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私たちは今日もタイムマシーンで、さまざまな国を巡っていた。
嵐が近づいているのか、髪を束ねていても強い風が顔に吹き付ける。
案内人が告げる。
案内人「西暦1923年9月1日の日本です」
クロナが眉をひそめる。
クロナ「やっぱりおかしい」
セレン「なにが?」
クロナ「関東大震災の遊郭だよ、ここ!」
ゴゴゴー――!
大地が激しく横に揺れ、私は悲鳴をあげながら倒れる。
倒壊する建物、燃え広がる火の手。あたりは地獄絵図のようで、どこに逃げても炎が迫る。
セレン「嘘でしょ!」
女性「こっちよ!水があるわ!」
女性の声に導かれようとした瞬間、クロナが耳元で叫ぶ。
クロナ「だめ、絶対にそっちに行っちゃダメ!弁天池は、多くの女性が飛び込んで亡くなった場所だよ」
セレン「どうするの、この状況で!」
女性「きゃあ〜!」
火の竜巻が目の前に発生する。
クロナ「私についてきて!」
クロナの後ろにぴったりとつき、私は必死で彼女を守る。
クロナ「ここまで来れば、次元を出せる」
クロナがタイムマシーンを発動させる。
セレン「危ない!」
倒壊する建物の隙間から、クロナを抱き守り、私は自分も機械の中に飛び込む。
タイムマシーンの光に包まれ、現実が揺らぐ。
気がつくと、心電図の音が規則正しく響いていた。
セレン「ここは……」
クロナ「お母さん!」
セレン「大丈夫よ、いったー…」
クロナ「ダメだよ、まだ動いちゃ……でも、現代の病院、タイムマシーンで脱出できたんだよ」
セレン「ありがとう、クロナ」
クロナ「死んじゃいや」
セレン「大げさよ、大丈夫。すぐに良くなるから」
私は魔女。怪我も病気も、まるでなかったかのように瞬時に再生する。
だが、この身体と運命は、1000年にわたり人を救い続けねばならず、逃げることも許されない。
もし私がただの人間だったら、クロナの気持ちももっと理解してあげられたはず。
魔女である今、それは残酷なほど叶わない。
罪悪感と現実の重さに、心が押し潰されそうになる。
クロナ「大丈夫だよ、お母さん。私は、いつもお母さんの味方だよ」
セレン「ありがとう、クロナ……」