になっているが実際のところは何もしていない。
父親が所有する不動産のうち麗奈名義の物件がいくつかあるので、その賃貸収入が毎月自動で麗奈の口座に入ってくる。
その収入は30歳の給料としてはかなり高額だ。
だから麗奈は働かなくても充分余裕のある暮らしをする事が出来た。
麗奈は現在港区の高級マンションで一人暮らしをしている。
もちろんこのマンションも父親が所有する物件だ。
つまり麗奈は家事手伝い、花嫁修業中、といった立ち位置で毎日遊んで暮らしていた。
だから一年のうちのほとんどは、こうして気ままに旅行したり、パーティーや買い物などに費やしていた。
麗奈はこれまで何人もの男性と付き合って来た。
一時期、父親のコネでモデルをしていた事がある。
その時は、かなり年上のテレビ局関係者やスポンサー企業の御曹司、会社社長やそこそこ売れている芸能人と付き合っていた事もある。
しかし段々そういう世界にも飽きがきていた。
麗奈もそろそろ結婚をしたいと思うようになった。
だからここ数年真剣に結婚相手を探しているが、彼女のお眼鏡にかなう男性には巡り合えずとうとう今年30を迎えてしまった。
そんな娘を心配して、父親は取引先の御曹司や若手の会社経営者との見合い話を持って来るが、麗奈はその写真を見ただけでうんざりする。麗奈は自分の結婚相手になる男には、経済力も容姿も超一流であって欲しいと思っているからだ。
しかしいつまで経っても麗奈が理想とする男は現れなかった。
さすがに焦りを感じ始めていた麗奈は、ある日友人から個人投資家のパーティーへ誘われた。
パーティーへ集まる個人投資家達は、会社経営をしている男達とは何もかもが違ったので麗奈は驚く。
彼らは経済的にも精神的にも常に余裕があり性格は皆大らかだ。
そして時間や組織に縛られる事もない。会話はいつも前向きで、常に時代の最先端を捉えている。
とにかく彼らは自由で楽しそうでいつも生き生きとしていた。
そんな本物の富裕層の世界を知ってしまった麗奈は、結婚するなら個人投資家がいいと思うようになった。
そして何度か投資家のパーティーへ出席するうちに、佐倉健吾の存在を知った。
投資界の貴公子とも呼ばれている健吾は、投資家達の間では最も注目されている人物だ。
投資におけるセンスは天才的とも言われ、投資以外にも精力的に活動していると聞いた。
健吾が投資系の動画配信をしていると知った麗奈はすぐに動画を見た。
そこに映っていたのは、超イケメンのハイスペックな男性だった。
健吾を見た瞬間麗奈は、
『自分の隣に立つ資格のある男はこの人しかいない』
そう思った。
それから麗奈は健吾と知り合いになる為の綿密に計画を立て始める。
この島へ麗奈を連れて来た男も投資家だった。
彼は既婚者だったが、麗奈はあえて彼に近づき親しくなった。
しかし麗奈の本当の目的は、健吾が出席するパーティーへのチケットを手に入れる事だった。
その為にこの男を利用する事を思いついた。
なぜなら、麗奈が一緒にこの島に来ている男は健吾の親友と知り合いだったからだ。
つまり、この男と親しくしていれば健吾が出席するパーティーへ出席するチャンスが巡ってくるのだ。
しかし旅行中想定外の事が起きる。
麗奈は狙っていた健吾にこの島で偶然会えたのだ。
(これはきっと運命よ。神様が麗奈にチャンスをくれたのね)
麗奈はフフッと笑うと、くるりと向きを変えて再びホテルのロビーへ戻って行った。